この日の観客は5000ちょっとしかいないのに、そこにもここにもあそこにも溢れる。朗らかな陽の光にキラキラ反射している。三ツ沢のスタンドには、数え切れない位の笑顔さんが来場していた。
この春の陽気の様に、こんなにポカポカした温かい気持ちのまま試合観戦が出来たのはここ数年ないだろう。それも試合の最初から最後までずっと横浜が相手を圧倒したまま試合終了の笛を聞いたのだ。

それもそのはず、相手をシュート3本に追い込み、危なげない試合内容。特に前半は被シュート0。いくつかの要因があるが、富山・大西を完全に孤立させた事が大きかった。黒部が試合後「もっと前に当てればいいのに、中途半端に繋いでボールを取られる。」と語った様に、富山はボールをつなぐ意識があったが策がないまま仕掛けた事で混乱。大西は運動量もスキルもある選手だが、彼がもっと単純に奪った際に縦に展開し、黒部が落としたところに走り込まれた方が横浜としては苦しかった。富山の中盤が勝手にもがいてくれた。
開始直後から武岡、大久保が中央突破を図った様に、横浜は序盤から畳みかけた事が結果として効を奏した。田原、大久保の二人が相手守備陣にプレッシャーを与え続け、制空権もほぼ制していた。その長身FWが競ってこぼれたボールを繋いで、ミドルシュートを決めたのが中里だった。前半33分。相手DFに当たりながらもゴール上段右隅に沈めてみせた。パッと笑顔が咲いた。

前半が終わってこんなに心が温かいのは、五月病で頭がどうかしているのか、緊張感がないのかなどと考えてしまったほどだ。何もしなくても自然と笑みがこぼれてしまう。
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