少しだけ空気がシャキッとするのを感じる。まるで同じく赤の
ユニフォームを着た日本代表と見間違えてしまいそうになる。
それもその筈、名古屋フラーテルはこの日本リーグの開幕2週前に
岐阜で行われた北京五輪最終予選の日本代表に多くの選手を派遣し、
登録全23選手中実に18人もの日本代表経験者を抱える日本最強の
ホッケークラブ。

その相手は昨年日本リーグ6位で5-1と圧勝している法政大学。
日本代表ばかりがスタメンを連ねるフラーテルの圧勝劇をこの日も
披露するはずだった。だが、前日に行われた開幕戦も2-0と昨年
最下位の東農大に辛勝だった様に、動きが重い。

パスが効果的に通らない。行ったり来たりのバタバタした展開が続く。
スタメンには新入団選手を幾名か起用していたが、途中からいわゆる
スタメン組を続々投入しても流れを変えられない。パスが収められ
ない、合わない。#20古里は合わないパスに走り回らされるばかり。
法政の守備はキャプテン#9前田を中心に安定していた。抜かれるのを
嫌って間合いを取るのではなく、積極的にフラーテルの選手に
プレッシャーを掛けに行ったのが功を奏した。それが却って
フラーテルの焦りを生み、正確性を欠いた。

「こんなはずでは」そんな焦燥感がグランドから伝わってくる。
その空気は前半18分に片山がゴールを決めても振り払えない。
勢いは増すことなく、これでいいのだろうかというモヤッとした
気持ちが次第に頭の中を駆け巡る様になっていた。
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