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2020年11月28日

2020年J1第29節 横浜FC-清水エスパルス「新しいトライの前に」

この試合は、累積警告で出場停止となった手塚不在の中で、横浜はどうやって自分達でボールを保持するのかという点にフォーカスしてスタジアムに向かった。先の広島戦では、3-4-2-1のミラーゲームに持ち込み相手の長所を消しながら、攻撃時には4-3-3の様な形でボランチがスペースを作りながら、あるいは埋めながら前進するスタイルで今季2敗している広島相手に互角の戦いとなった。

ところがスタートから驚いたのは私だけではないはずだ。試合開始5分に失点すると、直後の6分にも失点。秋のナイトゲームというだけでも寒いのに、それに輪をかけて体温を下げる様な重い重い2失点でゲームは幕を開けたのだった。



横浜は4バックでボランチが落ちないでゲームを組み立てようとしている。これまでは、センターに佐藤謙介や手塚が落ちてリズムを作りながら組み立てていたのだが、この試合ではそれをせず一枚前に残したままでトライしている。2枚のセンターバックと1ボランチの関係でどうビルドアップするか。枚数が足りないからここで踏ん張って2枚で出来るとという思いは理解できるが、その思いは開始早々打ち砕かれた。

特に2点目。南から安永への縦パスを清水の2人の選手のプレスで奪われてそのままミドルシュートを決められた。シュートを止められたのではという部分よりも、奪われ方がこのシステムがまるでなじんでいない事を示すと同時にまだ安永一人では厳しいという見方をせざるを得なかった。左利きの選手であれば、自分の左から来るボールに対してはダイレクトで自分の前方に捌く、あるいは左足のアウトサイドでトラップして収める事が出来る。右利きの選手が、内側でトラップしてしまうと右に運ぶにはスキルが必要で、足元で収めようとした瞬間を狙われプレスバックで奪われてしまった。



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2020年11月20日

2020年J1第27節 サンフレッチェ広島-横浜FC「鏡を割れ」

神戸戦の勝利から1週間、正確には中5日で迎えたアウェイ広島戦、キックオフの笛と同時に驚きがあった。3バックを採用。今シーズン広島に2戦2敗を喫したチームに変化を求めた結果なのか、あるいはそれとは関係なく用意してきたものなのか。
広島も3バックで3-4-2-1を敷いている事からこれはいわゆるミラーゲームとなった。

ミラーゲームにする意図は何か。一般的にミラーゲームにすると、同じシステムなので短所も長所も出にくくなり戦術上の優位性が下がる。ただし、同じシステムということは選手個々の力の差が出るシステムでもあると言える。そこで横浜は単純に3バックをそのままという訳ではなく、守備時は3バックに2人のウィングバックを加えた5バックで受け止め、攻撃時は袴田を左サイドバックに見立てて4バックでゲームを展開した。

先制点は幸先よく横浜にこぼれた。コーナーキックの跳ね返りを手塚がクロスを入れると、ファーサイドでマーカーを外した小林がヘディングでゴールに叩き込む。前半10分に先制した横浜はそこからやや優位にゲームを進める。相手のプレスを剥がして、前進。決定機までは中々持ち込めないものの、中盤を支配していた。



ところが、横浜の弱点、飲水タイム明けに失点してしまう。前半28分中盤からのロングボールで裏に飛び出した広島・エゼキエウを捕まえる事が出来ずにそのままゴールを許してしまう。緊張感が切れた終盤で失点を重ねる事が多いが、飲水タイム明けの失点も横浜は多い。中盤から蹴ってくると想定していなかったのか、ラインコントロールの隙を衝かれてしまった。

