最近の記事

2020年09月02日

2020年J1第13節 横浜FC-セレッソ大阪「一つの物語が終わり、また始まる」

それは突然の報だった。イバの大宮への完全移籍。ただ今シーズン出場機会が限られそうな予感は既にあった。昇格した昨年の終盤も京都戦での敗戦以降はスタメンから外れてしまった。今シーズンも2月の開幕戦も一美が1トップに入った。Jリーグが再開された7月以降も彼の出場機会は限られていた。リーグ戦では唯一出場したアウェイでのガンバ大阪戦で与えられた時間は3分。ルヴァンカップの出場時間を含めても90分にも満たない。そういう意味で、突然ではあったが意外ではなかった。

その大黒柱の移籍には多くの嘆きと悲しみの声で埋まった。まだやれる。そうサポーターが思う以上に彼自身もそう思っているから出場機会を求めて、移籍を選んだのだろう。引退や戦力外通告ともまた違う辛さがある。それでも時は止まらない、チームは動き続ける、選手も動き続ける。そうした喜怒哀楽を一杯抱えて歴史は紡がれていく。



セレッソ大阪というよりも対ロティーナ戦、横浜はヴェルディ時代から未だ勝利なし。策士の術中に嵌ってしまっているかのようだ。この試合も序盤は横浜に勢いがあったが、次第にセレッソに縦パスを通されるようになると苦戦。まず大きな誤算だったのは志知。左利きの彼が右サイドバックでどう戦うか期待していたが、左利きの選手が左足でボールを運ぶということは対面する相手の前にボールを置くことになる。だからどうしてもここで一呼吸いれてしまって、サイドを広く使いたいのにスピードダウンして、ブロックを作られて、袋小路にという展開が何度もあった。



さながら前週水曜日に鹿島の4-4-2と対峙した時とはまるで逆に、横浜はハーフスペースを消されて、ボールは動くが人が適切な位置にポジションを取れていないから、セレッソの守備の外を回るばかりになってしまった。いつかのハマナチオではないが、2ブロックがスルスルスライドして穴が中々生まれない。
近くにいた客は、「パスを回しているばかりで面白くない。」「長いのドーンと入れて、バーンと決めたらいい」と言いたい放題だったが、その思いを実現させたのはセレッソだった。



前半14分、ブロックの間を通された縦パスを高木にフリックで落とされて、飛び出してきた清武に守備陣も交わされてアッという間にゴールを決められた。鹿島戦でもそうだったが、同じ様な形の場合はどこでギャップやスペースを作るかということが課題で、この試合ではセレッソに面白い様にボールを通されてしまっていた。後半11分の失点も、右サイドを清武に侵入され、守備陣を引き付けられてしまい、こぼれ球を奥埜がブルーノメンデスにパスした時点で勝負ああり。2点目を許してしまった。

どちらも清武だけが称賛されているが、この3人目の動きに再現性があるからセレッソは堅実に強い。再現性とは一種の形。こういう時は、ここにボールを出せば、誰かが抜けてくれる。誰かが待っているというクオリティが高い。
守備になると基本を徹底させるかの様な守備で、慌てず騒がずブロック、ディレイ、スライドが徹底されていて、横浜はチャンスらしいチャンスを作れない。

続きを読む
posted by おかき at 21:00| Comment(0) | 横浜FC2020観戦記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年08月20日

2020年J1第11節 横浜FC-鹿島アントラーズ「記憶にも刻みたい」

試合も残り3分、横浜はセンターバックの小林が投入して3バックとし、瀬古が右サイドバックに回り実質5-4-1の形で前線には足の速い斉藤とマギーニョを残してカウンター狙いの布陣を敷いた。鹿島の最後の猛攻に耐え続ける横浜。ゴールはならなくとも前線にカウンターで運び時間を消費していく。これが下平監督の理想のサッカーではないだろうし、理想の終わらせ方でもないだろう。でも、それはそれとして、目の前にある勝ち点3を1や0にしてはいけない。現実的に勝ち点を積み上げるという、2006年ハマナチオと呼ばれた横浜の堅守を思い起こさせた。4得点して緩んでしまった湘南戦とは対照的な1点差という緊張感が、選手達の足を止めさせない。アディショナルタイム4分過ぎた後に、試合終了の笛が鳴った。



