だったのは開幕からの3戦。2006年J1王者浦和、同じ横浜の横浜F
マリノス、06年も上位で争い横浜FCが昔から辛酸を舐め続けさせらて
いる川崎。この3戦をどう戦えるかが、2007年シーズンを占うと
思っていた。
だが、開幕戦で見せた久保の一撃は、サポーターの危機感を鈍らせ
勝手に「横浜FCはやれる」と思い込んでしまった。実際は久保が凄いの
であって、チームとしてみたら攻守両方の課題を露呈した。

そして迎えた横浜ダービーでは、ライバルを完封して勝利。そして、
「やれる」と勘違いしたのはサポーターだけではなくクラブもで、
この日勝利すると、翌月に日産スタジアムで行われる鹿島戦に7万人の
動員を目標にすると発表。J1でたった1勝を挙げた事に浮かれて、
体力も環境もないまま大風呂敷を広げた。
サポーターもフロントも余裕綽綽のまま迎えた川崎戦は、そんな甘い
幻想を打ち砕くには十分な内容と結果だった。川崎とJ2で戦っていた
頃と同じ様に運動量で圧倒され、大量失点を喫する。攻撃は久保が
前線にいるだけでボールを受けられない、守備は速い川崎の攻撃に
翻弄されるだけの90分。一人川崎に退場者が出てからも失点する内容。

ただ、これはある程度予想できていた事だった。浦和戦もマリノス戦も
決して崩した形で得点した訳ではなかったから。久保のシュートも
早川のシュートも、前者は偶発的な事故、後者はロングボールに
飛び込んだもの。だが、勝利を前に問題点から目を逸らしていた。
ナビスコカップのアウェー磐田戦は1-0で勝利したが、このゴールも
アドリアーノの左サイドから放った神がかり的なゴール。完封した
事で守備の内容はまずまずだったが、攻撃の課題は残っていた。
4/1の名古屋戦はそこに初めて変化が起こる。久保の調子が今
一つという事もあって、先発には難波とシウバの2トップ。これで
横浜のリズムが生まれていた。名古屋はボールをキープ出来るが、
攻め込む事が出来ずバックパスを繰り返していた。前線から
プレスが効果的に決まり、逆転負けを喫したが立て直せないもの
ではなかった。

ところが、この次の千葉戦では名古屋を押さえていた守備陣が
崩壊。攻撃が立ち直れば、守備がダメになる。ある場所に戦術的、
人員の変更で蓋をすると、また違うところから問題が漏れてくる。
4/14の鹿島戦から1引き分けを挟んでリーグ戦は7連敗。そして
この頃になると、戦術ではなく個人的なミスで試合が崩壊する。
鹿島戦の山口のミスパスからの失点、セットプレーのマークミス、
クリアミスを拾われての失点など、数えたらキリがない。
ラインが低い高い関係ないところでゲームが壊れていった。
特にチームの中心となって攻守でゲームを作るはずの山口に
ミスが多くなり、攻撃で形を作れないばかりか、苦戦が続く
守備陣にも負担を強いていた。

久保はケガで戦線離脱し山口にミスが続いた事で、初めて揃って
欠場した5月の広島戦で勝利した事が転機になるはずだったが、
泣いて馬謖を切れなかった。