失点してもそれ以上慌てる部分がなくなってきた印象。むしろ、淡々と広島のプレスを剥がして前進し、手塚を中心にボールを回してギャップを作って相手の隙を伺う。




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2020年11月13日

2020年J1第28節 横浜FC-ヴィッセル神戸「自分たちに転がった」

後半アディショナルタイム4分、神戸のコーナーキックを詰めていた山口蛍のミドルシュートは田代の足に当たり枠から逸れていった。ロシアワールドカップ最終予選のイラク戦に似たシチュエーションで、山口が右足でプッシュ気味にフリーでシュートを放った時は失点を覚悟した。こういう混戦の時のミドルシュートは得てしてゴールにこぼれやすい。でもそうはならなかった。横浜は2-1で神戸を破った。

「自分たちに転がった」下平監督はこのゲームの交代策をそう表現した。交代は良くなる場合もあれば、意図せず悪くなる場合もある。第26節の大分戦ではリードしつつも押し込まれている状況で守備的な策を敷いて、後半アディショナルタイムに逆転を許してしまった。その反省からだろうか、中盤や守備のラインで人数を増やすことをせず、4-3-3から4-4-2というシステム変更と、レアンドロ・ドミンゲスの起用で勢いを継続させた。
もう一つ、この試合でシステムが柔軟に稼働させられたのは、右サイドに中山とマギーニョが揃い、瀬古を本来の中盤で使う事が出来た事。前半は3ボランチというよりもインサイドハーフ的に、後半はダブルボランチの一人としてプレーし、最後は左MFとしての起用だった。前半イニエスタに交わされるシーンもあったが、守備意識の高さで決定的なプレーは許さず、後半は自分で持ち上がりチャンスも演出した。



前半横浜のプレスが嵌らなかったのは、4-3-3のシステムが機能せずボランチの脇のサイドをずっと突かれていたからだ。神戸と同じようなシステムだったが、このエリアの整理が出来ていなかった。開始9分の失点は、神戸の右サイドバックを誰が捕まえに行くのか判断が遅くなったところで裏を衝かれ、その折り返しを走り込んできた神戸・郷家にダイレクトボレーのシュートを決められてしまう。その直前にも同じ様な形で決定機を作られていたが、修正できなかった。無論、イニエスタの存在もあり複数でケアにいくとギャップを作られてしまう。

先制を許して流れが神戸にいきそうなところで、その2分後一美と齋藤でワンツーは出来なかったが、神戸・山川のクリアが一美の足元に転がって結果的にワンツーとなり、難なく一美は神戸ゴールを陥れた。



後半4-4-2にして中盤を組みなおして役割を整理した事で神戸の攻撃を遮断できた。前半はここで引きずられてしまい、攻撃らしい攻撃はなかった。ボールを奪う位置が低いので持ち上がっても、味方との距離感に苦労した。後半神戸の郷家はボールに絡む回数が減り、イニエスタもボールを持った時こそ緊張感あるが、低い位置でパスを捌かれるのは怖くなかった。神戸は、ACLを見据えている部分や、負傷で古橋を欠き攻撃陣は鋭さがなかった。

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2020年11月05日

2020年J1第26節 横浜FC-大分トリニータ「おそまつ」

お粗末な結果だった。2点を先行しながら最終的には、後半アディショナルタイムの失点で2-3の逆転負け。ただの逆転負けというよりも、そこまでの過程も最悪なものだった。

前半横浜は非常に良い立ち上がりを見せる。前節の湘南戦から齋藤功の立ち位置に修正がかかり、彼は縦関係を意識するよりも、3ボランチの一つを意識してゲームを作りつつ、フィニッシュまで顔を出すことを意識した結果、横浜はスムースにボールを動かし続ける事が出来た。湘南戦では、縦でボールを受けて捌こうとしすぎた結果、低い位置からボールが回らなくなり、苦し紛れで左右の裏にボールを蹴り込むばかりになってしまった。
横浜の調子の一つのバロメーターは手塚の状態。彼がボールをどれだけエレガントに触れていられるか。スペースに顔を出してボールを捌いて動いてを繰り返しながらギャップを作っては、自分達の形を作ろうとする。ボールを保持するという自分達のコンセプトを体現している。



大分もボールポゼッションしたいチームだが、この日の前半は横浜のボール回しにプレスが掛からない。横浜は4-4-2の戦いから4-5-1に近い形にしたことで、中盤でのボール争いで優位に立った。

