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2010年11月30日

2010年J2第37節 横浜FC-ザスパ草津 「このチカラ」

後半43分草津・田中が右サイドを駆け上がりペナルティエリア近くまで侵入する。それに対応する渡邉だったが、足を滑らせて内側を空けてしまう。その一瞬の隙を見逃さず田中はシュートを放ち、角度の付いたボールがゴールに向かって飛んでいく。横浜GK関はキャッチしようとしたがそれをこぼし、そこに詰めていた草津・高田がそのボールをゴールに流し込んだ。呆然と立ち尽くす横浜の選手達。
その後、早川が前線に上がりっきりになりロングボールを放り込むが、草津に跳ね返されそれまでの88分間と同じく得点機を作る事もままならないまま2010年三ツ沢で聞く最後の笛を聞く事になった。

2010年最後のホームゲームと意気込んだ横浜FCだったが、試合が始まってみるとゲームを作る事も殆ど出来ない状態。昇格枠が全て決まり、レンタル移籍の選手を多く抱える横浜にとっては自身の去就が事あるごとに頭をよぎっているのだろうか。そんな迷いはそのままピッチで現れる。



前半からチーム全体の動きは重く、9月10月に見せた躍動感はどこにもない。フィールドプレーヤーで唯一戦力外通告を受けた早川だけが、獅子奮迅の動きで草津の攻撃を寸でのところで身体を入れてゴールを許さない。余計な思いを振り切った者が一番強い。



それは草津・高田も同じ。チームを離れる事になっても、最後の最後までボールを追う姿。状況こそ違えど、いつか横浜で見た城の姿をだぶらせていた。2006年の城が31歳、2010年の高田も31歳。一種の清々しさを感じた。



横浜はシュートこそ放つが、「打たされている」という説明がピッタリで、枠を捉えるすら出来ないまま、徒労感だけが圧し掛かっていく。

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2010年11月25日

2010年J2第36節 柏レイソル-横浜FC 「Knockin' on the door」

目の前で柏が優勝の喜びを見るのが嫌だったというよりも早く柏を出ないと帰宅できないので、笛が鳴り一通りの挨拶が終わるとスタジアムを後にした。岸野監督は「今日も横浜FCのサポーターの方はドンチャン騒ぎしているのは基本的に見たくないわけじゃないですか」と話したが、そうではなく基本的に横浜の敗戦を
見たくないだけである。それどころか、この日の試合内容ならばドンチャン騒ぎされても仕方ない完敗であり、横浜からはぐうの音も出てこないのが実情だろう。

試合が始まってから繰り広げられるのは、自陣低い位置でボールを奪われて柏のチャンスを横浜が作り続ける光景。ホベルトとカイオがスタメンに戻り、現状ほぼ出来る中でのスタメンになったが、中盤は全く安定しなかった。これまでのチームはボールキープに優れるホベルトにマークを仕掛けてくるシーンが多かった
が、柏はそれらのチームとは異なった。ボールの位置によるが、ホベルトがボールを持っても強いプレッシャーはかけず横パスを促すように牽制し、その代わりその先の選手のミスを誘った。その犠牲者になったのは八角。彼から積極的なパスが出ずチームとしてはビルドアップが難しくなってしまった。



さぁこれからと切り替わろうとするタイミングでボールを奪われてはシュートをを許す苦しい展開。安定した形でボールを押し上げられず柏のプレスに怯えながらの攻撃では手詰まり状態になり、ノッキングを起こしてしまっていた。幾度となく浴び続ける柏の攻勢。その度に凌ぎ続ける横浜だったが、前半19分右サイドで柏・北嶋にボールをキープされ、飛び出してきた蔵川を捕まえきれずフリーでシュートを許し、サイドネットでゴールを割られてしまう。



これで優勝を狙う柏が一気呵成に攻め込んでくるかと思えば、カウンターを狙って落ち着いた守備に転換。優勝が決まる試合というのに、バックスタンドは柏にしては珍しくガラガラの状況で、カウンター狙いの消極的なサッカーを戒める空気はそこには感じられなかった。横浜はボールを繋いで攻撃が可能になる。しかし昇格の目が消えたチームは攻める大義名分を失い、「根性」などまるで感じられない低いレベルでのゲームを繰り広げる。

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2010年11月21日

2010年J2第35節 横浜FC-コンサドーレ札幌 「サヨナラの時」

前節徳島に敗れ、昇格への情熱が限りなく小さくなったことを空は察したのだろうか、振り返って見ると今週は急に寒くなった。その寒波に影響されてだろうか、カイオが体調を崩してベンチからも離脱。(本人曰く「腹の調子が良くない」との事。最近流行りのウィルス性胃腸炎でなければよいが。)横浜の試合に先立って行われた福岡と東京Vの試合は福岡が勝ち、東京Vの昇格は消え福岡は昇格レースで優位に立ち、横浜をより追い詰めていく。



