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2006年05月15日

2006年J2第15節 横浜FC-ベガルタ仙台「矛盾」

J1が休みになり、最初の日曜日、多くの観客が詰め掛けたのは三ツ沢では
なく、仙台のゴール裏。ぎっしり詰まってできた黄金の絨毯が
ロペスコールで揺れている。

この日J2で一番注目されるカード。
横浜FC対ベガルタ仙台。

ここまで高木監督になってから12戦負けなしの横浜FC。
失点も14試合で「3」。高木監督になってからは失点「2」。
J2最小失点の鉄壁を誇る守備陣は昨年と見違える様な成績。
前の試合でも上位の東京ヴェルディに勝利し、第2クールの山場と
言うべきタイミングで仙台をホーム・三ツ沢で迎え撃つ。

片や仙台。外国人3人で攻勢する前線は他チームにとって
脅威であり、実際現在J2最多得点の仙台の中で圧倒的な存在感を
誇っているのは間違いではない。
また守備も横浜に次いで失点が少なく、2節連続で引き分けであるが、
J2で一番高い次元でバランスが取れていると言っても過言ではない。

J2でいう所の「矛」と「盾」の激突。
試合前から牧歌的な中にも、何か緊張感のある空気があった。

横浜は、外国人トリオをどうやって抑えるのか。そこが、
観客の注目したところだろう。
まずプレースタイルから基点になっているロペスには、内田と
智吉が徹底的に張り付く。ロペスに比べて上背が無い二人が
対抗するには、低い重心で身体を入れてボールを絡め取る、
あるいははじき出すしかない。相手の懐に入れるか否かが勝負。
前半は彼らの運動量に加えて、山口・吉野がしっかりとパスコースを
切った事から、大きな仕事はさせなかった。
またチアゴ・ネーヴィスを消す事に成功。
身体を張った守りで、ブラジル人トリオを上手く分断していた。

しかし、問題なのはやはり攻撃陣。前半で多く見られたのは、
中盤PA近くでのボール回し。仙台の中盤はPAまではフリーに
させてくれるので、城やアウグストが前を向いてボールを
運べるシーンが多かった。前半の間にチャンスは幾つもあったが、
その多くは枠にも飛ばず、決定的というシーン以前に
基本的な部分ができていなかった。

守備の部分でブラジル人を食い止めているとは言え、その疲労は
相当なもの。智吉は前半からバテはじめ、内田も攻撃でボールをもった
際に一息入れる為に遅くなり、ドリブルで突っかける事に躊躇した。
横浜が先制点を取らないと相当厳しい戦いになるのは前半の内から、
誰もが想像できたところだった。

仙台は、個人的な感触だとボルジェスの動きが予想外に悪い。
あそこまで簡単にボールを奪われるのは、誤算か想定内か。
横浜の守備が効果的なパスを出させていないという事も言える。

お互いの長所を消しあう気持ち悪い位にまでいい試合。
長所を消してカウンターばかりでどこが面白いのかという
疑問もあるだろうが、相手の長所を消さなければ試合には勝てない。
だから戦略を練って対策を立てる。その戦略性がサッカーの醍醐味で
あって、縦パス一つのサッカーが長所を消すサッカーではないのだ。

ところが後半8分仙台・千葉の退場でその試合の構図が崩れる。
元々ブラジル人に頼る傾向のあった仙台攻撃陣はこれによって
活気を帯びてくる。難しい球回しが減って、スペースにボールをいれ、
ロペスが個人の力で打開を図る様になったからだ。
カウンターになった時に、前線で大きなFWがいるチームより、
中盤でボールを持てる選手がいる方が、攻撃陣を押し上げる時間を
作る事ができる分怖い。

そして彼への対策として疲れてきた山口に代えて吉武を入れるも
これが完全な誤算。右サイドに入ったが、ロペスへの対応ができない
ばかりか、追いかける事もせず、攻撃でもタイミングが合わず効果的な
仕事はなし。
また、吉野と内田のボランチも疲れがある上に、吉野はスペースを
埋めるタイプなので、内田が先にアタックして吉野がボールを
奪いたいのだが、内田が疲れているのでこのタイミングがバラバラに
なり始める。
また、吉武がいないサイドで智吉は孤軍奮闘するが、一発で交わされ
危ないシーンを作りはじめた。ロペスに小さなスイングから強烈で
きわどいミドルシュートをもらい、流れが徐々に混沌としてくる。
徐々に「盾」に綻びが出来始める。

ただ、スペースができた事で仙台にも危ないシーンが出来る。
前半ではなかった様な積極的なドリブルに対して後手に回るシーンが
増え、北村・アウグストらの突破にPA内でファウルすれすれで
止める事しかできなくなっていった。仙台の守備陣も足が止まり始め、
その「矛」の刃先に錆びが乗って鈍くなってきた。

ただ全体的に動きは鈍化し、カウンターの打ち合いの様相を呈した。
終盤ロスタイムではアウグストが遅延行為?でイエローをもらい退場。
10対10になり仙台が押し気味に試合をするも0-0で試合終了。

J2最強の「矛」と「盾」戦いは、明確な結果は出なかったが、
それぞれの核になる選手を次節失うという、傷を付け合った。
横浜は次節休みで、来週日曜に鳥栖と、仙台は水曜日に首位・柏と。
三ツ沢で決着の着かなかった戦いであるが、次節以降でどうなるのか
それぞれの傷がどう影響するのか、見物である。

そしてもう一つの「矛盾」は、この日の主審・池田の
ジャッジだった事も付け加えておかねばならないだろう。
何が正しいのか全く不明確なジャッジでは選手に混乱を呼ぶだけだ。
サッカーの試合において唯一正義のはずの審判が、正義でない矛盾。

「矛盾」。まだどちらも真でも偽でもない。
結果が出るのはシーズンが終わってからだ。
posted by おかき at 04:35| Comment(0) | TrackBack(4) | 横浜FC2006観戦記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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