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2007年10月28日

2007年J1第30節 横浜FC-大宮アルディージャ 「青い雨」

降格が決まった横浜FC。「来期にむけて」とか「一勝でも」という声が聞こえるが、今年の「残留」という目標もなくなった時点で、残り5試合はチームとしてはっきり言って何の意味も持たない。来年の監督が決まっているのならば、先を見据えて違う選手や戦術を試す事も出来るが、ジュリオレアル監督の去就は未だに不明である。戦力外通告の期限まで残り約1ヶ月となるが、その大半は決まっておりその残りの決まっていない部分の可能性に懸けて選手は個々人で奮起するしかない。

その奮起した結果が、高木前監督が目指していた4-1-4-1というのは皮肉だろう。監督が交代して2ヶ月経って同じ方向性が出たのだから。



降格は決まったが、試合開始直後は横浜がペースを作る。4試合ぶりにスタメンの根占が鋭い出足でボールを奪い取りリズムを作り好ゲームを予感させたが、それより先でチャンスをモノに出来ず。チャンスがなかったとは思わないが、それらはどれも枠を捉える事はできなかった。

激しい風雨で、両チーム共にボールコントロールはままならず、横浜は裏へ、大宮は2トップの森田、デニス・マルケスに向かってのロングボールの蹴り合いになってしまった。



そして徐々に山口がミスを見せる様になって、自分達のリズムを崩してしまうと、大宮の攻撃が決まる。前半39分右サイドのクロスに抜け出したのは2列目の小林大吾。森田とデニス・マルケスを見ていた横浜FCの選手の隙を突いた一撃で大宮が先制した。



先制されるとゲームを組み立てられないのは目標がないチームはどこも同じだが、後半も横浜FCは粘り強く戦ってはいた。ただ、あの状況以上に戦える駒がいないのも事実。後半は大宮の堅守の前にシュートを放つ事も中々叶わず試合終了。

朝から容赦なく叩きつけた雨。これらを受け止めてスタジアムに足を運んだのはたった4114人。大宮関係の人間を除けば3000ちょっとという数字が、今横浜FCを取り巻いている現実を示している。この激しい雨はJ1の洗礼にも似ていた。苦しい、弱いから行かない。TV観戦で十分。そういう自称ファンだけを増やしてきたのが、今のクラブのやり方。その結果が目の前にある。



この雨に濡れてもいい。チームが降格を回避できるのなら。そんな思いを秘めて戦う大宮の姿は、気持ちが折れてしまった私達には眩しく映った。あのオレンジ色は太陽の様な輝きを放った。今日、彼らは降格圏である16位も脱した。



「今、もし、向うの山に虹が出たら奇蹟が起る。白い虹でなくて、
五彩の虹が出たら矢須子の病気が治るんだ」
どうせ叶わぬことと分かっていても、重松は向うの山に目を
移してそう占った。

これは井伏鱒二著「黒い雨」の最後の1節。黒い雨に濡れ、病に伏せた矢須子の行方を重松が嘆いている節。私は似た様な心持ちだった。坂本社長が挨拶をしていても、来年直ぐには立て直せないんだなと感じた。



黒い雨とは、核が落とされた後にそれらの塵やススが一旦舞い上がってから、地上に降り注ぐものの一種で、英語ではそれをフォールアウトという。私達は、まさにJ1から「落ちて」しまった事をこの青い雨の中で再び認識させられた。
ラベル:横浜FC 大宮 J1
posted by おかき at 03:41| Comment(0) | TrackBack(1) | 横浜FC2007観戦記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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「横浜FC vs 大宮アルディージャ」観戦記 〜嗚呼、悲しみと怒りの涙雨〜
Excerpt:  既に降格が決まってしまった、我らが横浜FC。一方、大宮は残留に向け正に「必死」。そのあたりのモチベーションの差が如実に現れた感じもしますけど、それ以上に天候を含めた「運命の悪戯」みたいなものを、試合..
Weblog: Re:F's blogroom
Tracked: 2007-10-28 07:36