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2009年09月21日

2009年J2第40節 横浜FC-東京ヴェルディ 「白い目」

「東京ヴェルディがJ退会も」というセンセーショナルな記事が踊った1週間だった。経営をしている日テレが撤退する事になり、来年度からはユース出身の人間が代表を務める団体がチームの運営に携わる事になった。こうなってしまったのはいくつか理由があると思うが、読売の名前を入れたいとせがんだり、川崎から東京に本拠地を移してみたりと、地元とか地域密着という感覚には程遠いクラブという印象がある。近年こそ多摩地区、世田谷周辺の活動は増えたがまだそのイメージを払拭できていない。
Jリーグに36チームが加盟し「地域密着」という言葉の意味も徐々に浸透し始めてきた中、東京ヴェルディの親会社からの巨額の赤字補填などを聞くと東京ヴェルディを白い目で見てしまう。



その東京ヴェルディサポーターから白い目で見られたのは池元だった。後半1分、左サイドからのクロスに体勢を崩しながらも放ったシュートは大きくバウンドしポストに当たってゴールに吸い込まれた。緊迫していたゲームが動き出す。



前半横浜は東京Vに振り回されていた。サイドの河野、レアンドロの突破からサイドチェンジで揺さぶりを受け、平本が落として柴崎が絡んでいく。東京Vの選手は個人の能力が高い選手が多く、横浜が意図してボールを奪うラインがどうしても下げさせられる。横浜は過去東京V飯尾の飛び出しに何度も苦杯を味わっている。それでも前半1分のピンチをGK大久保が弾いて阻止すると、その後レアンドロのシュートも、そのCKからの混戦も何とかクリアする。



横浜はカウンターに近い形でボールを得るが、ボールこそ回るが効果的な突破は少ない。小野、安が効果的な形でボールを持っても、周りの選手が連動して崩す動きにならない。横浜の選手全般的に言えるのは、次のプレーを予測して動いている選手が少ないから、攻守の切り替え、スピードアップのメリハリがチーム全体で出来ていない。



J2の底辺をさまよう横浜FCで選手に対する評価が下がるのは自然なことで、池元においては昨年の活躍からの反動だろう、大きく評価を下げている。突破しても次のプレーに迷いがあり、ドリブルでサイドをグルグル回るだけ、シュートも枠にいかない。その池元が後半開始早々迷う事なく、倒れこみながら放ったシュートが東京Vゴールに吸い込まれる。約3ヶ月ぶりのゴールだった。俺を忘れるなと胸を叩いてゴール裏に飛び込んだ。

このゴールで動いたのは東京Vだった。前回の対戦で横浜のゴール裏を煽った大黒が三ツ沢のブーイングに包まれて登場。それでも彼のプレーはそんなのどこ吹く風。裏に飛び出す速さと嗅覚は天下一品。吉本、八田の2人がその対応に追われるとレアンドロ、柴崎が徐々に前線に進出。ピンチが増えていく。

横浜は難波、西田を投入。前線での運動量をキープする事、藤田に走られている右サイドを封じにかかった。それを見て東京V高木監督は滝澤を左サイドに投入して、どんどん裏のスペースにクロスを供給。何度も危ないシーンが横浜を襲い、ポストからボール1個分だけ逸れて転がっていく。



またしても、後半ロスタイム近辺で失点してしまうのか。そんな嫌な記憶が甦ろうとしていた後半39分。残り時間も少ない中で東京Vは低い位置で悠長にボールを回し、藤田に不用意なパスが行ったところそれを片山が強奪。そして、ゴールに向かう片山を藤田が後ろから倒して横浜がPKを獲得。藤田の一発退場で声を失った東京Vのサポーターは彼を白い目で見送るしかなかった。
このPKを安が決めて2-0として、ゲームの行方は決まった。PKの直前に滝澤に素晴らしいパスを送ったレアンドロが左足を痛めてしまい、ゲームメイキングが停滞。数的不利の東京Vは放り込むしかなくなってしまった。

八田がロングボールをクリアして、試合終了の笛。これで8月からホームで負け無しの状況が続いている。



「これでヴェルディも終焉か」誰かがつぶやいた。東京Vのこの状況は、対岸の火事ではない。クラブの社長=メインスポンサーの社長=筆頭株主の持ち株会社の社長である横浜も同じだ。地域に根付いているとは言えない。平均観客動員も4000人近くしかない。この試合は新しくライブドアがスポンサーになった記念のライブドアマッチではあったが、それにみんなで感謝しようという空気は生まれなかった。クラブにスポンサーが付くのは喜ばしい事だが、相変わらずそっちしか見ていない横浜FCの運営が白い目で見られている事を彼らは認識していない。ライブドアのスポンサードにより当面の資金は確保できたが、フロントの本質は何も変わっていない。

池元のゴールは美しいゴールではなかったかも知れない。だが、その気持ちがスタジアムを揺らした。本当に何が大切なのか、このクラブだからこそわかっていないといけない筈だ。一度消滅して生まれたこのクラブがまた消滅となった時、それこそ白い目で見られるだけである。
posted by おかき at 15:59| Comment(0) | TrackBack(2) | 横浜FC2009観戦記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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