試合開始から横浜は動きが鈍い。やはり10月であることを忘れてしまう熱さはそこにはなかった。カイオ、ホベルトの欠場を加味しても、プレー一つ一つに昇格したいという切迫感はなかった。ガラガラのスタンドに押し込んだ招待客のゲームとは関係ない歓声が、ゲームへの集中力を削いでいく。サポーターの思いと、ピッチの間には冷たいすきま風が吹いていた。
前半も半ばになると札幌の攻撃に押され始める横浜。満身創痍でベンチにも7人揃わない札幌だったが、前線の三上、高木という若い選手が横浜の守備陣を翻弄してチャンスを作る。横浜は渡邉が声を荒げるが、締まらない。



横浜も同様に奮闘していたのは阿部、久富の未成年の二人。どちらもアグレッシブなドリブルでチャンスを作る。阿部が前線まで抜け出して、アーリー気味のクロスが中の西田が潰れ、大外から飛び出してきた久富が果敢にシュートを放つが札幌GK高原がスーパーセーブでクリアする。この前半16分のシーンだけが横浜の前半唯一のチャンスと言ってもよかった。

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2010年11月08日

2010年J2第33節 横浜FC-水戸ホーリーホック 「プレッシャー」

この試合を前に柏がJ1昇格を決めた。今シーズンは圧倒的な強さだった。8月まで負けることなく戦い、ここまで2敗。そのどちらも最小失点での敗戦。一つだけ異次元のチームがあった様に感じる。その位チームとしての力は図抜けていた。7月の三ツ沢での激闘の思い出と昇格を知らせた携帯電話を握り締めながらこの日も三ツ沢に向かう。

この日の横浜は、柏の昇格決定の影響なのか、はたまた前日福岡が敗れた影響なのか、プレーが冴えない。前半水戸の大橋を中心とした攻撃でシュートを何度も許す。福岡が敗れた事など瞬間瞬間のプレーには関係ないはずである。しかし人は福岡が敗れた→勝てば勝ち点が縮まる→勝たなくてはと連鎖する事でプレーが固くなってしまう。



眼の前の相手を叩く。これは簡単そうで実は一番難しい事だ。人の心は面白いもので、例え報道などの情報一切を遮断しても、チームとして合流した時に有形無形の情報=肌感覚で何が起きたのかを感知する。するとそれに対応しようとする。この日で言えば「福岡の敗戦」という事実は少なからず選手のプレーに影響を与えていたと考えて良いだろう。



ただゲームは徐々に横浜寄りになっていく。時間が経過してゲームに集中し始めたのと、水戸・大橋の上がった裏のスペースのプレッシャーは緩く、ある程度自由にボールを動かす事が出来ていた。特に左サイドでゲームを作る高地、阿部は何度も上がってチャンスを窺っていた。ただ、この日横浜に足りていなかったのは決定力。得点するしないの前に、ゴールの枠に飛んだシュートがそもそも少ない。

消化不良のまま前半終了。ボールは縦に入るし、一定時間キープも出来る。だが、ゴールが遠い。

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2010年10月24日

2010年J2第31節 横浜FC-ジェフユナイテッド市原千葉 「思い出作りには早すぎる」

今年初めて横浜は控えの選手が7人ではなく、6人しかいなかった。資金的な問題からアウェーでの試合で控えの選手を5人しか帯同させなかった例は他のチームでたまに見かけるか、ホームで7人でなかったというのは横浜では異例の事だ。この千葉戦はカイオが出場停止、柳沢、寺田、そして前節柳沢の負傷交代で出場した根占もケガ、その他にもCBの戸川、金もケガとスタメンクラス、控えクラスにまでケガ人続出しまともにベンチを満たすことが出来ない状態。

しかし、その切迫感からか横浜が前半からアップテンポなペースで千葉を押し込む。試合開始直後のCKから野崎の放ったシュートは、千葉GK岡本が間一髪で弾き出したが、これは横浜が上げた狼煙だった。千葉の守備陣はボールウォッチャーになる傾向があり、またカイオというボールを引き出す選手が不在もあったのだろう。長いボールでスペースを突く攻撃を選ぶ横浜。千葉の守備陣がそれに付き合ってくれたのが幸いした。ラインを積極的に上げずに対応するので、横浜は西田、難波でボールをキープ出来た。



そして阿部と深井のマッチアップで勝利出来た事は非常に大きかった。4-3-3の右サイドを担う俊足の深井とのかけっこで相手のスピードをストップさせて、そこからの侵入を殆ど許さなかった。岸野監督が試合後の会見で言っている様に、飛び込まず付いていってスピードダウンさせる事を繰り返して、深井の気持ちを切った。前半最初のマッチアップで阿部が勝った時に、深井が非常に嫌な表情をしたのが印象的で、これで前半横浜に流れを呼び込めた。

そして渡邉の奮闘も見逃してはならない。千葉ネットを相手にして前後半共に1対1を制した事で千葉のロングボールを殆どシャットアウト出来た。ネットの言葉にならない苛立ちは千葉のチーム全体の苛立ちに似ていた。前回対戦した時とはお互い全然違うチームになっていた。



