2007年09月17日

2007年U-17W杯 グループD 日本代表-フランス代表 「仏の手のひら」

前半44分、柿谷が相手ボールをカットしハーフウェイライン付近で
前を見てGKの位置を確認すると、シュートを放つ。滞空時間は
約4秒という超ロングシュートはフランス代表GKゴルゲリンの頭の
上を抜きゴールに吸い込まれた。前半からポゼッションを握られ、
フランスの猛攻に耐えたご褒美がこの一撃となった。
距離、スピード、角度、どれをとっても申し分ないゴールで、
また前半間際という時間帯も素晴らしかった。



前半はフランスが日本を押し込んでゲームを進めたが、GK廣永を中心と
した守備陣が左右に振られながらもよく耐え失点を許さなかった。



日本はこの試合はどうしても負けられなかった。引き分け以上で
決勝トーナメント進出の可能性が非常に高くなっていたが、
フランス代表が勝つとその目は閉ざされてしまう。
勝たなくてはいけないフランスが、後半から積極的に動き出す。



46分、49分と立て続けに選手交代。フランスはこの試合の前に
予選リーグでハイチと対戦し、まさかの引き分けに終わっており、
もう二の轍は踏めない。



後半になって、日本ははっきりと運動量が落ちてきた。
前半から走らされてオーバーワークになっていた。リードこそ
しているが、その差は無いのと同じ。徐々に自陣でボールを
奪われ始め、相手ゴールまで運ぶ事も困難になっていた。



日本代表は#15大塚に代えて、#14河野を投入するが試合の流れは
フランスにある。サイドの選手を一人代えただけでは流れは
取り返せない。
後半23分。フランスのミドルシュートが日本ゴールを
襲い、右隅に飛んだ難しいボールをGK廣永が右に弾く。
このボールに最初に詰めたのはフランスの選手。GKはニアの
コースを消しながら立つが、守備陣は戻るのが遅くボールを
中央に折り返されてフランス代表#6メハマがほぼ無人の
ゴールに難なくゴールした。しかも殆ど届かないであろうゴール
上段左隅だった。



そしてそのゴールの余韻も冷めない後半25分。ガーナ-ドイツ
でも書いたが、この年代の試合は精神状態がモロに出る。
不利な形勢の中での同点、失点は日本代表を動揺させた。
左サイドを簡単に突破されると簡単にクロスを許し、中央では
DFが身体を入れられてしまい、GKがクリアする直前に
ヘッドでゴールを許してしまった。#20リビエーレ。

逆転されてしまった日本は、反撃に出たいが体力も気力も残って
いなかった。相手ボールも追わず自陣の深いところで何となく
奪うのが精一杯。フランスもそれを悟ったか、無理に攻撃せず
日本の様子を窺うサッカーになった。
後半終盤はフランスの絶妙なボール回しを見ているだけだった。
また日本も追いかける選手もいなかった。
前線で奮闘していた水沼、柿谷を下げてチームの奮起を促したが
一度切れてしまった気持ちは取り戻せなかった。



そして1-2で敗戦を迎えた。この敗戦は、予選ステージでの敗退を
意味するものでもあった。



私は試合中に「それでも追わなかったら勝てないんだ」と叫んだ。
苦しいのはわかる。行っても一人では取れない可能性の方が
高いのもわかる。だが、追わなければボールは取れないし、
攻撃権は奪えない。不条理な事もサッカーの要素の一つ。
その少ない可能性を乗り換えるから達成感もあるし意味もある。



柿谷は唯一のプロで、ゴールを挙げて記録は残した。
ただ個人的な感想はもう少しやれると思っていた。フランス戦の
ループシュートは芸術的だったが、それだけだった。




試合後肩を抱き合う水沼と柿谷

彼だけ髪の色を染めていた。まるで孫悟空の様な金髪に。
でも悲しいかな、彼の放ったシュートは孫悟空が仏の手のひらに
書いた落書きと同じ様なものだった。
日本代表は仏の手のひらの上を飛んでいただけだったのだ。
後半は完全に遊ばれていたと言っても過言ではない。
仏、いやフランス代表に。
posted by おかき at 06:51| Comment(0) | TrackBack(0) | サッカー観戦記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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