前半29分、右サイドから手塚の入れたボールを田代が懸命に足を伸ばしてゴールに転がした。その直前にも同じ様な形でチャンスを迎えており、狙った形通りにゴールを奪えた。続けて、前半32分、瀬古のクロスを2列目から飛び出してきた齋藤がヘディングでゴールネットを揺らす。
これで2-0。前節やその前の札幌戦の内容と比較して、テンポよくボールが回っている。横浜は良いフィーリングでゲームを進められていたはずだ。



ところが2点目を取った後から次第に大分の攻撃を受け始めてしまう。そういう不穏な空気の中で、コーナーキックから失点。前半終了間際の43分。横浜の流れに冷や水を浴びせることになるお粗末な失点だった。

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2020年11月03日

2020年J1第25節 湘南ベルマーレ-横浜FC「勝難乃風」

前半が終わった段階での感想は「ポジショニングミスがなければ、負けはない」だった。湘南のサッカーは、前線の指宿に当てるところから始まるのだが、彼を小林が食らいついて自由にさせない。右サイドは瀬古がほぼパーフェクトに抑えている。タリクは、ヨーロッパにいがちなセカンドトップだが、横浜に以前所属していたロク・シュトラウスとも似て前を向いてボールを持たせた時には可能性はあったが、オフザボールではスペースに走り込むでもなく機能しているとは感じなかった。むしろ岡本の攻撃参加の方が断然迫力があった。如何に指宿に仕事をさせないか、ほぼその1点だけだった。



横浜は、負傷者続出。公式に発表されているだけでも武田、松尾、佐藤。札幌戦も欠場した松浦も引き続き欠場。状況は不明ながら袴田、マギーニョも欠場と満身創痍。俊足の杉本、中山の2人が入った事で、後ろでボールを回しつつ、タイミングを見て長いボールを入れるサッカーを展開した。松尾、松浦の場合は彼らの足元に付けてというところがベースにあるが、この日のサッカーだと両翼の2人を活かしてチャンスを作るにはこの方法が適切なのだろうが、全体的にショートカウンターぽくなってしまい、横浜はその後の有効な手を欠いた。裏に抜け出すことは出来ても距離感が悪く敵陣深くでチャンスを作れなかった。
後ろでつなぐ意識もあるのだが、両翼の裏のスペースもあるとなった時に、チームが全体的に規律を欠き、ボールを動かして相手を動かしてそこに自分達が入ってボールを繋ぐのか、裏のスペース目掛けて蹴るのかが曖昧でどっち付かずの印象だった。齊藤もセカンドトップの様なポジショニングをしつつも降りてきてボールを捌こうとするが、中盤の人数が多くなりバタバタしてしまうだけだった。スタメンクラスの選手を何人も欠いて戦い方の変更を余儀なくされた中で、横浜は我慢を強いられた。



それでも、前半31分クロスに飛び込んだ杉本のヘディングは、ポストを叩いた。ゴールにはならなかったが、クロスに対して逆サイドの選手が入っていけるのは調子が良い証拠でもある。ただ、中々サイドから折り返してという形にならない。それ以外は両チームとも殆ど決定機はなく、時間は流れていく。お互いに下位にいるチーム同士だというのが、きっと初めてスタジアムに来た方でもわかってしまう様な低調な試合になった。

後半少しずつオープンな展開が増える。横浜はサイドの攻撃を良しとして戦いを進め、中山の飛び出しからのシュートも湘南・谷に弾かれてしまう。その谷のビルドアップのミスを突いて、ボールを奪った齋藤がループシュートを放つが枠を捉えられない。チャンスを決められないと徐々に流れが悪くなるのはサッカーの常。横浜も瀬沼、草野とフレッシュな選手を入れて終盤に勢いを出しにいった直後だった。



