毛皮の敷物がリビングに敷かれ
大きな窓の外には、家を囲う様にベランダがあり、
隙間が無いほど沢山の花々が並べられている。
それを一つ一つ紹介してくれるコーヘンさん。
英語での花の名前はわからないものも一杯あるが、
その紹介をされている時にも、花の甘い香りが漂う。
ベランダにある小さなテーブルに招かれて、昼前のくつろぎの時間。
ドイツに来て一息ついたのはこの時だけじゃないかな。
そこで耳にしたのは、私の事がドイツの雑誌で紹介されるらしい。
というのもコーヘン夫妻の娘さんがライターで、奥さんが
彼女に私の旅の事を話しているという。
でもタイトルは"Crazy Traveller"というのもどうか(笑)
夫妻に案内してもらって、ドライブに出かける。行き先はライン川。
イチゴ畑やシャンパンを作る為のブドウ畑を横目に車は走る。
ドイツなのでもちろんスピードはほぼ無制限で飛ばす。
外は暑いが、窓を明けて高速で飛ばせば、風は涼しい。

ライン川のほとりを歩く

市民の憩いの場でもあるライン川
そして車に揺られて30分。ライン川のほとりに到着。
貴重品は全部持って出ろといわれる。
この付近では車を止めておくと壊されて金品を盗まれる事があるらしい。
そんな危ないところなのかと思いながら、ライン川岸を歩いて下る。

高級別荘の様な佇まい
ほんの少し歩くと、案内されたのがレストラン。
隣の席では結婚パーティーやっている様な風情ある場所。
そこにTシャツにジャージってのは、明らかに場違い。

場違いな空気漂ってます。これがレストラン
実は、私がコーヘンさんの家で尋ねられた中には、
「ドイツでは何食べた?」という質問があった。
考えてみたら殆ど簡単な軽食ばかり、マックやケンタッキーや
そこら辺の店で売っているパン等ばかり。
ビールも缶ビールが増えていったなぁ。
とまともな食事をしていない事を聞いて、出かける前に
ここに予約を取ってくれたのだ。感動。
ジャージのポケットからカメラを出すのも申し訳ないので
写真撮影していないが、ライン川のほとりにあるレストランで
高級な料理を堪能。ビシソワーズは冷たくて反則級だった。
ラムのレバーは初めて食べた。そしてワイン。昼なのに。。。
全部美味しいから言葉が出なかった。
暫く団欒。。。2時間も何話していたのだろうか。もう覚えていない。
それは酒が入った事も食事の美味しさもあるが、人の温かさに
触れたからだろう。ハンブルクやエッセンの
不親切なオバサンの話はとっくに忘れてしまった。
帰り際にはバラ園を散策する。コーヘンさんは「これが広島から
寄贈されたバラだ」と自慢して案内してくれた。
古城の様な庭園の中に幾重にも咲き誇るバラ達。
甘美な香りに吸い込まれそうになる。

バラ園の先には砦が見える。

城壁を使って庭園が造られている
しかし、私達に別れの時間は確実に迫っていた。
少し食後の休みを木陰で取りながら、フランス生まれのスポーツ
「ブール」を観戦。小さな木陰で誰でもできるスポーツの場が
あるというのは沢山のスポーツ文化が根付いている証拠。
日本との大きな差を感じさせられた。。。

鉄球を投げて競うスポーツ「ブール」
ブールの詳しい説明は「日本ブールスポーツ連盟」まで
これからはフランクフルト空港へ一直線。
ドイツ滞在最終日にコーヘンさんと一緒にいられた事を感謝した。
ドイツでも忘れられない一日になりました。
「またドイツに来たら泊めてあげる」とまで言っていただき光栄です。
食事も出してもらったし(結局それか)。
いや、本当にイラン-アンゴラ戦がこんな風になるとは思わなかった。
チケットは100ユーロだったけど、100ユーロ以上の思い出ができた。
これが本当の「プライスレス」
ドイツで短い間にいろんな別れがあったけど、一番寂しいと思った。
空港で手続きをしてからは何もする事はなかった。
いろいろお土産を購入して、乗り込んでからは夕食をとって速攻で寝る。
恐怖感も疲れが先に来て消えてしまった。そして、機上で夜を越える。
長かった様な短かった様な慌しいドイツでの日が暮れていった。
「ヴィースバーデン〜フランクフルト空港〜」



