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2010年10月24日

2010年J2第31節 横浜FC-ジェフユナイテッド市原千葉 「思い出作りには早すぎる」

今年初めて横浜は控えの選手が7人ではなく、6人しかいなかった。資金的な問題からアウェーでの試合で控えの選手を5人しか帯同させなかった例は他のチームでたまに見かけるか、ホームで7人でなかったというのは横浜では異例の事だ。この千葉戦はカイオが出場停止、柳沢、寺田、そして前節柳沢の負傷交代で出場した根占もケガ、その他にもCBの戸川、金もケガとスタメンクラス、控えクラスにまでケガ人続出しまともにベンチを満たすことが出来ない状態。

しかし、その切迫感からか横浜が前半からアップテンポなペースで千葉を押し込む。試合開始直後のCKから野崎の放ったシュートは、千葉GK岡本が間一髪で弾き出したが、これは横浜が上げた狼煙だった。千葉の守備陣はボールウォッチャーになる傾向があり、またカイオというボールを引き出す選手が不在もあったのだろう。長いボールでスペースを突く攻撃を選ぶ横浜。千葉の守備陣がそれに付き合ってくれたのが幸いした。ラインを積極的に上げずに対応するので、横浜は西田、難波でボールをキープ出来た。



そして阿部と深井のマッチアップで勝利出来た事は非常に大きかった。4-3-3の右サイドを担う俊足の深井とのかけっこで相手のスピードをストップさせて、そこからの侵入を殆ど許さなかった。岸野監督が試合後の会見で言っている様に、飛び込まず付いていってスピードダウンさせる事を繰り返して、深井の気持ちを切った。前半最初のマッチアップで阿部が勝った時に、深井が非常に嫌な表情をしたのが印象的で、これで前半横浜に流れを呼び込めた。

そして渡邉の奮闘も見逃してはならない。千葉ネットを相手にして前後半共に1対1を制した事で千葉のロングボールを殆どシャットアウト出来た。ネットの言葉にならない苛立ちは千葉のチーム全体の苛立ちに似ていた。前回対戦した時とはお互い全然違うチームになっていた。



前半43分ロングボールに追いついた難波がダイレクトで中にいた西田に折り返す。西田は相手選手のマークを振り切ってヘディングシュートでボールの方向を逸らした。厳しい角度だったが、ボールはゴールポストに弾かれてゴールに吸い込まれた。前半終了間際のフワフワした時間帯に願っても無い先制点を挙げた。
5月に3試合連続ゴールを決めて、一躍エースストライカーに名乗りを上げた西田だったが、相棒・大黒の離脱、自身のケガ、カイオの移籍と出場機会は春先に比べて激減。それでもカイオが不在のこの試合結果を残して存在感を示した。

ところが後半は一転千葉の流れになる。谷澤の投入で横浜の右サイドが攻略され始める。前半野崎がアキレス腱付近を痛めていたのもあったのだろう。非常に早い投入。後半開始早々に谷澤の突破から流れるようなパス交換で抜け出した倉田が横浜のゴールネットを揺らしたが、これはオフサイド。横浜は肝を冷やした。

谷澤の突破は怖いがここを武岡、野崎でコントロール出来る様になると、千葉は変化球もなく強引に縦突破を図っては失敗をする。また、近距離からのシュートが枠を捉える事が少なかった事にも助けられた。



千葉は後半30分に一気に2人を交代させて勝負に出るが、横浜は千葉の打つ手を全部見た上で交代する余裕があった。集中している後ろの選手を代えるのではなく、前線の選手を代えて千葉のボールの出所を断ちにいった。MFの太田をDFにいれた意図を汲み取り、スピードのあるエデルを入れて蓋をする。

後半終盤で1点差という緊張感は、天皇杯の川崎戦、前節の鳥栖戦と同じシチュエーションだったが、それがあってこの日があった。4分というロスタイムも千葉の攻撃を凌ぎきり横浜が1-0で勝利。先週佐賀で見た阿部の涙は笑顔に変わっていた。

さて千葉戦から一夜明けたこの日、福岡が北九州に勝つと残り7試合で勝ち点11差。昇格に数字上可能性が残っている事はわかっている。だが、試合前の電光掲示板に映る「昇格」というスローガンを見て、頭の中で勝ち点差を計算すると苦笑してしまう現実。
だがそれでも、なお戦い続ける。心の片隅で「きっとダメなんだろうなぁ」という予感を持っていたとしても。西田の父親に捧げるゴールや、中田久富の不出場はまだリーグ戦を思い出作りにするには早すぎると神様は告げている。来年に繋げるとはまだ言いたくない。



対戦相手の千葉が2008年に起こした奇跡と呼ばれる残留劇も、その必死さが積み重なって最終節ドラマを起こした。我々も他力本願で福岡、千葉、東京Vが敗れる事を願うしかないが、一つ一つ眼の前の試合を戦い続ける。4月5月で9敗した過去は変える事は出来ない。だが、自分達の未来は自分達の手で変えられる。諦めた者から退かなければならない。それが戦いの舞台の掟なのだ。
posted by おかき at 10:04| Comment(0) | TrackBack(2) | 横浜FC2010観戦記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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