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2009年12月06日

2009年J2第51節 横浜FC-アビスパ福岡 「スタジアムに降る雨」

この時間が永遠に続くのではないかと思った位だった。試合終了と同時に降り始めた雨が身も心も冷たく濡らす。リーグ最終戦のセレモニーがあると言われたままもう何分も経った。



いくらかの横浜のサポーターはスタンド最前列で傘を差して雨の中、選手の登場を待ちわびていたが、多くの人間は雨の当たらない日よけの部分でそれを眺めるに留まった。福岡のサポーターは試合が終了するとゾロゾロと最前列に多くの人間が結集して、選手との別れを惜しんだが、その空気は横浜にはない。そんな微妙な空気がスタンドを覆う中、選手はスタンドを半周してセレモニーは終了。MVP投票は「JFLの頃からあったと言われている」等と全くクラブは自分達の歴史に対して他人事の様な状況。
粛々と進むばかりで、何かがそこに残る訳でもない。例年と比べて何か変わった訳でもない。まさしく今年の横浜を象徴しているイベントだった。



先制点を献上したシーン等はまさに今年の横浜のサッカーを象徴していた。エデルが低い位置からドリブルをしようとした際に、相手選手と交錯しハンドの判定。福岡が素早くリスタートし、前線の大久保へ。フリーの彼は簡単に流し込むだけで良かった。元横浜FCの大久保と中島が大はしゃぎしているのが複雑な気分だ。



この失点で目を覚ました横浜。シーズン当初ならこのまま崩れてしまうところだが、前半19分の失点から次第に横浜が前を向ける様になっていった。ショートパスで福岡のプレッシャーをかいくぐっていく。その流れの中でもぎ取ったのが、CKからの早川の同点弾。

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2009年11月23日

2009年J2第49節 横浜FC-栃木SC 「キモチは上の空」

この日は前日から雨の予報が出ている。雨の日の試合観戦は大変である。折りたたみ傘、ビニル袋、着替え、タオル、サンダル等荷物が増えてしまう。相手の栃木の話よりも、上空の雲行きばかりを気にして家を出る。

空を気にしていたのは横浜の選手も一緒だった。栃木は36番若林目掛けてロングボールを蹴り、その落としたボールを狙っていた。戸川、早川の両CBは常にサイドから入ってくる長いボールの対応に苦慮する。前半序盤は若林がヘディングで競り勝つシーンが多く、横浜はヒヤッとするシーンが何度もあったが、栃木のシュートの殆どは枠を捉えきれず、横浜は命拾いをする。



ピンチの後にチャンスありといきたいが、横浜の攻撃は薄くそれもままならない。ロングボールに対応する為に全体的にDFラインが下げさせられ、攻撃に切り替わった時にサイドの枚数が常に不足していたばかりか、中盤の判断が遅く相手のゴールに向かって有効なパスが殆ど出なかった。その姿を見てサポーターは何度も天を仰ぐ羽目になった。



エデルが天を仰いだのは神への感謝を捧げる為だった。前半27分。栃木・米山がバックパスの処理をミスしたのを狙ってボールを奪取。GKとの1対1を落ち着いて決め横浜に先制点をもたらした。



しかし、それでもゲームのリズム自体にはさほど影響がなかったかの様に、栃木はロングボールを繰り返し横浜はフィニッシュまで持っていけない。

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2009年10月26日

2009年J2第47節 横浜FC-セレッソ大阪 「オオ、カミよ」

「おお、カイオ!」その声でこの試合の幕が開いた。開始からたった2分。セレッソ最初のCKをカイオがヘディングでネットを揺らして先制した。電光石火の一撃だった。



前節で今シーズン初めてのリーグ戦連勝を果し、天皇杯を含めると3連勝と調子の出てきた横浜FCは反撃を開始し、徐々に前に進出。西田や安のシュートでリズムを掴もうとする。しかしこの時間帯に落とし穴があった。安に入った縦パスを奪われてカウンターで乾に切り込まれ、乾のパスをチアゴが巻くように放ったシュートは、一度はポストに弾かれるがそのボールは吉田に当たってオウンゴールとなりセレッソは追加点。横浜の形が悪いなりに出つつある中での痛恨の失点。



