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2019年10月01日

2019年J2第34節 FC岐阜-横浜FC「泣くのなら」

試合終了後にあいさつに来た中山は涙を流し始めた。サポーターは好き勝手に「岐阜に勝てないなら昇格なんか無理」「このザマで柏に勝てるわけない」という。そういう言葉を言われなくても、一番悔しい思いをしているのは選手だろう。89分ほとんどの時間でゲームを支配しながら、残り1分で同点ゴールを許し、昇格争いから後退してしまったのだから。



前半からボールもゲームも支配したのは横浜だった。岐阜の攻撃は、前線にいるミシャエルへのカウンターだけ。時折中島も絡むこともあるが、ほとんどがボールを奪ったら裏のスペースに放り込むだけ。ミシャエルはスピードで時折抜け出すシーンもあったが多くの時間帯で、横浜は岐阜の陣内でゲームを進めていた。何よりレアンドロ・ドミンゲスを放すケースが多くあり、彼が前を向いてボールを触れる時にチャンスが生まれる。

前半10分、中山が、北爪、レアンドロ・ドミンゲスとのパス交換から抜け出すとクロスを上げる。このボールは岐阜DFに当たるが、寄せてきたイバが身体を入れて確保すると反転しながらシュートを放って先制。ここ2戦ゴールが奪えなかった横浜が幸先よく先制した。



ところがそこから横浜は余裕を見せすぎて、いつでも追加点が奪えると思ってしまったのか、愚鈍な攻撃を披露してしまった。確かにレアンドロ・ドミンゲスのクロスバー直撃のシュートもあったが、時間をかけてリスクを避けて攻撃するだけになってしまった。

後半は岐阜が馬場を右サイドに移して、4-1-3-2の様な形にして攻撃の色を強くすると岐阜も前半に比べて前を向ける時間が増えていく。危険な時間帯も増えていく。
もちろん横浜はそこをケアして深刻な決定機まで至らせることはないが、前半とはやや流れるリズムが変わった。逆に変わっていなかったのは横浜の攻撃だった。前半と同じでリスクを冒さず点を奪おうとするばかりで、枠を捉えた本当の決定機は少なかった。余裕を見せて、マークされているイバにボールを出してカットされたり、打つべきところで打たず、縦に抜けるべきところでもリスクを冒さずビルドアップしなおしてしまった。



無論、ベンチも攻撃にカンフル剤を打とうとした。空回り気味だった斉藤に代えて松尾を入れ、中盤で疲労していた松井に代えて佐藤を投入。サイドの支配権を明確にして押し込む意図は感じられた。リードしている横浜から動いているので、現状のままではよくないと認識はしていた。それでも皆川の投入はやや温かったと言っても良いかもしれない。彼の役割が高さ対策なのか、前線でボールを収める事なのか、あるいは2点目を取るのか、はたまたその全てなのか。イマイチメッセージとしては曖昧なものを感じていた。

その皆川が投入されてから5分後である。岐阜のゴールキックに競って転がったボールは岐阜ミシャエルの足元に。伊野波がタックルに行くが交わされ、戻って立ちはだかった田代の脇を巻いて蹴ったシュートはすり抜けていった。GK南も反応したらセーブできず、ゴールを割られてしまった。



手から勝ち点2が逃げていった。しかしインテンシティが高いゲームかと言えばそうでもない。後半岐阜に前を向かれた時間もあったが殆どの時間で横浜がゲームを押し込んでいた。たった一つの決定機を決められて失点。これもサッカーと言えばそうかも知れない。
ただ、後半選手を入れ替えてもテンポが変わらなかった。汗をかいて相手ゴールに飛び込む機会も少なく、相手を剥がす様なプレーも少ないままだった。スタンドからは、「あと一点取らないと危ない」という声は何度も耳にした。その声がまるで現実を呼び込んだかの如く失点。

悔しいのは失点して同点になってから、選手達はまるで後半45分眠っていたかの様にスプリントしてボールを追い、身体をぶつけてゴールを目指したこと。なぜそれが失点してから出来るのなら、90分でやらなかったのか、と。選手は必死だったけど、90分に同点にされたから結果的に必死じゃなかったみたいなことは言いたくない。J2に生き残ろうと崖にしがみつく岐阜の手をグリグリと踏みつけてでも蹴落とすだけの意識がなかった。本当に勝ちたいのか、昇格したいのか、優勝したいのか。昨年もそうだった。後勝ち点1で、後ゴールが7つあれば。そういう状況で涙を流したはずだ。今年はそうならないと誓って臨んでいるのだ。
もう失ったものはもう戻らない。残り8試合。勝ち続ける以外未来はない。泣きたいのはサポーターも同じだ。だから勝って泣こう。夢をかなえてから泣こう。
posted by おかき at 19:59| Comment(0) | 横浜FC2019観戦記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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