後半39分、湘南は裏に抜けた指宿にロングボールが渡ると右足を振り抜きボールはゴールネットを揺らした。小林はマークしていたものの、ロングボールを蹴る瞬間に前に出て、指宿を完全に放してしまいフリーでシュートを許してしまった。小林は前にいた選手にボールを付けると予測して身体を当てにいったのだが、裏を突かれてしまった。ロングボールのミスは柏戦でも川崎戦でもあって、ボールの落下点と相手の位置や意図との関係性を先読み出来ずにいるケースがある。
もう一つは、彼が湘南の前の選手をなぜ捕まえに行ってしまったのかも考えなければならないだろう。札幌戦で最初の失点、ジェイが最前線から降りた時にマークが一瞬外れ、そこを使われて失点した。それが蘇ったのか、彼がそこをケアした結果今度は裏で自由にしてしまった。では、ここのマークは誰が面倒見るのか。整理されていないのか、整理されているが出来なかったのか、なんだかんだJ1も25節まで進んでいる中で、縦に付けるボールを整理できていないとは思えないのだが。尤もそこに入れさせてもOKにしていると言えなくもないが、中盤の選手達の動きを見ていると敢えて開けている風でもないし、それだと小林がケアをしようとしたことと整合性が取れない。



ボールを保持するというコンセプトに基づいて筋の通った戦いを構築するのは賛成だが、守備において失点が多いのは否めない。不運とか、ちょっとどうしようもない失点はともかく、こうしたミスからの失点が止まらないのが現実。




失点してから横浜は皆川を入れて大柄な2トップにしてサイドを斉藤、草野とスピードのある選手にしシンプルにゴールに向かったが、決定的なシュートも、またしても湘南のゴールポストに嫌われて同点にならず。そのままタイムアップ。ミスがなければと感じていた唯一のミスで失点し、横浜はそのまま敗戦となり連敗。

負傷している選手を多く抱え、理想のサッカーが出来ない点もあるが、それはチームとして層が厚くない事の裏返しでもある。そういう中で活路を切り開いていくしかない。ボールを保持する意識は出来ている。課題は相手の勝負を仕掛けてきた時のペース。相手は湘南ではなく勝難乃風。物事を達成するのに困難な風が吹いている。その風の中でも私たちは進んでいく。残り9試合となった2020年のJ1リーグ、今年は降格はない。そういう意味で、こういうゲームを来年の糧にする。来年は糧ではなく、勝てにする。続きを読む
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2020年10月20日

2020年J1第23節 横浜FC-FC東京「神無月でも三ツ沢には神がいた」

10月横浜は未勝利だった。10月最初の試合となった柏レイソル戦はオルンガの個の力に屈して完敗し、鹿島戦は一時2点リードを奪うもののゲーム終盤でひっくり返されての逆転負け。前節仙台戦は下平監督が「自分達のやりたい事が出来た」と話した様に、圧倒的にボールを保持したものの決定機は少なくスコアレスドローだった。



この試合も、特に後半はFC東京の猛攻に耐えるゲームが続いた。後半43分、引き分けでもと思い始めた時、FC東京のお株を奪うカウンターが決まり最後は草野が決勝点をゴール左隅に流し込んだ。それにしても草野は10月にめっぽう強い。2019シーズンも、柏戦、金沢戦と10月の三ツ沢での2試合で3ゴール。おまけにどちらの試合も彼のゴールがゲーム終盤の決勝点になるという神がかり的な強さ。その草野が年が変わってもこの10月の強さは変わらなかった。



その神が舞い降りるまで横浜は苦しいゲームだった。前半ショートカウンターを狙ってくるFC東京相手に中盤までボールはつなげるものの、そこから先に進めずバタバタしてしまう。苦し紛れのロングボールは自陣からは形にならない。FC東京の切り替えは早く、ブロックを作られた時に中々攻め手がない。一種の膠着状態と言ってよいが、悲観する必要はない。FC東京に鋭いカウンターを許すシーンは少なく、ボールを奪われても多くは中盤でボールを回収出来ている。手塚、安永でボールが安定して回っている、あるいは相手の攻撃を封鎖出来るか否かが今の横浜の生命線だ。

