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2006年11月19日

2006年J2第49節 ヴィッセル神戸-横浜FC 「真紅」

試合開始前から神戸のゴール裏は、見渡す限りの赤。このクリムゾンッドで埋め尽くされたゴールに加え、バック自由、バック指定などもペーパーを配布されて横浜側と空席以外は赤く染まる。圧倒的な敵意を感じないのは柏と違うところ。同じ港町であり、空気に誇りと優雅なスタイルが気品に溢れている。逆に横浜は、300人とも400人とも言われたサポーターがゴール裏に集結しアウェイゴール裏にある防音壁を突き破る位の声を出し、ホーム神戸のサポーターに負けない存在感を示す。


横浜サポはアウェイでも300人近くがウィングスタジアムに集結した

上位の直接対決シリーズもこれで最後。この試合が終わった後に3位になっていたものは自力自動昇格の目が消えてしまう。特に横浜は神戸より下の順位にいて、勝利以外突き放されると思わなければならないという厳しい試合になる。

試合は、開始よりこれが天王山という展開になった。
前にも書いたが、横浜と神戸のスタイルは正反対なれど、全員が動く戦いは同じだ。全員攻撃全員守備の横浜、連動性運動量の神戸か。神戸をチームマスコットの牛に例えるなら、歯が牛ステーキを噛み切れるか、
それとも肉が横浜の歯茎である筋持久力を疲弊させるか、口を閉じたウィングスタジアムの中、そのイメージが飛び込んでくる。


全員で円陣を組み気合を入れる。

試合開始から城がいきなりシュート。枠にも飛ばなかったが狙うという
姿勢がヒシヒシ伝わってくる。試合が進むにつれて、優勢に立ったのは横浜。
神戸にいつもの連動性が見られない。サイドでフリーになるまではいくが、その先で味方に選手が絡んでこない。アツが持った時だけは迫力があり、信頼感があるから絡めるが、朴らが持ってもサイドを追い越していく動きは一歩遅く、中島がこの部分をストップさせた。

キムテヨンを怪我で欠くのは相当痛いはず。4-3-3の1ボランチをこなしていた選手が10月に離脱。この試合も丹羽で埋めてきたが、機能しているとは言いがたかった。城は、挟み込まれないと感じ菅野にロングボールを放り込む様に指令を送る。攻撃でも絡んでいるとはいえなかった。この部分を横浜が制する事ができる様になり始め、横浜は押し上げられる様になった。


ゲームの多くの時間で消えていた神戸・丹羽

前半35分。それまで拮抗していた試合が動く。丹羽がボールを持ったままパスコースを探している内に、滝澤が前線から激しくプレッシャーを
かけてこれをカズと強奪。カズは右に開いた智吉へ。智吉は神戸・坪内と対峙するも、構わず中央にクロス。DFを振り切ってフリーになった城がヘッドで合わせ先制点が生まれる。丹羽の躊躇、萩の目測ミス。些細なミスが失点を生んだ。


先制点を決めた城はカズと抱擁。


城が「守備が楽しい」というまでになり、攻守に活躍した。

横浜がリードして前半を終える。横浜は一番望んでいた先制点。
相手のミスに乗じて生まれた先制点。勢いは横浜にあった。


ハーフタイムに閑話休題w

後半10分、ホーム神戸寄りのジャッジが試合を動かす。右サイドを
突破されるも智吉が身体を入れてボールを奪ったプレイでファウルを取られ、蹴るのは神戸・三浦アツ。彼の蹴ったボールの軌道は、少しだけ前に出ていた菅野を嘲笑うかの様に大きな弧を描くループシュート。右手を懸命に伸ばすも届かずゴールに。これで1-1の同点。


神戸・アツは獅子奮迅の働きだったが。。。

しかし、横浜に焦りはなかった。まず相手の流れを断ち切る事から反撃開始。身体を張って神戸の攻撃を摘み取る。徐々にサイドを分断し始め、横浜がボールをコントロールできる様なる。ゲームが落ち着けば横浜の攻撃の番。前半から精力的に動き、先制点の起点となったカズに代えてアレモン。これは点を取りに行くメッセージだ。城が下がって4-5-1の形。