試合は意外な展開で動いた。左サイドを突破した袴田のクロスに飛び込んだ一美はトラップし損ね、ボールが手に触れてしまった。それでも笛はならず、松尾が素早く反応してボールをかきだし、こぼれ球を皆川がゴールに叩き込んだ。ボールに手で触っているのは確実で、鹿島の選手達はセルフジャッジで手を上げて、プレーを止めてしまい、その間隙を突く形で横浜が先制した。このジャッジについては、評価は分かれている。自分も微妙なところだとは思う。もちろん、ボールは手に触れているのは確実。ただ、後ろからのボールなので偶発的である。手を広げているとは言っても、右足を伸ばして左手が後ろになるのは不自然ではないと主審は判断したのだろう。また、その後の得点機会の創出についても、そのボールを例えば松尾がシュートを放っていたらそうなったかもしれないが、そこで鹿島の選手も足を出したり、GK山田が手を出したりと混戦になり、それが得点機会を作ったとは言えないと判断したのかもしれないと自分は受け取った。微妙な判定で得点できたのは横浜にとってラッキーだった。

怒りに燃える鹿島はここから怒涛の反撃を見せるかと思ったが、そうでもない。伝統の4-4-2は横浜も4-4-2でミラーゲームなのでどこかでギャップを作らないと流れが掴みにくいはず。個人の力で剥がすか、戦い方で作り出すか、鹿島の攻撃はそのどちらでもない戦い方になってしまった。サイドは確かに巡回するが、長身のエヴェラウドにクロスを入れて打開するでもなく、崩し切る訳でもない。前節から大幅にメンバーを変えた部分で上手くいっていないのではと感じていた。



続きを読む
posted by おかき at 18:42| Comment(1) | 横浜FC2020観戦記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年08月17日

2020年J1第10節 横浜FC-湘南ベルマーレ「指しすぎると」

将棋の世界には、「指しすぎ」という言葉がある。攻める際でも、守る際でも必要以上の手を指すことで隙を作ってしまい、流れを渡してしまったり、ピンチを招くことを言うのだが、まさしくこの日の横浜は、指しすぎの状態にあった。
結果的にではあるが、後半杉本、小林の2人を投入してから横浜はリズムを失った。どちらの選手の起用にも理由はあって、新加入の杉本は試合勘を取り戻させたい部分があっただろうし、中3日で迎える鹿島戦を見据えて伊野波の疲労と若手の経験を考えたものだと思っている。ただ、杉本は持ち味の俊足を披露できたが、湘南のクロスボールのこぼれ球をクリアしようとしたがキックミスになり相手選手の足元にプレゼントパス。湘南・石原は軽く触るだけでよかった。
小林は伊野波の様な縦パスを入れる事が出来ず、ディフェンスラインがずるずる下がる原因を作ってしまった。さらにFKでマークする湘南・岡本に前に入られて後半31分追加点を許した。




この日の横浜の前半はほぼパーフェクト。3バックでハイラインを敷く湘南の裏のスペースに選手が飛び出してチャンスを連発。前半3分、一美の折り返しを松浦が左足で相手に当てながらゴールを決めたのを皮切りに、前半15分は一美のスルーパスに松尾が反応し、追いすがる湘南守備陣を振り払い、GKも交わして追加点。松尾待望のJ1初ゴールが生まれた。前半17分には、松浦のクロスが湘南・岡本の広げた左手に当たりPKを獲得。この日2アシストの一美がPKを決めて3点差に。極めつけは松浦からのクロスを収めた松尾が角度のないところから左足を振り抜いて4点目。



前線の選手が大いに躍動している。一つは、松尾が守備のタスクが軽減されているのが大きい。3-1-4-2とJリーグ再開から3バックにして自分達でボールを繋いでいくというコンセプトを作り直した反面、松尾はウィングバックになり守備の負担も増大。前に行きたい時にいけないもどかしさは見ている側でもわかる。仙台大学でも10番を背負った攻撃に持ち味をもつ選手が多くの時間を守備に割くようになり、相手の脅威になりえてなかった。体力を使うからか鋭い突破は影を潜めてしまう。そしてチームも連敗では、新しい方法が如何にボールを保持できていようが、勝利出来ていないのを見ると効果的ではなかったのではないか。
そういう意味で、4-4-2にしてサイドMFに松尾を固定したのはチームに良い影響を与えているだろう。後ろにもう一枚いるからどんどん前を向いて仕掛ける。足かせが取れた様にこの試合松尾は輝いた。
もう一つは、キャラと伊野波の安定感に他ならない。小林が入ってからボールが適切に出せなくなったように、この2人の守備での安定感とビルドアップは高いレベルにある。先制点の起点になった伊野波のパスを含め、低い位置からでも繋ぎながら動きながら相手を剥がせていた。

