来年も戦えない事はわかっているが、この12月最初の週はこういった
ニュースが各チームで続き、少しだけ感傷的な気持ちになる。
昨年、小野信義が戦力外通告を受け、横浜FCを退団になった為に、
1999年の横浜FC誕生以来のメンバーは全くいなくなってしまった。信義が
解雇された時は、時代の流れを感じた。99年、00年とJFLを圧倒的な強さで
連覇し、Jリーグに入会するという歓喜を味わいながらも、反面クラブは
財政に行き詰まり選手は厳しい環境の中でサッカーをしてこなければ
ならなかった。

今年戦力外になった北村は、信義ほど結果を残した選手ではない。それは
事実だ。ただ、今回の彼への戦力外通告によって受けた印象は信義への
それとは異なる。
北村が入団したのは2001年。そう、彼は横浜がリーグが下とは言え、
毎週の様に歓喜を味わっていた時代を知らない。彼が入ってきた時、
チームは不振に喘ぎJ2初年度途中で永井監督を解任し、信藤監督が就任。
しかし、その信藤監督も翌年は最下位に終わり解任。厳しい環境の中、
結果が出ず苦しい時期ばかりだった。
JFLを2連覇したリティが戻ってきた03年も状況はさして変わらなかった。
03年は11位、04年は負けなくはなったが8位が精一杯。
昨年は自己最多の5ゴールを挙げた。それはカズの加入が大きい。
カズの加入以降だけで5ゴール。競争する厳しさを肌で感じ明らかに
目の色が変わっていった。ゴールを決めても評価されず、FW出場では
後半決まって交代が待っている。
しかし、これで目覚めた北村に今期は期待できるはずだったのだが。。。
湘南戦、札幌戦でゴールを上げるに止まり、夏には体調を崩す
毎年北村の持つ悪い癖が目を覚まし、彼を試合から遠ざける。
戻ってきてからは先発出場はなく、専ら後半最後の時間稼ぎ要員。
チームが優勝を決めた11月26日から5日後、戦力外通告。
北村と横浜の蜜月の時は終わりを告げた。
戦力外通告の翌日、06年J2最終節愛媛戦。2点差が付いた状況で北村は出場。
交代するのは内田。内田は交代する際、北村を笑顔で送り出した。
四中工時代からの先輩後輩関係で、先輩がチームを去るとわかっていて、
内田が後輩らしく気を遣ったのだろう。

北村が入ったら、城は中盤に下がった。城に聞けば多分「アレモンが
守備をしないから」と言いそうだが、北村に点を取らせてやりたかったのは
起用した高木監督だけでなく、チーム全員の思いだ。
その思いに応えて、北村は果敢に突破を図る。何度愛媛DFに囲まれて、
ボールを奪われても、そして倒されてもボールが回って来たら
ずっと前だけを向いて攻撃を仕掛けた。

私はこのプレーに胸が熱くなった。このチームが優勝と昇格という
大目標を達成したが、彼も自分の目標と戦っていたのだ。
逃げるプレーでなく、突破する事。アレモンの様に力強くないかも知れない、
ルイスの様なテクニックはないかも知れない、でも、彼は自分がもてる
全ての力を発揮して勝負を挑んだ。
これこそが、今年彼がこのクラブで身に付けたものだったのだろう。
昨年11位のクラブが躍進して、優勝したのだが、そこにいたるまでは苦難の
道のりだった。しかし、厳しいゲームを勝利し、ある時は引き分けしぶとく
勝ち点を得てきたからこそ為せる業なのである。そこにあったのは
「諦めない」ただその1点である。
北村が最終節で見せた溌剌とした動きは、戦力外になったとは言え、
彼もしっかりとレベルを上げチームに貢献してきた事の証明に他ならない。

まだ若く、自分の目標は果たしたが、求められるレベルまで届いていなかった
為に解雇。その無常さが、私の心を打った。信義の時は、時代の流れを感じ、
北村の時は無常さを感じた。
6年という時は長い。小学校の入学から卒業までを見送る様な長さだ。
6年間で大きく成長した北村が、この先私達の前に立ちはだかったら
嫌だなと思うと同時にサポ失格かも知れないが嬉しくも思う。
私達が手塩にかけて育て横浜FC小学校の卒業を見送った彼が、私達の前に
成長して大きな敵として再び現れる。
もし北村が横浜FC相手にゴールを決めようものなら拍手を
しているかも知れない。それは、自分達が彼のレベルを引き上げたと
胸を張ってもいい瞬間でもあるのだから。

試合終了後、涙が止め処なくこぼれた北村。その瞬間の事を彼は
「いろんな事がここ(横浜FC)ではあって、それが一気に溢れた」と
話していた。好きなだけ泣いてもいいだろう。しかし、次泣くときは
悲しみの涙でなく、彼の喜びの涙を見てみたいものだ。




北村はタイプ的にもかなり好きな選手だっただけに残念です…もちろん最終戦もテレビで見ました(>_<)
これからも応援しつづけます!
北村の抜け出す感じとかよかったですけどね。
夏に体調を崩すのが如何ともしがたかったのではないかと、
個人的には思っています。