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2020年08月20日

2020年J1第11節 横浜FC-鹿島アントラーズ「記憶にも刻みたい」

試合も残り3分、横浜はセンターバックの小林が投入して3バックとし、瀬古が右サイドバックに回り実質5-4-1の形で前線には足の速い斉藤とマギーニョを残してカウンター狙いの布陣を敷いた。鹿島の最後の猛攻に耐え続ける横浜。ゴールはならなくとも前線にカウンターで運び時間を消費していく。これが下平監督の理想のサッカーではないだろうし、理想の終わらせ方でもないだろう。でも、それはそれとして、目の前にある勝ち点3を1や0にしてはいけない。現実的に勝ち点を積み上げるという、2006年ハマナチオと呼ばれた横浜の堅守を思い起こさせた。4得点して緩んでしまった湘南戦とは対照的な1点差という緊張感が、選手達の足を止めさせない。アディショナルタイム4分過ぎた後に、試合終了の笛が鳴った。



試合は意外な展開で動いた。左サイドを突破した袴田のクロスに飛び込んだ一美はトラップし損ね、ボールが手に触れてしまった。それでも笛はならず、松尾が素早く反応してボールをかきだし、こぼれ球を皆川がゴールに叩き込んだ。ボールに手で触っているのは確実で、鹿島の選手達はセルフジャッジで手を上げて、プレーを止めてしまい、その間隙を突く形で横浜が先制した。このジャッジについては、評価は分かれている。自分も微妙なところだとは思う。もちろん、ボールは手に触れているのは確実。ただ、後ろからのボールなので偶発的である。手を広げているとは言っても、右足を伸ばして左手が後ろになるのは不自然ではないと主審は判断したのだろう。また、その後の得点機会の創出についても、そのボールを例えば松尾がシュートを放っていたらそうなったかもしれないが、そこで鹿島の選手も足を出したり、GK山田が手を出したりと混戦になり、それが得点機会を作ったとは言えないと判断したのかもしれないと自分は受け取った。微妙な判定で得点できたのは横浜にとってラッキーだった。

怒りに燃える鹿島はここから怒涛の反撃を見せるかと思ったが、そうでもない。伝統の4-4-2は横浜も4-4-2でミラーゲームなのでどこかでギャップを作らないと流れが掴みにくいはず。個人の力で剥がすか、戦い方で作り出すか、鹿島の攻撃はそのどちらでもない戦い方になってしまった。サイドは確かに巡回するが、長身のエヴェラウドにクロスを入れて打開するでもなく、崩し切る訳でもない。前節から大幅にメンバーを変えた部分で上手くいっていないのではと感じていた。



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posted by おかき at 18:42| Comment(1) | 横浜FC2020観戦記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年08月17日

2020年J1第10節 横浜FC-湘南ベルマーレ「指しすぎると」

将棋の世界には、「指しすぎ」という言葉がある。攻める際でも、守る際でも必要以上の手を指すことで隙を作ってしまい、流れを渡してしまったり、ピンチを招くことを言うのだが、まさしくこの日の横浜は、指しすぎの状態にあった。
結果的にではあるが、後半杉本、小林の2人を投入してから横浜はリズムを失った。どちらの選手の起用にも理由はあって、新加入の杉本は試合勘を取り戻させたい部分があっただろうし、中3日で迎える鹿島戦を見据えて伊野波の疲労と若手の経験を考えたものだと思っている。ただ、杉本は持ち味の俊足を披露できたが、湘南のクロスボールのこぼれ球をクリアしようとしたがキックミスになり相手選手の足元にプレゼントパス。湘南・石原は軽く触るだけでよかった。
小林は伊野波の様な縦パスを入れる事が出来ず、ディフェンスラインがずるずる下がる原因を作ってしまった。さらにFKでマークする湘南・岡本に前に入られて後半31分追加点を許した。




この日の横浜の前半はほぼパーフェクト。3バックでハイラインを敷く湘南の裏のスペースに選手が飛び出してチャンスを連発。前半3分、一美の折り返しを松浦が左足で相手に当てながらゴールを決めたのを皮切りに、前半15分は一美のスルーパスに松尾が反応し、追いすがる湘南守備陣を振り払い、GKも交わして追加点。松尾待望のJ1初ゴールが生まれた。前半17分には、松浦のクロスが湘南・岡本の広げた左手に当たりPKを獲得。この日2アシストの一美がPKを決めて3点差に。極めつけは松浦からのクロスを収めた松尾が角度のないところから左足を振り抜いて4点目。