そういう質の良さを前半20分で披露させられると、見ている側にとっては適切なボール回しすら愚鈍に思えてきてしまう。湘南は早いところからサイドの選手に展開してからが攻撃のポイントに見えたが、選手同士の距離感が悪く二次三次と攻撃を連動させられない。



続きを読む
posted by おかき at 19:30| Comment(0) | 横浜FC2020観戦記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年08月03日

2020年J1第8節 横浜FC-サンフレッチェ広島「サイカイ」

Jリーグが再開してから約1か月、横浜のサッカーの評価は頗る高い。昇格チームによくある守ってカウンターというサッカーではなく、低い位置から繋いで相手ゴールを目指すサッカーは、相手サポーターからも評価が高い。だが、結果が内容に伴わない。川崎戦、F・マリノス戦、浦和戦と3連敗。失点を重ねて、ゴールも奪えない。体力が落ちてくる後半は、前半と打って変わって内容が次第に悪くなることも露呈した。このサッカーで肝なのは、中盤の3人だがそれが上手くフィットしない。概ね3-1-4-2とはなっているが、この中盤の3枚の組み合わせに下平監督は苦心しているようだ。今節は、松浦、佐藤、そして手塚の3名が中盤に名前を連ねた。



ところが、この日はチーム全体に精彩がない。1トップの皆川は左右のスペースで受ける動きが少なくボールが収まらない。松浦と手塚は味方を追い越す動きもない。横浜の攻撃面での課題は、こうしたスペースでボールを受ける動きが少ない事。ウィングバックに入ったマギーニョ、松尾は常に相手と対面するばかりで中々前を向いて仕掛けることもままならない。こうしたところで手塚が松尾を追い越してスペースを作る様なプレーもない。気の利いたプレーは出来ていても、相手からすると脅威になるプレーは少ない。



1ボランチの脇は横浜の弱点でもある。それを相手も理解している。前半22分の失点は、田代がボランチの脇を締めようとつり出された裏のスペースを狙われ、走り込んだ森島が追いすがった佐藤を振り切ってゴールを決めたもの。田代が高く出ていくのは適切だったのか、松浦は2トップの様なところまで出ていく必要はあったのか、そうするとラインコントロールは適切だったのか。色々不可解な失点だった。

では、失点して攻撃が加速するか言えばそうでもなかった。広島の前線からのプレスにボールを何度も失い、横浜は攻撃の形すら作れない。システムを5-4-1の様な形にして広島の攻撃を抑え込んだ半面、選手の距離感が悪くなり後ろからボールを持ちあがる事も減った。だから何となくロングボールで打開を図るが、サイドの選手へのサポートも遅く広島は十分にブロックを作る余裕があった。



前半37分には広島に追加点。コーナーキックのこぼれ球をフリーになっていたドウグラス・ヴィエイラに決められた。2018年のJ1参入プレーオフで失点してから、これで三ツ沢では3試合連続彼にゴールを許している。J1で再会しても、相性の悪さがあるのだろうか。あの1戦以降横浜は彼にとってお得意様になってしまった。

続きを読む
posted by おかき at 22:47| Comment(0) | 横浜FC2020観戦記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年07月23日

2020年J1第6節 横浜F・マリノス-横浜FC「どこまで耐えられるか」

悔しさを感じる前に、自分は不安が先に立った。コンセプトがはっきりして、負けてもサッカーの内容は清々しい。ただ、それでよいのだろうかと。前半から横浜は、自陣低い位置からボールを繋いで敵陣に攻め込み、プレスバックをしっかりしてボールを奪いにかかる、再開後貫かれているサッカーだ。今節アタッキングサードの攻撃を改善する為だろうか、手塚を瀬古に代えて入れたがF・マリノスは昨年のJリーグ覇者。簡単には決定機を作らせてもらえない。
消耗していくのは横浜だ。マリノスの速い揺さぶり、そして自分達でウィングバックは高い位置を取るので、自然とその裏のスペースのケアに体力を割かないといけない。右はマギーニョ、左は松尾。対面するのは、遠藤と仲川。前半からこのエリアの戦いは激しく、両者とも消耗して、肝心なところで出ていくだけの推進力を徐々に失っていった。

