最近の記事

2009年10月19日

2009年J2第45節 横浜FC-ファジアーノ岡山 「この位」

将棋には「位を取る」という言葉がある。9×9の盤面で戦う将棋において、5段目まで歩を延ばせる事は相手を窮屈な状況に追い込め、一般的に位を取った方が有利な状況に立ち易い。相手の機先を制すこの位を取れた事が横浜は大きかった。

大きく敵陣まで伸ばした「歩」。ゴールライン近くで三浦淳からのスローインをダイレクトで折り返した八角。相手ゴールに背を向けながらボールをキープした難波が、トラップしながら身体を入れ替え、前を向いて左足でシュートを放つ。これまで何度も簡単なゴールチャンスを外し続けてきた難波の汚名返上となるゴールが突き刺さった。前半12分。



岡山は以前横浜と対戦した時と布陣が変わり、喜山がサイドではなく中央に入る形、前線の三木に当てて喜山がやや下がった位置で展開していた。しかし、展開された後のサイドの選手が横浜のプレッシャーを受けてボールを失い、ゲームメイクが出来ない。

それは横浜も同じで、ボールを奪うまでは良いがその後の攻守の切り替えが遅く、カウンターになるシーンでも持ち上がらず横パスでチャンスを潰し続けた。ボールをキープしてタメを作る事と、攻守の切り替えが遅いのは全く違う。横浜の最大の弱点はこの部分にある。



それでも前半は、八角、鄭の献身的または迫力ある守備で位を取って相手を牽制していたが八角が負傷で29分に退くと、そのバランスが崩れ徐々に相手にボールを支配されていった。西田の入った右サイドは押し込まれクロスを許すシーンが増えていった。位を失った横浜は攻撃の糸口もつかめないまま、耐えるしかなかった。

後半開始直後のFKから横浜に追加点が生まれる。右の小野のFKに合わせたのは戸川。FKにあわせたヘディングは、後半から出場の岡山・竹田が一度はクリアするが、ボールが弱くそれがもう一度戸川の足元に転がり、それを今度は足で押し込んだ。



これで2-0とし横浜がゲームを優位に展開すると思われたが、その時間は長くは続かなかった。得点直後こそ安や片山の突破が見られたが、疲弊し始めた後半半ばよりチーム全体が"ダレて"しまい、言うところの食いつきに行くのも厳しい状況になっていた。



前に行けなくなっていたその中途半端な時間帯に横浜は失点する。カウンターとは言え、守備ラインには戸川も八田も揃っていたが、岡山・三木にスルーパスに抜け出され、GK大久保が1対1を1回は止めたが結局ゴールを奪われてしまう。
このCBの間を通されての失点は直前の練習試合で崩されていたのと同じ形。何も修正されていない指導力、そして修正能力に疑問を感じた。



その後は岡山のロングボールを多用した放り込みの攻撃を何とか耐え凌いで横浜が2-1で勝利した。終盤はどちらが勝っているのか全くわからない試合だった。パッと見ればわかる。リードしても簡単に失点を許しているから、今この順位なのである。この試合こそ助かったが、上位のチームとは数日頭を整理する程度では埋めきれない差が生まれている。「この位にしておいてやろう」だなんて余裕のあるセリフは、皮肉か自虐にしか聞こえない。

秋になって私達はこんな外れに来てしまった。観客が2000人程度しか応援してくれないチームにとってはこの位の場所が妥当だろう。それは西が丘のある東京の外れがではない、J2の外れがだ。
posted by おかき at 09:00| Comment(0) | TrackBack(1) | 横浜FC2009観戦記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]


この記事へのトラックバック

「横浜FCvsファジアーノ岡山」観戦記 〜「ちょっとお出掛け」シリーズは幸先良い出だし〜
Excerpt:  この試合を含めて、今季ホーム残り4試合を「ちょっと出掛けてきます」と銘打ってましたが、かつて阪神タイガースが高校野球開催中は甲子...
Weblog: Ali della liberta (in Stadio)
Tracked: 2009-10-19 20:49