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2020年09月02日

2020年J1第13節 横浜FC-セレッソ大阪「一つの物語が終わり、また始まる」

それは突然の報だった。イバの大宮への完全移籍。ただ今シーズン出場機会が限られそうな予感は既にあった。昇格した昨年の終盤も京都戦での敗戦以降はスタメンから外れてしまった。今シーズンも2月の開幕戦も一美が1トップに入った。Jリーグが再開された7月以降も彼の出場機会は限られていた。リーグ戦では唯一出場したアウェイでのガンバ大阪戦で与えられた時間は3分。ルヴァンカップの出場時間を含めても90分にも満たない。そういう意味で、突然ではあったが意外ではなかった。

その大黒柱の移籍には多くの嘆きと悲しみの声で埋まった。まだやれる。そうサポーターが思う以上に彼自身もそう思っているから出場機会を求めて、移籍を選んだのだろう。引退や戦力外通告ともまた違う辛さがある。それでも時は止まらない、チームは動き続ける、選手も動き続ける。そうした喜怒哀楽を一杯抱えて歴史は紡がれていく。



セレッソ大阪というよりも対ロティーナ戦、横浜はヴェルディ時代から未だ勝利なし。策士の術中に嵌ってしまっているかのようだ。この試合も序盤は横浜に勢いがあったが、次第にセレッソに縦パスを通されるようになると苦戦。まず大きな誤算だったのは志知。左利きの彼が右サイドバックでどう戦うか期待していたが、左利きの選手が左足でボールを運ぶということは対面する相手の前にボールを置くことになる。だからどうしてもここで一呼吸いれてしまって、サイドを広く使いたいのにスピードダウンして、ブロックを作られて、袋小路にという展開が何度もあった。



さながら前週水曜日に鹿島の4-4-2と対峙した時とはまるで逆に、横浜はハーフスペースを消されて、ボールは動くが人が適切な位置にポジションを取れていないから、セレッソの守備の外を回るばかりになってしまった。いつかのハマナチオではないが、2ブロックがスルスルスライドして穴が中々生まれない。
近くにいた客は、「パスを回しているばかりで面白くない。」「長いのドーンと入れて、バーンと決めたらいい」と言いたい放題だったが、その思いを実現させたのはセレッソだった。



前半14分、ブロックの間を通された縦パスを高木にフリックで落とされて、飛び出してきた清武に守備陣も交わされてアッという間にゴールを決められた。鹿島戦でもそうだったが、同じ様な形の場合はどこでギャップやスペースを作るかということが課題で、この試合ではセレッソに面白い様にボールを通されてしまっていた。後半11分の失点も、右サイドを清武に侵入され、守備陣を引き付けられてしまい、こぼれ球を奥埜がブルーノメンデスにパスした時点で勝負ああり。2点目を許してしまった。

どちらも清武だけが称賛されているが、この3人目の動きに再現性があるからセレッソは堅実に強い。再現性とは一種の形。こういう時は、ここにボールを出せば、誰かが抜けてくれる。誰かが待っているというクオリティが高い。
守備になると基本を徹底させるかの様な守備で、慌てず騒がずブロック、ディレイ、スライドが徹底されていて、横浜はチャンスらしいチャンスを作れない。

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2020年08月20日

2020年J1第11節 横浜FC-鹿島アントラーズ「記憶にも刻みたい」

試合も残り3分、横浜はセンターバックの小林が投入して3バックとし、瀬古が右サイドバックに回り実質5-4-1の形で前線には足の速い斉藤とマギーニョを残してカウンター狙いの布陣を敷いた。鹿島の最後の猛攻に耐え続ける横浜。ゴールはならなくとも前線にカウンターで運び時間を消費していく。これが下平監督の理想のサッカーではないだろうし、理想の終わらせ方でもないだろう。でも、それはそれとして、目の前にある勝ち点3を1や0にしてはいけない。現実的に勝ち点を積み上げるという、2006年ハマナチオと呼ばれた横浜の堅守を思い起こさせた。4得点して緩んでしまった湘南戦とは対照的な1点差という緊張感が、選手達の足を止めさせない。アディショナルタイム4分過ぎた後に、試合終了の笛が鳴った。



試合は意外な展開で動いた。左サイドを突破した袴田のクロスに飛び込んだ一美はトラップし損ね、ボールが手に触れてしまった。それでも笛はならず、松尾が素早く反応してボールをかきだし、こぼれ球を皆川がゴールに叩き込んだ。ボールに手で触っているのは確実で、鹿島の選手達はセルフジャッジで手を上げて、プレーを止めてしまい、その間隙を突く形で横浜が先制した。このジャッジについては、評価は分かれている。自分も微妙なところだとは思う。もちろん、ボールは手に触れているのは確実。ただ、後ろからのボールなので偶発的である。手を広げているとは言っても、右足を伸ばして左手が後ろになるのは不自然ではないと主審は判断したのだろう。また、その後の得点機会の創出についても、そのボールを例えば松尾がシュートを放っていたらそうなったかもしれないが、そこで鹿島の選手も足を出したり、GK山田が手を出したりと混戦になり、それが得点機会を作ったとは言えないと判断したのかもしれないと自分は受け取った。微妙な判定で得点できたのは横浜にとってラッキーだった。

怒りに燃える鹿島はここから怒涛の反撃を見せるかと思ったが、そうでもない。伝統の4-4-2は横浜も4-4-2でミラーゲームなのでどこかでギャップを作らないと流れが掴みにくいはず。個人の力で剥がすか、戦い方で作り出すか、鹿島の攻撃はそのどちらでもない戦い方になってしまった。サイドは確かに巡回するが、長身のエヴェラウドにクロスを入れて打開するでもなく、崩し切る訳でもない。前節から大幅にメンバーを変えた部分で上手くいっていないのではと感じていた。



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2020年08月17日

2020年J1第10節 横浜FC-湘南ベルマーレ「指しすぎると」

将棋の世界には、「指しすぎ」という言葉がある。攻める際でも、守る際でも必要以上の手を指すことで隙を作ってしまい、流れを渡してしまったり、ピンチを招くことを言うのだが、まさしくこの日の横浜は、指しすぎの状態にあった。
結果的にではあるが、後半杉本、小林の2人を投入してから横浜はリズムを失った。どちらの選手の起用にも理由はあって、新加入の杉本は試合勘を取り戻させたい部分があっただろうし、中3日で迎える鹿島戦を見据えて伊野波の疲労と若手の経験を考えたものだと思っている。ただ、杉本は持ち味の俊足を披露できたが、湘南のクロスボールのこぼれ球をクリアしようとしたがキックミスになり相手選手の足元にプレゼントパス。湘南・石原は軽く触るだけでよかった。
小林は伊野波の様な縦パスを入れる事が出来ず、ディフェンスラインがずるずる下がる原因を作ってしまった。さらにFKでマークする湘南・岡本に前に入られて後半31分追加点を許した。




この日の横浜の前半はほぼパーフェクト。3バックでハイラインを敷く湘南の裏のスペースに選手が飛び出してチャンスを連発。前半3分、一美の折り返しを松浦が左足で相手に当てながらゴールを決めたのを皮切りに、前半15分は一美のスルーパスに松尾が反応し、追いすがる湘南守備陣を振り払い、GKも交わして追加点。松尾待望のJ1初ゴールが生まれた。前半17分には、松浦のクロスが湘南・岡本の広げた左手に当たりPKを獲得。この日2アシストの一美がPKを決めて3点差に。極めつけは松浦からのクロスを収めた松尾が角度のないところから左足を振り抜いて4点目。



