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2018年11月19日

2018年J2第42節 ヴァンフォーレ甲府-横浜FC「神亡き道に、光を放つ」

前半41分横浜に衝撃が走る。ここまで横浜の攻撃陣をけん引してきたレアンドロ・ドミンゲスが右足を負傷して交代を余儀なくされる。この前の岡山戦ではゴールを決め、その前の大分戦、徳島戦と横浜のゴールは全て彼の右足から生まれてきた。昇格戦線を戦う上で、彼の離脱は痛い。自動昇格どころか条件次第では優勝もありうるこのゲームは勝利が至上命題。そこに影を落とす、神の退場劇となってしまった。

後半横浜はゲームを立て直した。前半甲府にボールを持たせるのはよいが、奪った後の攻撃がスムーズではなく遅く、バックラインでボールを回すだけのサッカーになってしまった。バックラインでボールを回しているのはよいが、リズムが良くなかった。両チームがボールをもたされては展開ができないという全くゲームになっていなかった。これも独特の緊張感が選手たちを襲っているのだろうか。横浜はプレーオフ以上は確定している。負けても失うものはないのだが、勝利を欲すれば欲するほど選手たちは固くなっていた。



その身体をほぐしていったのは、サポーターだろう。アウェイゴール裏に退去して、選手を後押ししたがこの数は多分過去最大。昇格した2006年の終盤の柏戦でもここまでではなかった。イヤーエンドパーティでも「ホームでもあれくらい入ってくれたら」と言われてしまう密度の濃いゴール裏のサポーターの応援が横浜を後押してしていた。上に上がりたいという強い横浜のコールは人数に勝る甲府のコールに負けていなかった。



そしてレアンドロ・ドミンゲスの交代。流れが悪くなりそうな中で、後半はイバにボールを集める旧来の戦いに戻して横浜は流れをつかんだ。レアンドロ・ドミンゲスの代わりに野村が入り、イバの良き相棒として時には裏に顔を出し、時には3ボランチの前にファーストディフェンダーとして甲府をけん制して、横浜は次第に高い位置でボールを奪い始める。



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posted by おかき at 00:16| Comment(0) | 横浜FC2018観戦記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年11月11日

2018年J2第41節 横浜FC-ファジアーノ岡山「俺らって何か手にしたっけ?」

ある人がこう言った「あと一つだ!」と。最終節の甲府戦に勝利すれば、自動昇格の可能性は残してはいるのだが、それは他の3チームの動向次第でしかなく、生殺与奪の権利は横浜にない。勝ち点を少しでも高めて、上位の他のチームにプレッシャーを掛けるしか横浜には手段がない。この観戦記を書いている今でも3位。翌日に試合を行う松本、町田の結果次第ではまたしても4位になることもある。それは最終節も同じ。あと1つどころか、昇格プレーオフを含めたら最大残り4つである。

その残り4つか1つかの可能性を高めていく上で勝利することが横浜の絶対条件である。少なくともこの第41節に勝利すれば、他のチームの状況に関係なく昇格プレーオフ圏内は確定する。前節大分に勝利して、横浜界隈はこの試合へのテンションが高かった。この試合の布陣も、出場停止明けのイバや野村を戻すのではなく、前節で大分に勝利したメンバーが優先されて起用された。また控えにDF登録の選手を置かず、とにかく勝ちに行くという気持ちがあった。



ちょうど1年前の2017シーズンの41節の相手も奇しくも岡山だった。そこで後半アディショナルタイムに同点ゴールを許して、横浜の昇格への夢は潰えた。中里はへたり込み、佐藤謙介は人目をはばからず涙をこぼした。残酷なれどそれが現実。あれから1年横浜は岡山相手にどう立ち向かえるか。それはサポーターも選手も抱いていただろう。

その思いが早々に形になる。岡山DFのクリアボールを1トラップして振りぬいたレアンドロ・ドミンゲスのミドルシュートが岡山ゴールを捉えて先制。1万人を超える観衆の中で戦う緊張感とは無縁の経験豊富な男の一撃が横浜に落ち着きをもたらす。前半はこのゴールから横浜に流れが傾き、岡山はハーフウェイから裏へのロングボールばかりで横浜としては、失点する気配はまるでなかった。




攻撃面では相手のボールを奪ってから特に左サイドでポイントを多く作ることは出来たが、余裕からなのか崩し切るという形にすることができないままで、相手を押し込みながらも追加点が奪えないままゲームは前半を終えた。

後半、横浜に追加点が入る。永田からオーバーラップしたカルフィン・ヨン・ア・ピンにボールが渡るとクロスを上げ、中央で戸島が潰れたが裏に走りこんだレアンドロ・ドミンゲスがまたしても岡山ゴールにシュートを決めて2点目。
横浜としては昨年の悪夢を振り払うのに大きなリードとなった。

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posted by おかき at 14:42| Comment(2) | 横浜FC2018観戦記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年11月05日

2018年J2第40節 横浜FC-大分トリニータ「振り切れ、雨も過去も心も」

佐藤謙介に続きレアンドロ・ドミンゲスのミドルシュートもクロスバーを叩いた。「またか。」しかし、そんな言葉が口をついて出る前に、弾いたボールに反応した永田が身体を投げ出し、ヘディングシュートでゴールにボールを流し込んだ。



雨を浴びて叫ぶ永田。「ショーシャンクの空に」の象徴的なシーンを思い出す、そして、選手やスタッフが待つサイドラインに飛び込んでいく。昨年第33節で後十字靭帯を負傷して昇格争いの中でチームに貢献できずチームはJ2残留し、今年もコンディションが戻ってくるまでは田所や武田の前に出場もままならず忸怩たる思いもあっただろう。水戸戦では試合勘がなく前半しかプレーさせてもらえなかった。しかし、ここ数戦でスタメンを奪い返し、そしてこのゴールでチームの危機を救った。希望は人を大きくする。復帰への希望、プレーする希望、そして昇格への希望。雨中のあの咆哮は忘れない。

先に大きな歓声が上がったのは大分だった。後半14分、後半開始から投入された大分・伊佐が田代を交わしてグラウンダーのクロスを入れると逆サイドを走り込んできた馬場が決めた。
横浜としては、4-3-3で三平を頂点に置く大分のシステムは怖くなかった。トップスコアラ―の藤本を欠いた大分の布陣は松本と馬場のバランスが良くなく、双方がそのまま孤立して中央突破だけの形になっていたので、横浜としてはセンターラインを如何に攻略させないかという部分に注力していた。それが伊佐が入り、サイドで横浜が大分を捕まえられなくなってきた。直前のプレーでも前線で落として、馬場が放った強烈なシュート2本は前半と違って大分らしさを感じさせるものだったからだ。



その大分らしいゴールでゲームは動き出す。横浜は下がらない。逆に勝つんだという思いを強くにじませた。前半から横浜が良いペースでゲームを進めていた。大分はボールは持てるが動かせない。左右をしっかり受け止めて、体を張ってボールを奪いきる。大分GK高木もビルドアップに絡むが、効果的なボールを横浜は出させなかった。
その立役者は瀬沼だ。彼の運動量がチームを支えていた。右のボランチに入ると星と馬場のラインを遮断。本来FWなので、スペースを読んだ動きはできなくても、コースを切る、体を張る、ボールを奪えば相手を剥がす。これを後半アディショナルタイムで下がるまでひたすら続けるタフさがこの大一番でチームのベースになったのは間違いない。正直感動的なパフォーマンスだった。



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posted by おかき at 21:55| Comment(2) | 横浜FC2018観戦記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする