某放送局の有名な時代劇のある1シーンである。時代劇はベタな勧善懲悪モノであり、最後には必ず善い者が勝つ様に出来ているドラマである。
この日ベルリンで行われた試合はまさに「水戸黄門」だった。

オリンピアシュタディオンは黄色い方に囲まれる

今日の越後屋パラグアイサポの方々。もう包囲されてます。。。

黄門様ファンの皆様
主人公は代表引退を表明したが、国民の復帰への強い願いを聞き入れ、再び表舞台に戻ってきた#11ヘンリク・ラーション。スペインの名門バルセロナを自らの意思で去り、2006-07シーズンは故郷のスウェーデンに戻り、行く行くは現役に幕を引きたいと考えている彼。今回は本人も、国民も最後の最後、ワールドカップの優勝でそのサッカー人生の花道を飾りたいと、あるいは
送り出してやりたいと考えているに違いない。
緒戦のトリニダード・トバゴ戦で10人相手にまさかの引き分けという失態を喫したスウェーデンは、序盤からパラグアイを攻め立てる。ラーションにボールを集め、それをサイドに素早く展開し、サイドはクロスを簡単に放り込むのではなく、ドリブルで縦に攻めて押し込んで、最後はシュートで終わる形。序盤からパラグアイはファウルでしか彼らの攻勢を止められない。
そのままスウェーデンが先制すると思いきや、その高くて早いプレスのタイミングを掴んできたパラグアイは、#9サンタクルスのポストプレーから右サイド#21デニス・カニサのクロスという形を作り始める。ただ、パラグアイは形は作れど、裏への意識がなく、クロスももらったボールをサンタクルスに返そうとしているかの様に素直に放り込むだけで得点の臭いはしない。

パラグアイ#2ホルヘ・ヌニェスのFK
ここで前半終了。イエローカードは1枚なのにパラグアイの汚いプレーが印象に残ってしまう。それは、彼らのファウルの与え方と逃げ方、そしてもらい方が上手いからだろう。奉行である主審に上手く取り入って、悪いものも無罪放免。さすが越後屋。悪者が悪いほど物語は盛り上がる。それが時代劇。
後半イブラヒモビッチに変えて#20アルベック投入。
前半から#10イブラヒモビッチは消えかけていたのでこれは仕方ない交代。
後半越後屋パラグアイが動き出す。前半から受身で5-3-2だったシステムをこれをサイドを高く取る様に修正。サンタクルス一辺倒だったカウンターに選択肢を広げて、攻撃に厚みを増してくる。特上の最中の効果なのか。
黄門様・ラーション「これは困りましたね。」
ただ、その罠をご老公一行が上手く乗り切ると両者はこう着状態に。どちらもミスが増えてしまい、時間が無くなっていく。粘り強く、時に汚く守るパラグアイにスウェーデンは手を焼く。

ラーションのFKも実らず
また、スウェーデンはパラグアイのカウンターに対して2対4で守っているので攻撃の芽を簡単に摘み失点する気配はないのだが、攻撃時に迫力がない。効果的なパスものらりくらりと分断されて、パラグアイの尻尾を捕まえきれない。トリニダード・トバゴとの試合を繰り返してしまうのか。
ラーションはチーム全体にその動きで活を入れる。そうあの言葉。「助さん、格さん、やっておしまいなさい!」それは「越後の縮緬問屋の主人・光右衛門」から「黄門」に変わる時。
完全に引き分け狙いに入ったパラグアイは、放送時間内の決着を許そうとしない。黄門様の号令も間に合わないのか。スウェーデンのサポーター以外がそう思い始めた89分。右サイドを突破し、シンプルに中にクロス。この形で幾度もチャンスを作っていたスウェーデン、その折り返しに#9リュングベリがギリギリ足だけ投げ出し左隅に文字通り値千金の決勝弾。

これでご老公も一安心

黄門様自ら最後に締める
今も王室が残る国スウェーデン。その印籠を披露したのは放送終了間際。難敵パラグアイは額を地面にすりつけた。決勝ゴールを決めたリュングベリ、ゴールを決めた時こう叫んだに違いない。「この紋所が目に入らぬか」と。
「黄門様」を信じて疑わないまさに黄色い使者達は、また次の放送を楽しみにしているだろう。善い行いをしたものが勝つ。洋風時代劇の主人公は脈々と受け継がれているのだから。

かくして水戸のご老公一行は次の宿場を目指すのだった。
(でも実際の試合では、パラグアイの方がファウルが少なかったりしますww)