前線の選手が大いに躍動している。一つは、松尾が守備のタスクが軽減されているのが大きい。3-1-4-2とJリーグ再開から3バックにして自分達でボールを繋いでいくというコンセプトを作り直した反面、松尾はウィングバックになり守備の負担も増大。前に行きたい時にいけないもどかしさは見ている側でもわかる。仙台大学でも10番を背負った攻撃に持ち味をもつ選手が多くの時間を守備に割くようになり、相手の脅威になりえてなかった。体力を使うからか鋭い突破は影を潜めてしまう。そしてチームも連敗では、新しい方法が如何にボールを保持できていようが、勝利出来ていないのを見ると効果的ではなかったのではないか。
そういう意味で、4-4-2にしてサイドMFに松尾を固定したのはチームに良い影響を与えているだろう。後ろにもう一枚いるからどんどん前を向いて仕掛ける。足かせが取れた様にこの試合松尾は輝いた。
もう一つは、キャラと伊野波の安定感に他ならない。小林が入ってからボールが適切に出せなくなったように、この2人の守備での安定感とビルドアップは高いレベルにある。先制点の起点になった伊野波のパスを含め、低い位置からでも繋ぎながら動きながら相手を剥がせていた。

そういう質の良さを前半20分で披露させられると、見ている側にとっては適切なボール回しすら愚鈍に思えてきてしまう。湘南は早いところからサイドの選手に展開してからが攻撃のポイントに見えたが、選手同士の距離感が悪く二次三次と攻撃を連動させられない。



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2020年08月03日

2020年J1第8節 横浜FC-サンフレッチェ広島「サイカイ」

Jリーグが再開してから約1か月、横浜のサッカーの評価は頗る高い。昇格チームによくある守ってカウンターというサッカーではなく、低い位置から繋いで相手ゴールを目指すサッカーは、相手サポーターからも評価が高い。だが、結果が内容に伴わない。川崎戦、F・マリノス戦、浦和戦と3連敗。失点を重ねて、ゴールも奪えない。体力が落ちてくる後半は、前半と打って変わって内容が次第に悪くなることも露呈した。このサッカーで肝なのは、中盤の3人だがそれが上手くフィットしない。概ね3-1-4-2とはなっているが、この中盤の3枚の組み合わせに下平監督は苦心しているようだ。今節は、松浦、佐藤、そして手塚の3名が中盤に名前を連ねた。



ところが、この日はチーム全体に精彩がない。1トップの皆川は左右のスペースで受ける動きが少なくボールが収まらない。松浦と手塚は味方を追い越す動きもない。横浜の攻撃面での課題は、こうしたスペースでボールを受ける動きが少ない事。ウィングバックに入ったマギーニョ、松尾は常に相手と対面するばかりで中々前を向いて仕掛けることもままならない。こうしたところで手塚が松尾を追い越してスペースを作る様なプレーもない。気の利いたプレーは出来ていても、相手からすると脅威になるプレーは少ない。



1ボランチの脇は横浜の弱点でもある。それを相手も理解している。前半22分の失点は、田代がボランチの脇を締めようとつり出された裏のスペースを狙われ、走り込んだ森島が追いすがった佐藤を振り切ってゴールを決めたもの。田代が高く出ていくのは適切だったのか、松浦は2トップの様なところまで出ていく必要はあったのか、そうするとラインコントロールは適切だったのか。色々不可解な失点だった。

では、失点して攻撃が加速するか言えばそうでもなかった。広島の前線からのプレスにボールを何度も失い、横浜は攻撃の形すら作れない。システムを5-4-1の様な形にして広島の攻撃を抑え込んだ半面、選手の距離感が悪くなり後ろからボールを持ちあがる事も減った。だから何となくロングボールで打開を図るが、サイドの選手へのサポートも遅く広島は十分にブロックを作る余裕があった。



前半37分には広島に追加点。コーナーキックのこぼれ球をフリーになっていたドウグラス・ヴィエイラに決められた。2018年のJ1参入プレーオフで失点してから、これで三ツ沢では3試合連続彼にゴールを許している。J1で再会しても、相性の悪さがあるのだろうか。あの1戦以降横浜は彼にとってお得意様になってしまった。

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posted by おかき at 22:47| Comment(0) | 横浜FC2020観戦記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする