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2020年10月20日

2020年J1第23節 横浜FC-FC東京「神無月でも三ツ沢には神がいた」

10月横浜は未勝利だった。10月最初の試合となった柏レイソル戦はオルンガの個の力に屈して完敗し、鹿島戦は一時2点リードを奪うもののゲーム終盤でひっくり返されての逆転負け。前節仙台戦は下平監督が「自分達のやりたい事が出来た」と話した様に、圧倒的にボールを保持したものの決定機は少なくスコアレスドローだった。



この試合も、特に後半はFC東京の猛攻に耐えるゲームが続いた。後半43分、引き分けでもと思い始めた時、FC東京のお株を奪うカウンターが決まり最後は草野が決勝点をゴール左隅に流し込んだ。それにしても草野は10月にめっぽう強い。2019シーズンも、柏戦、金沢戦と10月の三ツ沢での2試合で3ゴール。おまけにどちらの試合も彼のゴールがゲーム終盤の決勝点になるという神がかり的な強さ。その草野が年が変わってもこの10月の強さは変わらなかった。



その神が舞い降りるまで横浜は苦しいゲームだった。前半ショートカウンターを狙ってくるFC東京相手に中盤までボールはつなげるものの、そこから先に進めずバタバタしてしまう。苦し紛れのロングボールは自陣からは形にならない。FC東京の切り替えは早く、ブロックを作られた時に中々攻め手がない。一種の膠着状態と言ってよいが、悲観する必要はない。FC東京に鋭いカウンターを許すシーンは少なく、ボールを奪われても多くは中盤でボールを回収出来ている。手塚、安永でボールが安定して回っている、あるいは相手の攻撃を封鎖出来るか否かが今の横浜の生命線だ。

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posted by おかき at 23:08| Comment(1) | 横浜FC2020観戦記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年09月02日

2020年J1第13節 横浜FC-セレッソ大阪「一つの物語が終わり、また始まる」

それは突然の報だった。イバの大宮への完全移籍。ただ今シーズン出場機会が限られそうな予感は既にあった。昇格した昨年の終盤も京都戦での敗戦以降はスタメンから外れてしまった。今シーズンも2月の開幕戦も一美が1トップに入った。Jリーグが再開された7月以降も彼の出場機会は限られていた。リーグ戦では唯一出場したアウェイでのガンバ大阪戦で与えられた時間は3分。ルヴァンカップの出場時間を含めても90分にも満たない。そういう意味で、突然ではあったが意外ではなかった。

その大黒柱の移籍には多くの嘆きと悲しみの声で埋まった。まだやれる。そうサポーターが思う以上に彼自身もそう思っているから出場機会を求めて、移籍を選んだのだろう。引退や戦力外通告ともまた違う辛さがある。それでも時は止まらない、チームは動き続ける、選手も動き続ける。そうした喜怒哀楽を一杯抱えて歴史は紡がれていく。



セレッソ大阪というよりも対ロティーナ戦、横浜はヴェルディ時代から未だ勝利なし。策士の術中に嵌ってしまっているかのようだ。この試合も序盤は横浜に勢いがあったが、次第にセレッソに縦パスを通されるようになると苦戦。まず大きな誤算だったのは志知。左利きの彼が右サイドバックでどう戦うか期待していたが、左利きの選手が左足でボールを運ぶということは対面する相手の前にボールを置くことになる。だからどうしてもここで一呼吸いれてしまって、サイドを広く使いたいのにスピードダウンして、ブロックを作られて、袋小路にという展開が何度もあった。



さながら前週水曜日に鹿島の4-4-2と対峙した時とはまるで逆に、横浜はハーフスペースを消されて、ボールは動くが人が適切な位置にポジションを取れていないから、セレッソの守備の外を回るばかりになってしまった。いつかのハマナチオではないが、2ブロックがスルスルスライドして穴が中々生まれない。
近くにいた客は、「パスを回しているばかりで面白くない。」「長いのドーンと入れて、バーンと決めたらいい」と言いたい放題だったが、その思いを実現させたのはセレッソだった。



前半14分、ブロックの間を通された縦パスを高木にフリックで落とされて、飛び出してきた清武に守備陣も交わされてアッという間にゴールを決められた。鹿島戦でもそうだったが、同じ様な形の場合はどこでギャップやスペースを作るかということが課題で、この試合ではセレッソに面白い様にボールを通されてしまっていた。後半11分の失点も、右サイドを清武に侵入され、守備陣を引き付けられてしまい、こぼれ球を奥埜がブルーノメンデスにパスした時点で勝負ああり。2点目を許してしまった。

どちらも清武だけが称賛されているが、この3人目の動きに再現性があるからセレッソは堅実に強い。再現性とは一種の形。こういう時は、ここにボールを出せば、誰かが抜けてくれる。誰かが待っているというクオリティが高い。
守備になると基本を徹底させるかの様な守備で、慌てず騒がずブロック、ディレイ、スライドが徹底されていて、横浜はチャンスらしいチャンスを作れない。

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posted by おかき at 21:00| Comment(0) | 横浜FC2020観戦記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年08月20日

2020年J1第11節 横浜FC-鹿島アントラーズ「記憶にも刻みたい」

試合も残り3分、横浜はセンターバックの小林が投入して3バックとし、瀬古が右サイドバックに回り実質5-4-1の形で前線には足の速い斉藤とマギーニョを残してカウンター狙いの布陣を敷いた。鹿島の最後の猛攻に耐え続ける横浜。ゴールはならなくとも前線にカウンターで運び時間を消費していく。これが下平監督の理想のサッカーではないだろうし、理想の終わらせ方でもないだろう。でも、それはそれとして、目の前にある勝ち点3を1や0にしてはいけない。現実的に勝ち点を積み上げるという、2006年ハマナチオと呼ばれた横浜の堅守を思い起こさせた。4得点して緩んでしまった湘南戦とは対照的な1点差という緊張感が、選手達の足を止めさせない。アディショナルタイム4分過ぎた後に、試合終了の笛が鳴った。



