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2006年11月27日

2006年J2第51節 サガン鳥栖-横浜FC 「降り止まぬ雨はない」

横浜FCが昇格争いをする事に一番のライバル心を燃やしているのは、実は鳥栖なのではないかと思ってる。ここ数年の弱小チームが似ているという事ではなく、そもそもの成り立ちが近いものがある。


サポーターからの信頼の厚いクラブ・サガン鳥栖。

今のサガン鳥栖は鳥栖フューチャーズが解散し、生まれ変わって作られたチームである。当時資格を持っていたJリーグの準会員もなくなり、任意団体からの出発をしてJ2まで辿り着いたチーム。J2でも当初は弱小チームに甘んじていたが、松本育夫氏が監督になってここ数年で着実に強くなっていて、今年も昇格の目は消えたが現在4位。観客動員数もJ2で4位。上位3チームが仙台、札幌、柏という観客が多い事で知られるチームを相手にして堂堂の数字である。


来期から松本GMになる、松本監督。ガッツポーズも見せた。

横浜FCも横浜フリューゲルスの消滅を受けてできたクラブである。99年に産声を上げ特例措置でJFLに参入。2年連続で優勝を果たしJ2に。しかし、横浜FCを待っていたのは苦難の歴史だった。01年に参入後の最高順位は04年の8位という、散々なものだった。昨年は11位と昇格云々ではなかったクラブである。


挑戦者という姿勢はいつも消えない。

この両チームを生まれ変わらせたのは監督。松本、高木という両監督の
存在は大きく、選手からもサポーターからもそしてクラブからも信頼が厚い。この二人が作ってきたチームの集大成が、この51節という鳥栖にとってはホーム最終戦、横浜にとっては昇格戦線という重要な位置で激突する。

天気予報では当初雨と言われていたが、現地に到着すると晴れ間も見えて、汗ばむ位の陽気。雨の話はどこへやら、安心して試合が見られる。


円陣を組んで気合を入れる横浜FCのイレブン

小野智吉を出場停止で欠く横浜FCはそこに崔を当てるが、ここを鳥栖は狙っているかの様に、廣瀬・衛藤そして高地がしつこく絡み、横浜は右サイドを押さえ込まれる。内田が何度も下がって対応し事なきを得るが、簡単にはいかない試合になる。


中盤の要になりつつある鳥栖・衛藤


前半は鳥栖に翻弄される横浜の右サイド

横浜は逆にその上がり目の鳥栖の左サイドが主戦場になった。内田が我慢して長い距離を走って、ここで孤軍奮闘。ファウルをもらえば滝澤が精度の高いFKから惜しいシーンを選出。

前半途中からこの好ゲームに雨が水を差す。開始からポツリポツリと振り出した雨は前半途中から本降りになり、選手のボールコントロールを悪くする。パスの精度とコントロールが落ちて、肉弾戦になっていく。


鳥栖・金は後半不安定さを露呈した。

鳥栖は横浜の堅い守備をこじ開けたいという意図から、積極的にシュートを放つが、菅野が悉くこれをストップ。前半一度だけあった鳥栖の決定機も横っ飛びでセービングし、ゴールに鍵を掛ける。
それでも鳥栖・新居はボールを持つと怖い存在だ。


日本人得点王の鳥栖・新居は鋭いアタッカーだった

後半、横浜は崔のポジショニングを修正。前から1発で飛び込まない様に守備的な変更を行い、ピンチを未然に防ぐ様にできると、鳥栖から得点の匂いが消えていった。左がダメなら右を使うが中島がしっかりとコースを切れば、縦への突破が得意ではない鳥栖・濱田はゲームを作れず。

横浜は鳥栖・金の疲れが見え始めた頃にアレモン投入。これでゲームが動き始める。裏に飛び出し圧倒的な力でDFをねじ伏せていくアレモンが、惜しいシーンを作り始めると鳥栖のDFはバタバタし混乱し始める。そして後半32分。ロングボールに競った城のバックヘッドに飛び出したアレモンが、PAでDFと競り合いながらループシュート。これが無人のゴールに突き刺さり横浜が先制。閉塞感が漂い始めた中で、アレモンの出場そしてゴール。


得点をアシストした城。喜びもひとしお。


この試合も一人でゲームを決めたアレモン

この失点を受けて鳥栖・松本監督はあわただしく動く。藤田、山城、山口を3分の間に一気に投入。ボールを高橋、廣瀬中心に回す事を放棄し、藤田目掛けてのロングボールに切り替える。時間も少ないのでいたしかたないが、これでは横浜の策略にまんまと乗ってしまっただけに。


鳥栖・高橋はいい選手だったが、後半は攻め手をなくした。

そしてロスタイム3分を経過し、横浜が0-1で逃げ切った。16時開始の柏、神戸の試合の前にまず果たすべき事は行った。この16時からの2時間は横浜FCにとって今までで一番長く感じる時間だろう。







試合が終わると試合中の大雨が嘘だったかの様に晴れてきた。鳥栖はホームゲームの最終戦という事で、セレモニーが行われていた。今年最終的に何位に終わるかわからないが、鳥栖というチームが強くなった事だけは忘れられない。横浜と毎年最下位争いをしたチームだった。

その2つのチームが今年昇格戦線を賑わせた事は大きな意味がある。まだ何が起こるかわからないが、少なくともこれだけは確信を持って言える。

「降り止まない雨はない。」

どんな暗く辛い境遇であっても、前を向いて進むなら、いつかその苦難の雨も止むのだと。今年の両チームがそうだ。監督や選手を信じた結果が、上位争いという結果に結びついたのだ。どんな困難も必ず過ぎる時が来る。

鳥栖と横浜という、似た境遇の中で、切磋琢磨してきたクラブ同士の決戦後の青空は、澄み切っていた。

posted by おかき at 02:35| Comment(2) | TrackBack(1) | 横浜FC2006観戦記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
J1昇格&J2優勝おめでとうございます!
昨日の札幌も、お役に立てたようですね(^^;
ここまでの道のりを思うと感慨一入かと思います。
すべてのJ2チームの希望の星として、来シーズンのご健闘をお祈りします。
Posted by ママチャリ at 2006年11月27日 19:39
札幌様様です。得点シーンを見ましたが
フッキが凄かったです。
横浜との試合では欠場が多くて助かったなぁと。

来年も昨年の様に厳しい戦いになると思いますが、
その場所に来る事ができなかったチームの思いも背負って
戦って生きたいと思います。

J2未経験チームを一つでも叩き落してきたいと思います。
また下でなく上で戦いましょう!

ありがとうございました。
Posted by おかき at 2006年11月27日 20:49
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横浜FC vs サガン鳥栖 第51節
Excerpt: 残り2試合。全力で戦おう。 声が枯れても、雨に濡れても、目の前で戦う選手に対して声援を送ろう。 そして勝利を掲げて三ツ沢に帰ろう。 城 彰二 ラストゲームまであと2試合。
Weblog: It's a piece of my blue
Tracked: 2006-11-28 03:41