
正直な話、トリニダード・トバゴは厳しいグループに入ったと思う。
緒戦でガーナ代表に1-4と完敗を喫し、そのガーナ代表をドイツ代表は
2-3と退けたのだ。コロンビア代表は緒戦でそのドイツ代表と1-1で
引き分けている。単純にはいかないが、頭の中では
トリニダード・トバゴ<ガーナ<ドイツ=コロンビアとなっていた。
そして行われた予選Fグループの第2戦でも悲劇は繰り返された。

コロンビアの巧みな攻撃の前に、対処が混乱している。
特にスペースを埋められずコロンビアのスルーパスが面白い様に
通ってしまう。ディフェンスの基本はチャレンジ&カバーだが、
チャレンジはしてもカバーしないからこぼれ球が拾えない。

盛り返す時間帯はあったが、今度は押し上げがないから単発になるか
孤立して囲まれてボールを奪われカウンターに遭う。だがこの日
先発した#21GKグレンロイは素晴らしいセーブを繰り返し、
このまま行けばもしかしたら引き分けが拾えるのではないか。
だがそう思った自分の甘さが原因だろうか、22分に好セーブでCKに
逃れたが、その直後のCKから失点。

マークをしている選手がおらずフリーで飛び込まれたものだった。
ペナルティエリア内でほぼ同数で守り、ギャップを突かれての失点。
失点してキャプテン・#6ポールは怒りを顕にしたが遅い。
前半は良く0-1で折り返したと思う。シュート数で4-17なのだ。
中盤を支配されるだけでなく攻め手が#10ノックスのドリブルに
頼るサッカーでは、コロンビアには通用しない。
0-1は力を抑えてのものだったのか、後半はコロンビアの攻撃が
爆発する。サイドの裏のスペース、CBの裏のスペースを
有効に使えばそれがたった2人でも得点になってしまう。
まるでシュート練習の様に、失点を繰り返した。
スルーパスに抜け出されたのだけで3点。CKのマークをまたしても
怠り1失点。
結局0-5というガーナ戦以上の屈辱を味わう結果となった。

スペースがどうして出来るのか、トリニダードに限って言うなら
ボールホルダーにいきなりチャレンジしてしまうからだ。
サッカーにはある程度国民性が現れると思っている。日本なら
勤勉性だと思うし、ブラジルなら奔放性等とそれぞれに色がある。
トリニダードの場合は、素直と言えば聞こえはいいのだが、
あまりにもボールに誘惑されすぎて周りが見えない。ある選手が
ディレイをしてもその裏のスペースをケアする選手はいないという
ゾーンでありながら実際はマンツーという組織力の無さ。
コロンビアの狡猾な攻撃の前に防戦一方となった。

サッカーに国民性が現れるとすれば、今トリニダードに必要な
ものは、「規律」。特にサッカー界はまだ昨年のワールドカップの
報酬等について協会と選手は対立しているし、昨年の代表選手の
多くは代表引退を発表し、ゴールドカップではW杯出場国で唯一
予選敗退を喫する等、次のワールドカップ予選に影を落とし
始めている。
まず協会や選手が一つになって、立て直さなければこの規律の
ないサッカーは解消されないのではないか。

カリブ海周辺地域では勝利できても、CONCACAFに出れば
アメリカやメキシコとは同等に戦えないのが事実。
確かにアフリカ3位のガーナ、南米2位のコロンビアと同じ組に
入ったのは不運だが、それを言い訳にしていてはいつまでも
レベルの高いところに進めない。
トリニダード人は何かに言い訳を付けて、投げ出す悪い癖がある。
この試合の敗戦も「仕方ない」「相手が強かった」と思っている
内はいつまで経ってもローカルチャンピオンでしかない。
プロリーグやユースリーグの整備は進みつつある。次は代表と
協会に規律ある運営を求めたい。



