試合が終わると
フランスは祭りの舞台を降りて、傍観者になった。
まるで彼らギリシャ人の奉るオリンポス12神の最高神ゼウスがその右手に
持った雷(いかずち)を晴天に轟かせた、まるで晴天の霹靂な試合になった。
ただ、前回王者で今回も優勝候補にあげられていたフランス。それが
エーゲ海の小国の前に沈んだのはどうしてなのか。驚きをもって語られるが
試合をほんの少し見ただけで圧倒的な納得を感じたのがこの試合。
他の観客でさえ前半途中で寝てしまったと語る様に、
僕も前半で最悪延長を覚悟した。そういう
ゲームだった。そして終わって
見てそれが現実となる。そう、この結果は必然だった。
試合開始より攻勢を掛けたのは
ギリシャだった。王者は攻めさせている
のか余裕なのか非常に静かだ。横綱相撲という言葉があるがあれは結果的に
勝ったからそう言えるだけの言葉で、裏を返すと積極性に欠けるとも言える。
そんな意味での横綱相撲をフランスは取っている。最初からフランスは退屈な
サッカーを見せる。
マイボールからの展開の悪さを露呈する。この日ビエラが負傷で欠場した
影響もあるだろうが、それだけが原因ではないだろう。ジダンを左に置く
事で彼は守備にとらわれ過ぎてしまい、彼がボールを受けるところは
いつもセンターサークル付近で、2トップのアンリ・トレゼゲははるか前方に
位置している。しかも、低い位置でもフランスは彼にボールを預けて周りの
押し上げも遅い。ジダンは元々中央の選手。内に絞る。こうするとギリシャの
網に自分から掛かりに行くようなものだ。これではゲーム
メイクなどない。
それに気を利かせたピレスが孤立する左サイドに顔を出しに行くから
余計バランスが崩れる。個々の問題では解決できない程根が深い。
アンリ・トレゼゲは前線で良いボールが来るのを待っているだけ。下がって
受けにも来ない。一人が下がってDFを引き出せばそこにスペースが生まれたり
するのだが、アンリ・トレゼゲ両者がそれを狙っているのか動かなさ過ぎる。
能動的に自分から動かないと所謂ポストプレーヤーでもない限り絶好球は
もらえない。昔の人はよく言ったもので、「働かざる者食うべからず」
まったくその言葉どおりだ。それでもアンリは単発でも裏へ走りこもうと
する意識がある分いいが、トレゼゲは全く駄目。
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