この追加点で横浜の集中力が切れてしまう。2点先行してややラインを下げて守備的になったセレッソに対し、横浜はカウンターを怖れて縦のボールを入れられない。また素早い攻守の切り替えで、横浜はボールを落ち着ける事が出来ず結果として、横パスに逃げるだけ。その上その横パスでさえも弱く、何度もパスカットを許し、この日のスタンドの閑散ぶりにあわせたのか、それとも木枯らしが吹くこの日の寒さに合わせたのかチーム全体が硬直し、「サッカーはこんなスピード感がないスポーツなのだろうか」と思わせられる様なレベルの低さ。



後半になってセレッソがペースを前半より落とし、香川を前線に入れる形でカウンター色を強めた為に、横浜はボールを持たせてもらえた。そこで初めて横浜はチャンスらしいチャンスを作る事が出来た。
だが選手の殆どがミスをするのはともかく、ミスを取り返す事を怠り、カウンターを浴び続け、結果として後半も何も変えられなかった。

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2009年10月19日

2009年J2第45節 横浜FC-ファジアーノ岡山 「この位」

将棋には「位を取る」という言葉がある。9×9の盤面で戦う将棋において、5段目まで歩を延ばせる事は相手を窮屈な状況に追い込め、一般的に位を取った方が有利な状況に立ち易い。相手の機先を制すこの位を取れた事が横浜は大きかった。

大きく敵陣まで伸ばした「歩」。ゴールライン近くで三浦淳からのスローインをダイレクトで折り返した八角。相手ゴールに背を向けながらボールをキープした難波が、トラップしながら身体を入れ替え、前を向いて左足でシュートを放つ。これまで何度も簡単なゴールチャンスを外し続けてきた難波の汚名返上となるゴールが突き刺さった。前半12分。



岡山は以前横浜と対戦した時と布陣が変わり、喜山がサイドではなく中央に入る形、前線の三木に当てて喜山がやや下がった位置で展開していた。しかし、展開された後のサイドの選手が横浜のプレッシャーを受けてボールを失い、ゲームメイクが出来ない。

それは横浜も同じで、ボールを奪うまでは良いがその後の攻守の切り替えが遅く、カウンターになるシーンでも持ち上がらず横パスでチャンスを潰し続けた。ボールをキープしてタメを作る事と、攻守の切り替えが遅いのは全く違う。横浜の最大の弱点はこの部分にある。



それでも前半は、八角、鄭の献身的または迫力ある守備で位を取って相手を牽制していたが八角が負傷で29分に退くと、そのバランスが崩れ徐々に相手にボールを支配されていった。西田の入った右サイドは押し込まれクロスを許すシーンが増えていった。位を失った横浜は攻撃の糸口もつかめないまま、耐えるしかなかった。

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2009年10月05日

2009年J2第43節 横浜FC-ザスパ草津 「ク○ッ」

突然ですが、問題です。次の○に当てはまる言葉を下からそれぞれ選び、横浜FC-草津戦に適した単語にして解説せよ。

ク○ッ

1.サ 2.シ 3.ス 4.セ 5.ソ


A.クスッ
天使が微笑んだゴール
これまでの試合と異なって、横浜は前線からのチェックを行いつつも形としてはショートカウンターが主体。ボールをディフェンスラインで奪って、早川のロングフィードで前線にロングボールで当てて攻撃のリズムを作った。樋口監督が本当にしたいサッカーなのかはわからないが、このやり方を良しとするのであれば樋口監督でなくても監督候補者はいると思う。
このカウンターサッカーの前に草津も苦戦。FW都倉は中盤でボールを捌くが、サイドに展開して廣山がクロスを上げても中々ヒットせず得点の臭いもしない。



そんな中、前半40分片山のFKに反応してゴールを決めたのがエデル。GKにまで届きそうなボールを草津・松下がそれを見送ったが、それを見透かした様に裏のスペースから飛び出して、左足を突き出してボールの向きを変えてゴールに流し込み先制。草津はエデルに対してのスカウティングをしなかったのか、彼に多くのスペースを与え前半から翻弄されていた。その象徴的なシーンがあのゴールだった。



A.クセッ
後半、草津が積極的に動き出す。これが本来の草津の攻撃。松下はチーム事情でCBに下がったが、櫻田のボールに絡む動きが素晴らしい。サイドが押し込まれ始めた。右サイドは後半半ばからポジションチェンジした廣山が良い様にクロスを上げる。それでも横浜の守備陣は耐えていたが、ロングボールに早川と競った都倉がまるでバナナの皮を踏んだように仰向けに転がってPKを獲得。この演技には草津サポーター以外皆白けた。まさに嘘クサかった。



A.クサッ
そこからはずっと追いついた草津の時間帯。横浜は特に前線の運動量が激減。草津のスピードダウンした選手を挟み込めずに守備が緩くなる。復帰したばかりの熊林の調子は良くはなかったが、秋葉をDFに入れて松下が前に出てくると勢いが加速。横浜はエデルに代えて西田を入れたがこれが誤算。前線の運動量がない事に拍車をかける結果となった。嫌な香りが漂い始める。
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2009年09月28日

2009年J2第42節 横浜FC-カターレ富山 「その背中に翼を」

「君にしかない その翼広げて その瞳に映る 奇跡を抱きしめて」

試合前に流れた絢香の「夢を味方に」。前半32分。田中の頭を越えそうなクロスに、八角が相手DFの体を上手く使ってヘディングで合わせて先制したシーン。彼の背中には翼が見えた。しかし、宙を舞ったその翼も数分後には幻となり、そして見えなくなった。



この日、前節の熊本戦でロスタイムにゴールを決めた西田がFWとして起用され、安と2トップを組む。この役割が非常に曖昧で、安が池元の様な、西田が安の様な役割を求められた事で前線でボールが収まらず、囲まれて奪われては、裏のスペースにショートカウンターを受け続ける。富山・楚輪監督は何度も大きくというジェスチャーを繰り返していた。



樋口監督のサッカーは「攻守にイニシアチブを取る」事がコンセプトとして掲げられているが、攻撃は単純にFWに速い縦パスを入れて押し上げていくサッカーでしかないから、そのFWがボールをキープできないと停滞する。安の加入でそれが払拭されたが、そうなってしまうのは個人頼みのサッカー、あるいは組織化されていないサッカーである。



同点で迎えた後半15分富山の鳥、雷鳥が羽を広げる。左の西野からのクロスへの対応を八田が足を滑らせて誤る。しかし、問題はその後で富山・長谷川はボールを足元でキープせず、頭で軽く裏に流し込んだ。そこにスペースという穴を見つけて飛び込んでいた木本が電光石火とばかりに鋭いシュートを横浜ゴールに突き刺した。

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2009年09月21日

2009年J2第40節 横浜FC-東京ヴェルディ 「白い目」

「東京ヴェルディがJ退会も」というセンセーショナルな記事が踊った1週間だった。経営をしている日テレが撤退する事になり、来年度からはユース出身の人間が代表を務める団体がチームの運営に携わる事になった。こうなってしまったのはいくつか理由があると思うが、読売の名前を入れたいとせがんだり、川崎から東京に本拠地を移してみたりと、地元とか地域密着という感覚には程遠いクラブという印象がある。近年こそ多摩地区、世田谷周辺の活動は増えたがまだそのイメージを払拭できていない。
Jリーグに36チームが加盟し「地域密着」という言葉の意味も徐々に浸透し始めてきた中、東京ヴェルディの親会社からの巨額の赤字補填などを聞くと東京ヴェルディを白い目で見てしまう。



その東京ヴェルディサポーターから白い目で見られたのは池元だった。後半1分、左サイドからのクロスに体勢を崩しながらも放ったシュートは大きくバウンドしポストに当たってゴールに吸い込まれた。緊迫していたゲームが動き出す。



前半横浜は東京Vに振り回されていた。サイドの河野、レアンドロの突破からサイドチェンジで揺さぶりを受け、平本が落として柴崎が絡んでいく。東京Vの選手は個人の能力が高い選手が多く、横浜が意図してボールを奪うラインがどうしても下げさせられる。横浜は過去東京V飯尾の飛び出しに何度も苦杯を味わっている。それでも前半1分のピンチをGK大久保が弾いて阻止すると、その後レアンドロのシュートも、そのCKからの混戦も何とかクリアする。



横浜はカウンターに近い形でボールを得るが、ボールこそ回るが効果的な突破は少ない。小野、安が効果的な形でボールを持っても、周りの選手が連動して崩す動きにならない。横浜の選手全般的に言えるのは、次のプレーを予測して動いている選手が少ないから、攻守の切り替え、スピードアップのメリハリがチーム全体で出来ていない。



J2の底辺をさまよう横浜FCで選手に対する評価が下がるのは自然なことで、池元においては昨年の活躍からの反動だろう、大きく評価を下げている。突破しても次のプレーに迷いがあり、ドリブルでサイドをグルグル回るだけ、シュートも枠にいかない。その池元が後半開始早々迷う事なく、倒れこみながら放ったシュートが東京Vゴールに吸い込まれる。約3ヶ月ぶりのゴールだった。俺を忘れるなと胸を叩いてゴール裏に飛び込んだ。

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2009年09月14日

2009年J2第39節 湘南ベルマーレ-横浜FC 「青海波」

「J1を目指せるチームに行きたい」そういう趣旨の発言をして臼井が横浜FCを退団してもう5年にもなる。臼井はその後山形に移籍。ところが彼のその当初の思いとは裏腹に、彼が移籍をした後、そのチームはJ1昇格を果している。横浜も山形も。何と言う皮肉いや巡り合わせだろう。そして、昨年古巣湘南に復帰。昨年も湘南は昇格できなかった。

その悪いジンクスを打ち破る時がそろそろやってきそうだ。湘南はここまで首位ベガルタ仙台との勝ち点差が3。残り13試合では追いつくどころか逆転も十二分に可能。相手がブービーの横浜と来れば意気軒昂するのは止む無しといったところだろう。



ところが、蓋を開けてみると湘南は前半からまるでボールが繋がらない。湘南・反町監督は「しっかりと2列つくって、自陣にリトリートして包囲網をつくってくると、(中略)これはなかなか点が取れないですよ。」と言っていたが、そうではなく単純に湘南の攻撃のスピードアップの連携が取れていなかったから、いつまでも後ろでボールを回すしかなかった。田村がボールを受けた時に誰も動き出さない。だから彼は戻すしかない。その田村から散らしたボールに横浜がプレッシャーを掛けて食いつこうとするので湘南のミスが増えていた。攻守の切り替えが遅く、4-3-3の1ボランチから出たボールを狙っているのだから、攻め手としてはそれを少ないパスと運動量で潜り抜ける必要があった。



そして、その象徴がキャプテンの臼井だった。右サイドで何度か突破はあったが、臼井への緩いパスを片山に強奪され、PAまで侵入したプレー以降積極性を欠き、思い切った攻撃参加は影を潜めた。湘南の大波を横浜のブロックがまさに消波していた。



横浜は前半の難波のGKとの1対1のチャンスは野澤が止め、CKからフリーだった八角のヘディングも枠を捉えられず得点を奪えない。ボールと人も上手く回り湘南ゴールに迫っている。ため息を漏らすのは湘南サポーターばかり。ゴールネットを揺らすという部分以外、まさしく順調に事が運んでいた。

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2009年09月11日

2009年J2第33節(再試合) 栃木SC-横浜FC 「真夏の夜の夢」

試合終了を告げるホイッスルが鳴った時、その場で崩れたのは横浜のサポーターだけではなかった。ゴールをした河原、栃木にとっても20試合ぶり、5ヶ月ぶりのホームでの勝利はそれだけ心に来るものがあったに違いない。



しかし、序盤ゲームを支配したのは横浜だった。今期初出場初先発のエデルが右サイドでテンポ良くボールをキープして栃木の守備を乱す。しかし、これが徐々に押し返されていく。理由の一つは徹底した栃木のロングボールへの対応。樋口監督は「栃木に終始、イニシアチブを握られてしまいました」と語ったが、その通り長いボールに対して対応が甘く前半栃木・向、崔にチャンスを作られてしまった。
それでも、米山、赤井と言った選手の放り込みを焦れずに淡々と跳ね返せばよかったが、攻撃で前を向けない時間が多くなってくるとどうしても下がって対処を始めるという春の頃に見た試合の再現を始めた。



では、攻撃ではなぜ前に行けないのか。それは横浜の左サイドに原因があった。三浦淳にスピードがなく、ボールを持っても攻撃のスピードアップが出来ないままだった。右サイドはエデル・西田が踏ん張っていたが、三浦淳は一人ゲームに参加していなかった。ターゲットを探しているうちに栃木の選手は皆戻り、パスコースを塞がれる。

もう一つは根占と三浦淳の関係の問題もあって、呼吸が合っていなかった。サイドはセンターによって、センターはサイドによって引き出されあうと思っているが、行ったきりの関係になっていた気がする。



前半中ごろからバックラインの低い位置でボールを回さざるを得なくなり、攻め手に窮しているのがはっきりとわかった。逆に栃木はその隙を見逃さずプレッシャーを掛けてボールを奪いに来る。最終ラインで何とか跳ね返しているが、前に行けないからどうしてもプレッシャーが厳しい。

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2009年09月07日

2009年J2第38節 横浜FC-水戸ホーリーホック 「青き未来」

水戸学という言葉を知っているだろうか。徳川斉昭が水戸城内に作らせた「弘道館」から広がったこの学問は江戸時代末期の思想体系に大きな影響を与える事になった。
攘夷論は、夷つまり外国人を追い払うという考え方で、それまでの続いてきた鎖国主義を守ろうという思想が根本にある。そこにナショナリズムである尊皇論と結びついて尊皇攘夷論となるが、外国の力の前に現実を知り、やがて開国に向かっていく。水戸学と言えば、攘夷のその真っ只中と言ってもよかった。

これはまるで水戸のサッカーの変遷も同じで、水戸は3年近く前までは徹底的なカウンターサッカーを貫いていた。堅守速攻、守りを固めて奪ったら素早くゴール前に放り込む。しかし木山監督が来てから変わった。しっかりとボールを繋ぎポゼッションを求める方向に転換。カウンターサッカーの限界を知り、自分達の力を高めて相手と戦おうという方向に舵を切った。ここ数年こそその基礎を築くまで苦労したが、今年報われつつある。



後半ロスタイム。横浜のCKのこぼれ球を荒田にドリブルで持ちこまれ、鈴木の左からのクロスをその荒田が押し込んだ。「散切り頭を叩いてみれば、文明開化の音がする」散切り頭の荒田がゴール裏に飛び込むシーンを見ながら、そんな言葉が脳裏をよぎった。横浜がアクションサッカーを始めたと言ってもまだ1年目、もうこのやり方で3年近くやっている水戸とでは精度に雲泥の差がある。水戸がとうとうJ1に開花するのだろうか。



それでもゲームの流れは横浜にあった。前半最初の決定機は池元。右サイドで、パスでもよかったが左足で放ったシュートはポストを叩いた。それにしてもこれがケチの付け始めだったのか、この後何度も訪れるチャンスを池元は悉く外した。前半23分の安のスルーパスからGKとの1対1も、左サイドで相手を交わした29分のシュートもゴールの枠にすら飛ばなくなった。



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posted by おかき at 08:49| Comment(2) | TrackBack(1) | 横浜FC2009観戦記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする