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2009年06月22日

2009年ホッケー日本リーグ最終節最終日 山梨学院大学CROWNING GLORIES-コカ・コーラウェストレッドスパークス

それまで小康状態だった雨足は試合の直前から強くなった。霧雨から叩きつけるような激しい雨に。それまでの2試合は嵐の前の静けさだったというべきか。最終日を前に順位は、

ソニー一宮      勝ち点32 10勝2分1敗 得失点差29
コカ・コーラウェスト 勝ち点31 10勝1分2敗 得失点差23

となっている。最終日にコカコーラが引き分け、ソニー一宮が敗れて勝ち点で並んでも、得失点差の差は6。ましてやソニー一宮が1試合で7点以上入れられる事はまず考えられない。つまり、コカ・コーラウェストはこの試合を勝たなければならない。直前の試合、グラクソ-南都銀行は両者とも「勝てば良い」だったが、「勝たなくてはならない」と捉えると重いプレッシャーが選手の両肩にのしかかっていく。
そしてコカ・コーラウェストにとって山梨学院大学は大きな壁。2005年の参入以来一度も勝てないどころか引き分ける事も出来ていない相性の悪い相手だった。



山梨学院大学にすればコカ・コーラウェストは相性の良い相手であり、スタジアムは自分達の練習場、男子部員も応援に加わりリーグ戦最後の戦いの応援にも熱が入る。4年生は最後のリーグ戦になるのだ。

試合は開始から山梨学院が攻勢に出た。コカ・コーラウェストは前線と中盤にスペースを与えてしまい、山梨学院の選手が簡単に前を向ける状況にあった。「勝利」という名の呪縛の鎖がコカ・コーラの選手達を縛っているかの様に。そして、コカ・コーラウェストは前半10分パスミスを山梨学院大学の#6佐藤に拾われてリバースシュートをキレイに決められてしまった。



コカ・コーラウェストはこれで目が覚めてもおかしくないのだが、まだ動きは固いまま。山梨学院大学はホームの応援を嵩にかかって攻め立てた。彼女達も負けられないのだ。
前半26分。#1李の放ったヒットをサークル内にいた#9徳島が見事なタッチで合わせて追加点。李と徳島の絶妙なコンビネーションで追加点を奪った山梨学院大学。



2点を取られ逆転優勝が絶望である事を象徴するかの様に降りしきる強い雨。しかし、この失点でコカ・コーラウェストの選手の何かが変わり始めた。前に出る気持ちが強くなった。反則を犯されてもアドバンテージがある限り前進しようとし、良い意味で反則を犯しても粘り強く守ろうと懸命になっていたのがわかる。雨の中、歯を食いしばって戦う選手達の表情がそこにあった。

前半も終わろうかという33分。コカ・コーラウェストがPCを獲得。このチャンスを決めたのは#2張。得点王を決定的にする今シーズン9点目。



後半ゲームは一変する。後半開始当初こそ山梨学院が攻め込むが、その後はコカ・コーラの優勝したい、ともかく勝ちたいという思いがチームを一つにした。
その気迫の前に山梨学院大学の応援の声も静かになり、やがてコカ・コーラウェストの応援ばかりが耳に入ってくる様になった。

山梨学院大学は、ゴール前で何とか粘ってクリアするのが精一杯になったが、ホッケーはサッカーと違い基本的に高いボールは禁止なのでグランダーのボールはまた拾われて、コカ・コーラウェストの攻撃が継続されるという悪循環に陥っていた。

そして後半17分。サークル内の混戦からこぼれたボールを最前線にオーバラップしていた#8小野が決めてコカ・コーラがとうとう同点にする。



ここからは目標のある者とない者との差が一気に出る。山梨学院大学は徳島、#15永山らが時折前線に攻め込むシーンもあったが、コカ・コーラウェストがゲームを完全に支配した。勝利を信じる事。仲間を信じる事。そして、自分を信じる事。全て満たした。後は得点を取る事それだけだった。

まだ山梨学院大学も必死の抵抗を見せる。後半一気に運動量が落ちた山梨学院大学は、コカ・コーラの選手と併走するのも苦しい状況だったが皆最後までスティックを伸ばし、身体を張ってコカ・コーラウェストの攻撃を凌ぐ。
汚いかも知れないが、サークルのやや外で反則を犯して妨害して、フリーヒットを直接サークルに打たせない作戦を取って頑強に抵抗。



そうしている間にも刻一刻刻一刻と過ぎていく時間。PCから小野のドラッグフリックもゴールにならない。美しいホッケーをしているのは明らかにコカ・コーラだった。

しかし引き分け、つまりコカ・コーラの終戦を告げるフォンの音が訪れた。立ちすくむコカ・コーラの選手達。言葉を失うしかなった。チーム関係者は「これもまだ修行」と言った。チームが出来てまだ5シーズン目のチームが初めての優勝争いで、栄冠を勝ち取れる程甘くないだろう。それを教えてくれたとも言える。



この試合の後にソニー一宮の試合が控えている。ソニー一宮が7点差以上で負ければ、コカ・コーラウェストが逆転で優勝になるが、それを信じている者などいなかった。そんな言葉を口に出せる状況ではなかった。
posted by おかき at 20:45| Comment(0) | TrackBack(0) | ホッケー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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