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2016年08月30日

第96回天皇杯1回戦 横浜FC-山形大学「お膳立て」

まさにおあつらえ向きの試合だった。普段のリーグ戦ではない天皇杯1回戦。国際化を目指していく中で、インターネットでゲームが見られないというニーズに応えるべく始めたYoutubeのライブ配信の対象。そして格下になる大学生が相手の試合。試合の数日前にベトナムメディアがアインが出場すると報じた様に、出場の条件は見事に揃ったと言っても良い。

後は、スタメンとなった彼がどれだけ力を発揮するかという部分が焦点に移る。横浜においてもどの位彼が出来るのか皆興味津々だったはずで試合前のチャントで一番多かったのはアインだった。尤も発音が違うのか、それに反応する事はなかったが。

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試合では中里がアインをお膳立て。ダブルボランチでアインのケアをしていた。低いところでゲームを組み立てつつ、守備に重きを置いたポジショニングでバイタルエリアは最低限締めていた。

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アインは自分のやりたい様にやるだけだったが、ここで露呈したのは戦術理解の差だった。彼がボールを欲しいタイミングと周りがかみ合わない。公式戦で初めてなので仕方ないのだが、彼にボールを出してもそのポジションではその先の展開として選手の距離感が遠くなってしまうから味方はパスを出しづらい。そういう意味では、アインは一歩遅れていたのだ。
それでも、時折見せるドリブル突破とボールコントロールは、現役ベトナム代表としての質を伝えていた。

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無論彼の出来不出来でチームがジャイアントキリングを食らうほどの状態にはなく、山形大学の攻撃を跳ね返し、CKから大崎が先制点を挙げると前半35分にはオウンゴールで追加点を挙げた。

天皇杯の様な一発勝負のトーナメントでは度々下剋上は起きているが、プロが2点差を付けてから敗戦を迎えたような劇的な試合は早々起こらない。学生が勝つには出来るだけロースコアで耐えながら、少ないチャンスをモノにして優位に立たないといけないが、山形大学からその様な空気は感じられなかった。
それでも事故のような失点はありえるのだが、後半20分に唯一許したGK渋谷との1対1も鋭い飛び出しでこれを逃れると終盤、立て続けに3得点を挙げて横浜は5-0で勝利をおさめた。

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アインは後半佐藤謙介が入ってから中里をアンカーに残して、4-5-1の司令塔に入った。攻撃ではシュートを放つ等存在感を増したが、繋ぐ事は不安定で奪われるシーンもしばしばあった。

ソンスの公式戦初ゴールはやっとかという印象。昨年までのソンスはこの試合のアインと同じ様にクレクレとジェスチャーするばかりでチームにかみ合っていなかった。8月の東京V戦の永田のゴールをお膳立てしたようにオフザボールの動き、球離れが良くなってきたのは今年になってから。育成すると言ってもこれだけ時間がかかる。

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この試合の前日水戸でグエン・コンフォンのプレーを見ていたが、いつかのソンスやアインのそれと同じ。ボールを足下で欲しがるばかりでスペースや次の展開が認識出来ていない。認識したとして、自分でどう解決するかという方法しか持っていないように見え、周りを活かす動きは皆無に近い。自分がパスを出しても奪われる、囲まれる。だからパスも出てこないという状況があると感じる。だから若手に必要なスキルこそ、お膳立てなのかも知れない。ゴールも大切だが、味方のゴールをどう引き出すか。それが出来るとパスが回ってくる。お膳立てして出場させてもらって選手こそ、まずは他の選手の活躍をお膳立てすることで成長していくのかも知れない。
posted by おかき at 18:13| Comment(0) | TrackBack(0) | 横浜FC2016観戦記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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