前半から特に守備とボールを捌いて貢献。ゲームが落ち着いた。

この采配はほんの数分で結果が出た。中央でボールを受けたアレモンが右の内田に捌いてそのまま前線に走りこむ。その走りこんだアレモンに内田からクロス。神戸DFは人数はいたが、彼が見えていなかったのかアレモンはフリーでヘディング。一回は神戸GK萩に防がれるが、そのこぼれ玉をアレモンが押し込んで横浜が逆転。


アレモンが興奮している傍で、指示を出している高木監督。


柳川とのコンビは良くなかった神戸・北本

流れを変えられる選手を用意できていた横浜。これは前節やその前の柏戦を見ての考えだろう。神戸はトーメを今月に入って失った事がこの2失点で表面化してしまった。クロスに対応できない。またそのクロスが2回ともに坪内の左サイドという点にも今後神戸は頭を悩ませる必要が出てきただろう。河本、テヨン、トーメと離脱。残り3試合でどうなるか。北本・柳川でいいのか。


声援を送る智吉

アレモンの逆転ゴールから10分後、神戸はこの天王山で動きの鈍かった田中に代わりガブリエルを投入。積極的にプレーで流れを取り戻しにかかる。横浜は神戸・アツのFKは仕方ないにしても、流れの中でのプレーで彼を智吉が消せる事を計算した上で、比重を掛けられ疲れが見え始めた左サイドの中島・滝澤を立て続けに交代させ、リフレッシュさせ徹底的に穴を塞ぐ。


菅野の徹底的なニーダウン。警告もらったが、もう関係ない。

残り時間5分からは戦術や技術関係なしの気持ちだけで戦い続ける両チーム。GKもチャンスがあれば飛び込んでくる神戸、アレモンを残しほぼ全員で凌ごうとする横浜の丁丁発止の熱くて激しい戦い。神戸は坪内の枠ギリギリというヘディングもあったが、同点にする事はできず横浜が勝利。勝たなければならない天王山を横浜が制した。

咆哮を挙げて喜びをかみしめる内田。仰向けになって天井を見つめる菅野。気持ちと気持ちのぶつかり合いを最後に制してこれで首位に。

神戸は「深紅」に染まったゴール裏を沈黙が襲った。これで自力自動昇格はなくなった。怪我人、ミス。ホームの天王山の連戦で連敗し、首位から転落。これから「辛苦」の時を迎えてしまうのか。「いい試合だった」とここで言っても皮肉にしかならないからこれ以上は言わない。


ガブリエルも三浦アツも痛恨の敗戦を迎えた。

「深紅」の色をしたボジョレー・ヌーボーを片手にメインディッシュは神戸牛のステーキといきましょうか。しかし、酔ってもいいのは今晩まで。また明日から1/1×3試合という厳しい試合が待っている。柏との激闘の後に、ヴェルディに敗れたという同じ轍を踏んではならない。私達に浮かれている時間も余裕もない。未知の世界に千鳥足では入れない。

まだ何も決まっていない、何も手にしていない、何も終わっていない。

君達の血の色は何色だ?横浜に流れる「真紅」の色したこの血潮は、今どこよりも誰よりも激しく燃え滾ってる。


勝利の歓喜。しかし、緩んではいない。今だけ今日だけ。

最後に「シンク」で始まるある言葉を書きとめておきたい。

「Think of yourself as on the threshold of unparalleled success. A whole clear, glorious life lies before you. Achieve! Achieve!」
「比類なき成功の入口にいると考えよ。澄みきった輝かしい人生が目の前に広がっている。成就せよ。成就せよ。」-アンドリュー・カーネギー
ラベル:横浜FC 神戸 昇格 J2
posted by おかき at 11:54| Comment(0) | TrackBack(2) | 横浜FC2006観戦記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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