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2016年08月02日

2016年J2第26節 横浜FC-ジェフユナイテッド市原・千葉 「慣れ、習慣、伝統」

2007年横浜はフクアリで初めて千葉と戦った。あの試合、横浜は影すら踏めない惨敗だった。いくらブロックを作ってもそれをすり抜けられる速さと上手さが千葉にはあった。GKの菅野(現:京都)と小村が口論していた。あそこから横浜は千葉に苦手意識を持つようになったのかも知れない。

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2010年千葉がJ2に降格した直後の年こそ三ツ沢で千葉を撃破するものの、その後は引き分けがやっとの状態で、2012年のJ1昇格プレーオフではリーグ戦の布陣から変えて挑むもこれまた大敗。この年は、3月の千葉戦に敗れて岸野監督が解任され、プレーオフの千葉戦で敗れてシーズンが終わるという千葉に始まり千葉に終わる屈辱のシーズンとなった。
その苦手の千葉をホームに迎えての試合は、これまでとは異なるものだった。

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監督交代の余波が残る千葉は守備になると前線こそ船山、井出、町田は激しくプレッシングにくるがそこを抜けると「守備を意識」というのが重しになったのか、サイドのスペースを空けてしまい横浜は自由にコントロールできた。思ったよりも、2トップにボールが入る。千葉のプレスバックが効いてそうで効いてない。
しかしセットプレーでは千葉が優勢だった。前半6分山本直希の直接FKはクロスバーに当たって難を逃れたが、前半16分にはCKから井出が擦らしたボールをフリーにしていた船山にダイレクトでボレーをたたき込まれて失
点。

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またいつもの千葉恐怖症が起きるはずだったが、これでへこたれないのが今の横浜。前節も2度突き放されても追いついた粘り腰は健在。野崎のオーバーヘッドキックをイバが押し込むも明らかな「誤審」でオフサイドとなったが、前半28分には野村の浮き球が千葉・イの手に当たりPKを獲得するとイバが落ち着いて同点ゴールを決める。
これでまだ終わらない横浜。前半38分、サイドに流れたイバからスペースに走り込んだ佐藤にパスが出ると、彼は左足を振り抜きミドルシュートで逆転する。

エンドが替わった後半、千葉は立て続けにエウトン、オナイウ阿道を入れて前線を重くする。千葉はロングボールで裏に抜けた船山が2点目を狙うも枠を逸れ、大崎の緩慢な守備でフリーになったオナイウのシュートも枠を捉えられなかった。
運動量の落ちた横浜は、逐次選手を投入。イバはトップスピードで走れず、佐藤もボールに足が出なくなっていた。フレッシュな永田はトップ下と左サイドを埋めるスクランブルな状態。それでもどうしても勝ちたかった。千葉のクロスが横浜のゴールラインを割った時アディショナルタイム4分が過ぎた。主審の笛が鳴った。千葉から6年ぶりの勝利をもぎ取った。

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試合中ふと考えた。千葉に攻め込まれているが、それは別に2007年の時みたいに崩されてのものではないと。もう少し考えると監督も代わって選手も代わって、あの時感じた恐怖に近い感情はなかった。一枚も二枚も上手で複数失点が当たり前の当時とは変わってしまった。確かに今年財政の問題から多くの選手を入れ替えなくてはならない事情もあったにせよ、強かった時代の遺産を食いつぶしてきたから近年では大きな点差にならない。

逆に横浜がハマナチオと呼ばれた時代を思い出していた。ミスもあるし美しいとは言えないが身体を張って泥臭く戦うのは、監督が誰であっても受け継がれている横浜の伝統芸だ。

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千葉を勝手に怖れていたのは自分達なのではないか。千葉とやっても勝てない。その感覚に慣れて習慣化するとそれから抜け出せなくなる。監督交代直後の千葉という状況があり、一旦気持ちで優位に立てた。「千葉には勝てない」という心理から抜け出すには勝利しかなかった。引き分けでは負の呪縛は断ち切れなかった。

慣れは怖ろしい。だからサポーターも負けても簡単にそれを受け入れてはいけない。「やっぱり」「所詮」「どうやっても」「いつも通り」「結局」こんな悪しきメンタルを断ち切れ。良い事を習慣化せよ。終盤の声援は選手に届いていたはずだ。あの一歩、あのパス、あのシュート、そしてあのゴール。全てに繋がっている。空元気と言われようと、夢物語だろうと、まだ道は途絶えていない。横浜の一番の伝統は、諦めないという事のはずだ。
posted by おかき at 01:05| Comment(0) | TrackBack(0) | 横浜FC2016観戦記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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