前線の選手が大いに躍動している。一つは、松尾が守備のタスクが軽減されているのが大きい。3-1-4-2とJリーグ再開から3バックにして自分達でボールを繋いでいくというコンセプトを作り直した反面、松尾はウィングバックになり守備の負担も増大。前に行きたい時にいけないもどかしさは見ている側でもわかる。仙台大学でも10番を背負った攻撃に持ち味をもつ選手が多くの時間を守備に割くようになり、相手の脅威になりえてなかった。体力を使うからか鋭い突破は影を潜めてしまう。そしてチームも連敗では、新しい方法が如何にボールを保持できていようが、勝利出来ていないのを見ると効果的ではなかったのではないか。
そういう意味で、4-4-2にしてサイドMFに松尾を固定したのはチームに良い影響を与えているだろう。後ろにもう一枚いるからどんどん前を向いて仕掛ける。足かせが取れた様にこの試合松尾は輝いた。
もう一つは、キャラと伊野波の安定感に他ならない。小林が入ってからボールが適切に出せなくなったように、この2人の守備での安定感とビルドアップは高いレベルにある。先制点の起点になった伊野波のパスを含め、低い位置からでも繋ぎながら動きながら相手を剥がせていた。

そういう質の良さを前半20分で披露させられると、見ている側にとっては適切なボール回しすら愚鈍に思えてきてしまう。湘南は早いところからサイドの選手に展開してからが攻撃のポイントに見えたが、選手同士の距離感が悪く二次三次と攻撃を連動させられない。



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posted by おかき at 19:30| Comment(0) | 横浜FC2020観戦記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年08月03日

2020年J1第8節 横浜FC-サンフレッチェ広島「サイカイ」

Jリーグが再開してから約1か月、横浜のサッカーの評価は頗る高い。昇格チームによくある守ってカウンターというサッカーではなく、低い位置から繋いで相手ゴールを目指すサッカーは、相手サポーターからも評価が高い。だが、結果が内容に伴わない。川崎戦、F・マリノス戦、浦和戦と3連敗。失点を重ねて、ゴールも奪えない。体力が落ちてくる後半は、前半と打って変わって内容が次第に悪くなることも露呈した。このサッカーで肝なのは、中盤の3人だがそれが上手くフィットしない。概ね3-1-4-2とはなっているが、この中盤の3枚の組み合わせに下平監督は苦心しているようだ。今節は、松浦、佐藤、そして手塚の3名が中盤に名前を連ねた。



ところが、この日はチーム全体に精彩がない。1トップの皆川は左右のスペースで受ける動きが少なくボールが収まらない。松浦と手塚は味方を追い越す動きもない。横浜の攻撃面での課題は、こうしたスペースでボールを受ける動きが少ない事。ウィングバックに入ったマギーニョ、松尾は常に相手と対面するばかりで中々前を向いて仕掛けることもままならない。こうしたところで手塚が松尾を追い越してスペースを作る様なプレーもない。気の利いたプレーは出来ていても、相手からすると脅威になるプレーは少ない。



1ボランチの脇は横浜の弱点でもある。それを相手も理解している。前半22分の失点は、田代がボランチの脇を締めようとつり出された裏のスペースを狙われ、走り込んだ森島が追いすがった佐藤を振り切ってゴールを決めたもの。田代が高く出ていくのは適切だったのか、松浦は2トップの様なところまで出ていく必要はあったのか、そうするとラインコントロールは適切だったのか。色々不可解な失点だった。

では、失点して攻撃が加速するか言えばそうでもなかった。広島の前線からのプレスにボールを何度も失い、横浜は攻撃の形すら作れない。システムを5-4-1の様な形にして広島の攻撃を抑え込んだ半面、選手の距離感が悪くなり後ろからボールを持ちあがる事も減った。だから何となくロングボールで打開を図るが、サイドの選手へのサポートも遅く広島は十分にブロックを作る余裕があった。



前半37分には広島に追加点。コーナーキックのこぼれ球をフリーになっていたドウグラス・ヴィエイラに決められた。2018年のJ1参入プレーオフで失点してから、これで三ツ沢では3試合連続彼にゴールを許している。J1で再会しても、相性の悪さがあるのだろうか。あの1戦以降横浜は彼にとってお得意様になってしまった。

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posted by おかき at 22:47| Comment(0) | 横浜FC2020観戦記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする