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2019年08月15日

第99回天皇杯 横浜F・マリノス-横浜FC「静かな」

令和最初の横浜ダービーは静かに始まり、静かに終わった気がする。横浜サポーターの煽りや盛り上がりとは相反する様に、テレビやインターネット上での中継はなし。昨年あったような黙とう時のチャントという物議を醸しだす行為や、先日の浦和戦でマリノスサポーターが起こした様な乱闘劇があったことも影響しているのかもしれない。神奈川県サッカー協会と横浜市サッカー協会が連名で取り決めをリリースし、差別的行為については厳罰が明確化されたこともあるだろう。
横浜は試合前にLINEでカズと中村俊輔のレジェンド2人がスタメンである事を伝えた。10年以上所属するカズはともかく、他のクラブや日本代表で中心選手だったとは言え、このクラブでは2試合しか出場していない中村俊輔をこのクラブのレジェンドとはまだまだ多くのサポーターは認めないだろう。映える事しか考えていないクラブもダービーの意味を理解していないような気がした。「負けられない」ではない。「勝つ」。そういう意識が足りてなかった。



ゲームは序盤からF・マリノスがボールを支配。お互いにリーグ戦では控え中心のメンバーで、F・マリノスはこの夏に移籍加入した選手を加えながら感触を確かめる。横浜は控えメンバー中心で、カズと中村俊輔という運動量の少ないメンバーがいてはどうしても守勢に立たされてしまう。横浜は低い位置から繋ごうとする姿勢はあったが、プレッシャーを受けてはボールを失うという最悪の出来でゲームは進んだ。GK辻は、低い位置からボールを繋ごうとしたが、味方が3人、相手も3人の状態で無理に低い位置でボールをつなごうとする愚策を披露。F・マリノスが途中からペナルティエリア手前に3人並べているのに、監督に言われたことをそのまま愚直に実行するのは、無策としか言えなかった。かと言って、時折ロングボールを蹴るがキックミスばかりで、F・マリノスは苦労せずしてボールを奪う事が出来た。これは後半、F・マリノスの運動量が落ち、味方が3人セットする前にどんどんボールを動かしていくことで解消されるのだが、それまでは横浜サポーターはフラストレーションを貯め込み続けるしかなかった。
横浜ダービーという事で、テンションの高いサポーターと対照的にチームは相対的に低調なパフォーマンスを続けた。後ろはバタバタして、前線は運動量が少なくボールが収まらない。



現実的には、格上となるF・マリノスを相手にして前半無失点で行き、後半イバ、斉藤光毅の投入で流れを持っていきたいという目論みが見える横浜としては、下がりながらも大きな破綻だけなければよく、サイドに構えた大津、遠藤を自由にさせない事が肝だったが、それは前半21分で消えてしまう。
前半21分、F・マリノス中川が左サイドのクロスを裏に抜け出して合わせてシュート。転がったボールは横浜ゴールに吸い込まれた。失点を喫した事で、目が覚めたのか横浜もやや自由にゲームを作る事が出来る様になった。特に左の袴田にはボールが出てくる。彼からのクロスボールは前半唯一希望があった。1-0で後半にと思ったが、前半最後のプレーでPKを献上して決められて2-0となった。この2点目が痛恨だった。

後半17分、カズを下げて斉藤光毅を入れて流れは一変する。前線でセカンドボールを拾えて、縦に仕掛けていくのでF・マリノスは後手後手に。
その斉藤がドリブルで持ち上がり、追い越した齋藤功佑にパスを送ると、左足で射抜いたボールはF・マリノスのゴールネットを揺らした。中村俊輔やカズが話題になるが、横浜FCユース出身の生粋の横浜っ子はこのゲームに重みを知っていた。昨年もこの横浜ダービーのフィールドにいて自分のサイドが破られ続けた事が頭にあったのだろうか、この試合前半左サイドが破綻しなかったのは齋藤が蓋をしていたからだ。



横浜はここから押せ押せの展開となった。斉藤がかき回し、F・マリノスは後ろ重心となり前線の選手と間延びする。横浜はセカンドボールを回収できた。F・マリノスはGK朴が負傷で交代し、フィールドプレーヤーの交代は2枚だけ。横浜はイバを投入。前線で核になる選手を起用して、F・マリノスゴールに迫る。

ただ、ここからは精度が問われるようなゲームになり、横浜はF・マリノスのゴールをこじ開けられない。後半45分にサイドからの突破を狙って北爪を入れたが、この交代は遅すぎた。アディショナルタイムが過ぎ、タイムアップの笛がなった。



横浜ダービー敗戦。

悔しさはあるのだが、F・マリノスにとっては格下相手のゲームということもあるのだろうか、ダービーでよくある様な相手を見下すような歓声も喜び様もないし、さりとて横浜側もガックリ来ているからだろうかジャッジに怒りをぶつけるでもない。選手にブーイングこそあったが、侮辱的な行為が散見されるようなこともない。メディアでも話題になったカズや中村俊輔はゲームでは輝くことは出来ず、ゴールを生み出したのは新時代の旗手。負けたゲームで、言うのも変だが、時代は変わりつつあるのだろう。



そして、本日はクラブから以下の様なツイートがなされた。



以前の様に、一種密室で誰かと誰かだけで話がついていて真相は当事者のみが知り、その処分の内容もその界隈しか知らないという事でもなくなりそうである。個人的にはこういう行為に速やかに動けるのであれば、ダービーの重みをもう少し理解してもらいたい。時代は変わって、サポーターを取り巻く環境も変わっても変わらずに通さないといけない事もある。
お互い控え選手がスタメンで戦うダービー。クラブが何が何でも勝ちたいと訴えないダービー。こんな軽いものなのか。サポーターの盛り上がりにクラブもチームも負けている。元代表選手のショーケースが見たいのではない。勝つダービーが見たいのである。点差や内容以前に、個人的に近年で一番熱を感じなかった静かなダービーだった。
posted by おかき at 19:56| Comment(0) | 横浜FC2019観戦記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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