試合は意外な展開で動いた。左サイドを突破した袴田のクロスに飛び込んだ一美はトラップし損ね、ボールが手に触れてしまった。それでも笛はならず、松尾が素早く反応してボールをかきだし、こぼれ球を皆川がゴールに叩き込んだ。ボールに手で触っているのは確実で、鹿島の選手達はセルフジャッジで手を上げて、プレーを止めてしまい、その間隙を突く形で横浜が先制した。このジャッジについては、評価は分かれている。自分も微妙なところだとは思う。もちろん、ボールは手に触れているのは確実。ただ、後ろからのボールなので偶発的である。手を広げているとは言っても、右足を伸ばして左手が後ろになるのは不自然ではないと主審は判断したのだろう。また、その後の得点機会の創出についても、そのボールを例えば松尾がシュートを放っていたらそうなったかもしれないが、そこで鹿島の選手も足を出したり、GK山田が手を出したりと混戦になり、それが得点機会を作ったとは言えないと判断したのかもしれないと自分は受け取った。微妙な判定で得点できたのは横浜にとってラッキーだった。

怒りに燃える鹿島はここから怒涛の反撃を見せるかと思ったが、そうでもない。伝統の4-4-2は横浜も4-4-2でミラーゲームなのでどこかでギャップを作らないと流れが掴みにくいはず。個人の力で剥がすか、戦い方で作り出すか、鹿島の攻撃はそのどちらでもない戦い方になってしまった。サイドは確かに巡回するが、長身のエヴェラウドにクロスを入れて打開するでもなく、崩し切る訳でもない。前節から大幅にメンバーを変えた部分で上手くいっていないのではと感じていた。



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posted by おかき at 18:42| Comment(1) | 横浜FC2020観戦記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年08月17日

2020年J1第10節 横浜FC-湘南ベルマーレ「指しすぎると」

将棋の世界には、「指しすぎ」という言葉がある。攻める際でも、守る際でも必要以上の手を指すことで隙を作ってしまい、流れを渡してしまったり、ピンチを招くことを言うのだが、まさしくこの日の横浜は、指しすぎの状態にあった。
結果的にではあるが、後半杉本、小林の2人を投入してから横浜はリズムを失った。どちらの選手の起用にも理由はあって、新加入の杉本は試合勘を取り戻させたい部分があっただろうし、中3日で迎える鹿島戦を見据えて伊野波の疲労と若手の経験を考えたものだと思っている。ただ、杉本は持ち味の俊足を披露できたが、湘南のクロスボールのこぼれ球をクリアしようとしたがキックミスになり相手選手の足元にプレゼントパス。湘南・石原は軽く触るだけでよかった。
小林は伊野波の様な縦パスを入れる事が出来ず、ディフェンスラインがずるずる下がる原因を作ってしまった。さらにFKでマークする湘南・岡本に前に入られて後半31分追加点を許した。




この日の横浜の前半はほぼパーフェクト。3バックでハイラインを敷く湘南の裏のスペースに選手が飛び出してチャンスを連発。前半3分、一美の折り返しを松浦が左足で相手に当てながらゴールを決めたのを皮切りに、前半15分は一美のスルーパスに松尾が反応し、追いすがる湘南守備陣を振り払い、GKも交わして追加点。松尾待望のJ1初ゴールが生まれた。前半17分には、松浦のクロスが湘南・岡本の広げた左手に当たりPKを獲得。この日2アシストの一美がPKを決めて3点差に。極めつけは松浦からのクロスを収めた松尾が角度のないところから左足を振り抜いて4点目。



前線の選手が大いに躍動している。一つは、松尾が守備のタスクが軽減されているのが大きい。3-1-4-2とJリーグ再開から3バックにして自分達でボールを繋いでいくというコンセプトを作り直した反面、松尾はウィングバックになり守備の負担も増大。前に行きたい時にいけないもどかしさは見ている側でもわかる。仙台大学でも10番を背負った攻撃に持ち味をもつ選手が多くの時間を守備に割くようになり、相手の脅威になりえてなかった。体力を使うからか鋭い突破は影を潜めてしまう。そしてチームも連敗では、新しい方法が如何にボールを保持できていようが、勝利出来ていないのを見ると効果的ではなかったのではないか。
そういう意味で、4-4-2にしてサイドMFに松尾を固定したのはチームに良い影響を与えているだろう。後ろにもう一枚いるからどんどん前を向いて仕掛ける。足かせが取れた様にこの試合松尾は輝いた。
もう一つは、キャラと伊野波の安定感に他ならない。小林が入ってからボールが適切に出せなくなったように、この2人の守備での安定感とビルドアップは高いレベルにある。先制点の起点になった伊野波のパスを含め、低い位置からでも繋ぎながら動きながら相手を剥がせていた。

そういう質の良さを前半20分で披露させられると、見ている側にとっては適切なボール回しすら愚鈍に思えてきてしまう。湘南は早いところからサイドの選手に展開してからが攻撃のポイントに見えたが、選手同士の距離感が悪く二次三次と攻撃を連動させられない。



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posted by おかき at 19:30| Comment(0) | 横浜FC2020観戦記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする