体を入れ替えて彼を抜き、ゴール左隅にボールを転がした。
横浜FC待望の先制点だった。文字通りのプレゼントパスをしてくれた
宮原には感謝してもしきれないだろう。
感謝という意味では、2006年の開幕戦は結果的に見れば感謝に
なるのだろうか。当時JFLから昇格したばかりの愛媛FCにロスタイムで
失点を喫し敗戦。それをうけて当時の横浜FC・足達監督は解任。
ところが横浜FCは高木HCを監督に昇格させたところから、
一気に昇格ロードをひた走ったのは誰もが知っている事だろう。
あの頃を知る選手ももう殆どいない。そんな余韻や感慨に耽る
雰囲気もないまま、試合は淡々と進んでいく。

試合は開始から互角の、もう少し言えば愛媛がややボールを持つ形で
進行していた。前節・甲府戦の敗戦を受けてスタメンを大幅に変更。
運動量で勝負してくる愛媛に対して、横浜も若い選手を多く起用し
「前半から飛ばしていくようなゲームプラン」というのは、自分の
頭の中の予想にもあった。愛媛の豊富な運動量に対して、横浜は
積極的にプレッシャーをかけて相手を慌てさせ、ボールを奪って
フィニッシュに向かうと。

だが、試合は始まって見るとそうはならなかった。新しい形を
試した為に、選手個々のタイミングに差があって受身に回る事の
方が多かった。その中において今年入団した八角は、パスカットを
含め守備面では大きな役割を果たし、愛媛のラストパスを食い止めた。
序盤はキャプテンでケガから復帰した山田卓也に怒られている場面
ばかりだったが、後ろへのケアの役割を解放されて徐々に前に進出。
攻撃面での貢献度は高くなかったが、都並監督が試合後に「守備の面で計算できるタレント」と語った言葉と同じ感想を皆持ったと思う。
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