前半の失点は不運だった。右サイドから上がったクロスをクリアしようと田代が足を伸ばすが、クロスに合わせるお手本のごとくオウンゴールとなってしまった。それでもまだ前半は良い戦いをしていたと言える。

後半、予想通り横浜の足が止まりだす。ウィングバックの運動量が落ち始める。激しい上下動を繰り返せば疲弊する。そうするとマイボールになった時に、前にポジションを取れないので、低い位置にいる選手は大きく蹴るしかないが、前線の選手との距離が長くなりセカンドボールを収められなくなっていく。
失点を重ねた後半は、ほとんどがサイドのクロスから。前半からセンターバックもボール回しに参加し、さらに守備にも追われていく中で足が止まってしまい、マーカーを外してしまってほぼフリーで決められてた。

同じメンバーでゲームを重ねるとチームとしてはつながりが出てきて、再開後ということでゲーム勘も戻り、意思統一が図りやすくなるのだが、反面7月4日再開で18日で5試合目。相当な疲労がきているはず。F・マリノスが、選手を代えても走行距離が落ちないのを見ていると、横浜はスタメンでよいメンバーを組めても、選手交代と共にそのクオリティが下がっていくのを感じてしまう。そうなると、必然的に早い段階で先制点を奪って、先行逃げ切りが出来るか。そういう意味で斉藤光毅がチャンスで決めきれなかったのは、痛かった。

今の横浜のサッカーは、どこまでウィングバックと3バックが動けるかという部分が焦点になる。どこまで耐えきれるか。良いサッカーをしていても、結果的に2試合で合計9失点の事実も忘れてはいけない。例えば、星はこの試合徐々にパフォーマンスが下がり、最後は押し込まれて雑に長いボールを蹴るだけになってしまったのも振り回されすぎたからだろう。そういう意味で、チームの状況も報道などもないので何も言えないが、再開前のスタメンだったキャラや伊野波の状況も気になる。使えないのか、使わないのか。

もう一つ、サポーターもこの状況にいつまで耐えられるか。良いサッカーをしていても、結局欲しいのは勝利。今年J1は降格がないとはいえ、勝利する事で気持ちよくなりたいし、誇らしい気持ちを味わいたいはず。2年見据えて臨んでいそうな気配はあるが、ここ2試合大敗が続くとこのサッカーでよいの?と思う方も出てくるだろう。来年の為といつまで言い聞かせられるか。

試合後松尾はユニフォームで顔を覆っていた。良いサッカーをしようとしている、良いサッカーをしているが、徐々に悪くなり大敗で連敗。しかも、神奈川ダービー、横浜ダービーという近隣のクラブに。張り裂けそうな私たちの気持ちを代弁しているようだった。
posted by おかき at 08:35| Comment(1) | 横浜FC2020観戦記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年07月20日

2020年J1第5節 横浜FC-川崎フロンターレ「対照的」

これほどまでに対照的な結果になるのがサッカーなのか、それとも珍しいのか。この試合に限って言えば、1-1からの選手交代が両チームの明暗を分けた。川崎は後半15分に小林、三笘を入れ、横浜は後半25分に熊川を入れた。追いつかれた川崎は前線に馬力のある選手を入れもう一段ギアを上げ、横浜は疲れの見えた中山から熊川にスイッチしてその対応をしたはずだった。ただ結果は、その交代から一気に川崎に傾いた。



熊川の投入から5分。横浜の右サイドで川崎・三笘がドリブルを仕掛けると熊川は追いすがる事が出来ず、対応した星がペナルティエリアで三笘を倒しPKを献上し逆転を許すと、手塚と志知を入れて中盤の運動量を増やしにかかった。ただこれらの交代は横浜に勢いを取り戻せなかった。彼らが入った直後に、瀬古がコーナーキックのこぼれ球にハンドを犯しPKを献上し3点目を決められると、その5分後には小林悠にシュートを決められてあっという間に4点目を許してゲームは決まった。

途中で入った手塚は守備に忙殺され、持ち味の小気味の良いテンポのパスワークなどは見られなかった。志知は仙台戦と同じく最後の仕掛けの部分でスペースがないと手詰まりになり、チャンスメイクはならなかった。さらに最終盤で投入された皆川、中村も同様に見せ場らしい見せ場もなくゲームは、さらに1点を加えた川崎に1-5と敗れた。




後半15分までは拮抗していたと言っても過言ではないだろう。この試合スタメンに入った松尾が左サイドを支配し、斉藤光毅も川崎DF相手に一歩も退かない戦いを見せる。13年前、J1の舞台で川崎と戦った等々力陸上競技場での試合は燦燦たるものだったことを思えば、この横浜の戦いは対照的と言ってよい。守りを固めるが簡単にゴールを許し、前に出ようとすればさらに失点を重ねたあの時とはまるで内容が違う。横浜の適切なカバーリングがあり、そこでボールを奪っても前線目掛けてボールを蹴ることもなく、ビルドアップで川崎のプレスをかいくぐって相手を剥がして前を向こうとしていた。
メディア的には、カズ、俊輔、松井といったベテラン組中心という扱いの横浜だが、なんの蓋を開けてみるとスタメンの半分以上は25歳以下の選手達で占められていて、事前の情報とは対照的な横浜のサッカーは川崎のサポーターも唸らせたに違いない。


続きを読む
posted by おかき at 16:53| Comment(2) | 横浜FC2020観戦記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年07月15日

2020年J1第4節 横浜FC-ベガルタ仙台「夢を夢で終わらせない」

中山がこぼれ球を豪快にゴールに叩き込み、後半アディショナルタイム横浜が逆転でゲームに終止符を打ったと思った。だが、副審の旗が上がり無念のオフサイド。松尾の左サイドからのクロスに齊藤がわずかに飛び出していた。勝ち越しゴールと、横浜FC史上初めてのJ1での連勝は夢のかなたに消えてしまった。



新型コロナの影響で、Jリーグは第2節から中止になり再開は7月4日まで待たなければならなかった。その再開初戦の札幌戦で見せたサッカーは、2月の神戸戦とは異なったものだった。約4か月の中断は、通常のオフシーズンの合宿期間よりも長い。リーグのフォーマットも変更され、選手交代は5人まで、2020シーズンは降格もない。となると、自分のしたいサッカーを大胆に追求できると考えるのではないか。1年間若い選手を育成する時間を得たともいえる。
神戸戦の反省点は、前線でボールが収まらない事だったはず。相手にボールを握られ、低い位置でボールを奪っても、前線の選手とは距離がある。蹴っても1トップでは孤立無援、つなごうにも味方選手が低い位置で近すぎた。ボールを奪いたいポイントはもっと前にあった。練習試合の名古屋戦でも、登録上は4-4-2ではあるが、実際は4-2-3-1で選手を代えて試すも、目を見張るチャンスはないまま敗戦。



個人的にはこの敗戦がシステム変更のトリガーになったのでは?と思っている。そして、披露されたシステムはこれまでとはまた違ったものだった。3-1-4-2に近いシステム。ボールを繋いで動かし、前線からのプレスで相手からボールを奪うことが主眼となった。札幌戦は敗れたが前節の柏戦では今シーズン初勝利を遂げた。そのシステムで3戦目。大きくメンバーを変更しないのでゲーム勘も整い、選手間でも順応し始める頃。ところが大きなアクシデント発生。仙台・関口のスルーパスに抜け出した長沢がGK六反と激突し、六反はプレー続行不可能となり退場。古巣仙台との対戦をきっと心待ちにしていた六反の夢の仙台戦はたった12分で終えることになってしまった。



GKには南が入るがここから少しゲームプランが変更されて、六反よりもつながずに蹴る事が増えた。それにより低い位置からプレッシャーを受けることになり、横浜は中々よい形で前を向いてプレーするのが難しくなった。それでも横浜は中盤の3枚が機能して仙台を揺さぶりにかかる。特に高めの位置を取っていたマギーニョより志知の方がボールに絡む回数も多かった。3バックの真ん中小林と左の袴田が共に左利きであることも影響しているだろう。

ただ、横浜のこの3戦の課題は共通していて、アタッキングサードでの決定的なプレーが少ない事。相手チームのトランジッションの速さだけではないだろうが、まだこの辺りはしっくり来ていない感じがする。横浜はボールを持ちながら保持できる。仙台も選手が「強度!」と言っていた様に、J1ならではの強さは感じられず。だがペナルティエリア付近で急に手詰まりになってしまう。この先のインスピレーションの改善が欲しいところ。



その手詰まり感を打破したのが、一美のゴール。自陣でのファウルで得たFKを佐藤謙介が前線にいた一美めがけてロングパス。仙台DFと競り合いながらこれ収めた一美は左足を振り抜いてボールはサイドネットに突き刺さった。これまで長いFKを控えていたからか仙台守備陣の虚を突くことが出来た。

続きを読む
posted by おかき at 01:31| Comment(1) | 横浜FC2020観戦記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年02月25日

2020年J1第1節 ヴィッセル神戸-横浜FC「戻ってきた」

神戸・大崎がボールを持つたびに横浜のゴール裏からは大きなブーイングが飛んだ。個人的には、ルヴァンカップの第1節で対戦した広島・野上には組織だったブーイングはなかったので、こうするのは愛情の裏返しであると同時に、横浜在籍時からあったポカミスを誘発させようとしているのだと感じている。
そして、彼がミスをすればさらに煽るようにブーイングをするのは一種のプロレス的要素でもあると自分は感じているのだが、はた目からにはそう理解してもらえないようだ。
こういう理解度のミスマッチがあるのは、J1に個人昇格した選手の後を追って、横浜はクラブとして戻ってきたのだと実感した。



大崎のミスを誘発させたいのは、神戸のビルドアップが彼から生まれていたからだろう。彼からサンペール、そしてイニエスタにボールが渡った時は驚異だった。
イニエスタと古橋のコンビネーションがまた素晴らしい。針の穴を通す様にパスが出てくるには、小さなスペースを見つけて飛び込めるスピードとセンスがないといけない。横浜の右サイド、神戸の左サイドは序盤から戦い続けていた。
ただ、酒井のオーバーラップを前半殆ど許さず、守備でも奔走し続けた中山はまた素晴らしい。前半横浜が神戸を戦術イニエスタに封じ込めていたのは、中山、瀬古の献身的な守備があったからに他ならない。
マギーニョは先週のゲームよりもフィットしたが、戦術理解がまだ遅くポジティブトランジッションのところで上手くボールを預けられずにいた。ただ、オープンなスペースになった時は彼の強みが生きる。

中村俊輔も走っていた。彼が起用されるのは、齋藤のケガという情報もあるが、大きな相手にアクセントになれる。多くの時間神戸がボールを支配することになるであろうゲームで、飛び道具を持ってる強みを買われていたのだと思う。

横浜は全体として、下がろうというよりも、ボールを保持したいけど現実的に下がって対応しないと失点する危機感を選手が感じていたのだと思う。また、昨年行っていたボランチが下がって3バックにする戦術をこのゲームでは採用しなかった。下がっても結局J1では前からプレスにすると引っかかってしまう事を懸念しているのか。はたまたこのゲームの為の布陣なのか。
それでも4-4-2の布陣は大きく機能し、神戸をイニエスタ以外の選手の連動を許さなかった。



前半24分ゲームは動く。左の志知が縦に突破を仕掛けると神戸・郷家は2回に渡り振り払われ、志知はフリーでクロスを上げた。中で待っていた一美とは合わなかったが、こぼれ球を押し込んだのは瀬古。神戸GK前川が倒れかけたのを見て瞬時に逆のスペースにボールを流し込んだ。先週のルヴァンカップでボールを悉く宙にシュートしていた瀬古と同じ人物とは思えなかった。Jリーグデビュー戦にしてゴールを決めた。

そして志知も先週の試合で対面する相手に勝負を挑まず下げてばかりのシーンを見て失望したが、今節は強引なドリブルで郷家を翻弄。郷家を下げざるを得なくなった神戸はこの局面で後手を踏んでいた。



続きを読む
posted by おかき at 21:35| Comment(2) | 横浜FC2020観戦記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする