シトシトと雨が落ちていた。まさに、不安定な天候になりやすい
そのUKの空の様に。
その湿りがちな空と同じ様に、ホームのFC東京もゲームを組み立て
られないでいる。今期から就任した城福監督が掲げる「Moving Football」は、今野曰く「10%もできていない」と言っていたが、
雨の中でその割合はもっと下がってしまった。

前半からFC東京、柏ともミスが頻発。スリッピーなグランドの影響
からか、お互いのパスが中々通らない。通らないというのは、
相手の守備で遮断されているのではなく、いわば方向、スピード、
タッチといったコントロールの部分において精度を欠いており、
つなぐ事が難しかったのである。

唯一カボレにボールが収まった時は、前を向くチャンスもあったが、
柏GK・菅野を中心とした守備に阻まれて、ゴールは遠い。
柏は、ポポ、アレックスというブラジル人2人でゲームメイクし、
また東京DFの不用意なミスもあってゴールまで迫ったが、
最後の部分で精度を欠き得点にはならなかった。

お互いのDFライン付近で、相手のミスによってボールを
奪い合うというお寒い状況で前半が終わる。隣の青赤ユニを着た
親子はその惨状に目を覆っていたのか、それとも寝ていたのか。
後半開始から攻勢に出たのはFC東京だった。柏はクリアで逃げる
のが精一杯。梶山の放った強烈なミドルシュートは、回転がかかり
左に逃げながらゴールに向かったが、菅野が渾身のセーブで
ゴールを許さない。
FC東京は梶山、今野の積極的なプレーで柏を押し込み、
彼らをクリアで精一杯の状況にまで追い込んだが、それ以上は
ゴールに近づくことができず。

そして、羽生に代わって大竹が出場。彼が初めて蹴ったCKは今野の
頭に合ったが、それが外れた時流れが柏に傾いていくのを感じる。
浅利に変えて近藤が出場。右サイドだった大竹を真ん中に据えて
攻撃的な体制を整えていく意図は感じられたが、逆にこの辺りから
柏のカウンターが冴え始める。
中央でアレックスが飛び出すと左は菅沼、右は太田という
柏きってのアタッカーが勢いを増してくる。
そして生まれたのが柏の先制点。左からポポが蹴ったCKを
東京GK・塩田が弾いたが、柏・大谷がダイレクトでシュートを
放ってゴールにねじ込んだ。
雨の為とは言え、ややパンチングが小さかった。ポポのCKが
よかったとしても、やや軽率なプレーに感じた。

先制した柏はより守備的な布陣を敷き、耐えに耐える。
FC東京も手をこまねいている訳ではなく、赤嶺に変えて平山。
前線にどんどん放り込む作戦に出た。平山、カボレ、近藤と
どれも迫力のあるFWを並べ柏陣内でゲームを進めたが、
こぼれ玉に反応し殺到する柏DFの前にゴールを割れず。

柏・古賀の負傷交代の影響もあって、6分間と長いロスタイムが
終わった時、凱歌は柏に上がった。主要なメンバーがケガ等で
抜けて、連敗していたが5月に入って負け無し。太陽王が
顔を見せ始めた。
FC東京は2試合連続の0-1での敗戦。試合、シュート数では柏を
上回っていたが、決定的なシーンは少なく効率の悪い攻撃を重ね
ていた。理想は高くあって良いが、あまりにお寒い内容だった。
この雨の試合で見た東京のサッカーは「Moving Football」ならぬ
観客もその寒さで凍りつく「Freezing Football」だった。



