全てが終わって彼は包み隠す事無く、自分の気持ちに正直に話した。
「君の夢は何だ?」と聞かれて、簡単に答える事ができる人間が
どの位いるのだろう。これだけ正面きって夢を語れるのは、今彼の
気持ちが充実している証明である。

試合自体は引退試合という事で、お互い緩い流れでゲームが進み、
城は全ての得点を挙げて、計3得点のハットトリック達成。
それに引退した選手は、ゲームの盛り上げどころを知っていて、
要所要所で観客を楽しませた。
メンバーも豪華絢爛そのもの。特にJO DREAMSはアトランタ五輪代表、
フランス代表選手を中心に現役・引退関係なく構成されていて、
引退試合でなく代表戦なのではと一瞬錯覚してしまうものであった。

それと対照的だったのが横浜FCオールスターズ。毎年の様に選手が
大幅に入れ替わり、03年から06年まで連続して所属していた選手は
城を含めて3人。中丸は選手としては03年にもいない。

面子が劣るのは正直仕方ないが、どれだけ毎年ツギハギで補強して
きたのかがよくわかってしまうメンバー構成だった。信義や吉野の
プレーや姿勢は「横浜FC愛」というものを感じさせるには十分だったが
彼らはもう横浜FCにはいない。オールスターというよりも
散り散りになってしまった星達を見ていた気分だった。
今横浜FCはクラブとして夢を語れるか。この引退試合は、横浜FCの
城ではなく、みんなの城の引退でありそこにクラブのイベントの
告知を挟む等など全くおこがましい。賢明なサッカーファンは
それに耳を傾ける事などしないだろう。
どこまで商いが好きなクラブなのだろうか。

この宴が終われば、サポーターは自分のクラブのサポートの
準備が始まる。もう次の日曜日には新しいシーズンが始まり、
新しい目標の為に各々は走り始める。城という最大の貢献者の
いなくなった横浜FCを誰も見向きもしないだろう。

今年どんな結果になるのかそれはわからない。
しかし、今だからこそクラブは言わなければならない。
今年の夢は「J1昇格」J2に所属する全てのチームの、選手の
サポーターの、クラブの夢はそれ以外にあり得ない。
今このクラブはそれを胸を張って言えるか?
城の姿勢がそれと対照的な横浜FCの姿勢を浮き彫りにした。
拝啓 横浜FC様
あなたの夢は何ですか?