前半43分ロングボールに追いついた難波がダイレクトで中にいた西田に折り返す。西田は相手選手のマークを振り切ってヘディングシュートでボールの方向を逸らした。厳しい角度だったが、ボールはゴールポストに弾かれてゴールに吸い込まれた。前半終了間際のフワフワした時間帯に願っても無い先制点を挙げた。
5月に3試合連続ゴールを決めて、一躍エースストライカーに名乗りを上げた西田だったが、相棒・大黒の離脱、自身のケガ、カイオの移籍と出場機会は春先に比べて激減。それでもカイオが不在のこの試合結果を残して存在感を示した。

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2010年10月19日

2010年J2第30節 サガン鳥栖-横浜FC 「諦めてゴメンね」

「諦めてゴメンね。信じてなくてゴメンね。」鳥栖・豊田が横浜・阿部のプレッシャーを振り切り、4-4の同点のゴールを叩き込んだ時、私のすぐ後ろにいた女性2人組の鳥栖サポはそう呟いた。「サポーターが先に諦めたらダメだよね。」淡々とした言葉が余計に胸に突き刺さる。たった45分前の自分達に対する戒めに聞こえてしまった。前半横浜は鳥栖の鋭い出足に圧倒され、前半34分からたった8分間で3点を許しゲームはほぼ決まったと横浜サポーターだけでなく、鳥栖サポーターも考えていた事だろう。



このゲームは、三ツ沢で行われたゲームとは少し様相が異なった。メインスタンドでは複雑な空気が支配する。眼の前に岸野監督が来ても鳥栖サポーターからブーイングは殆どなく、昨年まで本当に鳥栖の監督だったのだろうかと思えてしまう位だった。プロの世界に移籍は付き物。しかし、一年で選手・スタッフを合わせると10人近くが同じチームに移籍するというのは異例な事。表面上は平穏だが、必ず倒してやるという強い意気込みは前回の4-0という敗戦もあってそれを感じる。昨年まで鳥栖にいた柳沢、高地らの表情もそれを感じてかややこわばり、普段はアウェーでも横浜サポの声援があると挨拶をすぐに返す彼らも、この日はやや伏し目がちにやや急ぎ足で控え室に下がっていこうとする。

過去の事を敏感に感じていたのは横浜だったのではないか。試合開始から積極的にプレッシャーに来るホームの鳥栖。豊田、藤田、衛藤、山瀬という若い選手が、横浜のパスサッカーを分断にかかる。狙い目はホベルト、八角。このパスの出所を潰して、鳥栖は高い位置でボールを奪って速攻を仕掛ける。それでも試合開始直後は、横浜もその攻撃に耐えて武岡、カイオを起点にして鳥栖のゴールに迫っていた。
そのゲームの流れが変わったのは前半12分。横浜のCK。蹴るのは柳沢。2本続けてやや低い弾道で鳥栖DFがクリアして、再びCKというところで柳沢は右ふくらはぎを押さえている。肉離れだろう。これにより根占が急遽交代で登場するが、武岡とのコンビネーションが悪く守備でも挟み込めない、攻撃も前にいけないで横浜はゲームが作れない。
その右サイドからの失点は前半34分。藤田のFKに合わせたのは今節復帰したDF木谷。この失点が横浜を混乱させる。守備が後手後手に回りだす。そして豊田を倒してPKを与えるとこれを決められて2-0。その2分後には、早川がキックフェイントをしたが藤田はそれに引っかからずにボールを奪取し、GK関との1対1を制して前半だけで3-0とする。



中3日の疲れという声もあるだろうが、それ以上に横浜は精神的に萎縮してしまっていた。元鳥栖組にすれば昨年までのホームという違和感、延長まで戦って敗れた激闘に続くセットプレーからの失点、横浜の選手全員が浮き足立ちコントロール出来なくなっていた。横浜は選手もサポも抜け殻の様に放心状態のままハーフタイムに入っていく。私たちこそ過去に生きていたのかも知れない。



それでも冒頭の女性サポの一人は言う「まだ終わってなか。うちらそんな強くなかよ。」サッカージャージを着ていたからきっとサッカーを知っている方だろう。まだ続ける「(鳥栖は)もっと前にいかな。今日こそ勝ちたいから。」調べていくと鳥栖のホームゲームでの最後の勝利は6月の栃木戦にまで遡る必要がある。勝利を望む気持ちも強い筈だ。

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2010年10月14日

第90回天皇杯3回戦 川崎フロンターレ-横浜FC 「鬼門」

後半36分久木野のヘディングシュートがネットを揺らして横浜に先制点が入ると、波を打ったように静まり返る等々力陸上競技場。川崎サポーターの戸惑いと同じく、横浜サポーターもどう喜びを表現してよいのかわからないと思える位声を失った。



横浜は川崎に煮え湯を飲まされ続けてきた。もう何度も大量失点の敗戦を味わってきている。直近となる2007年のJ1での試合も春にはまだ遠い3月の夜J1で生き残るのは夢のまた夢という事を実感させられた6-0。そこに追いつく前は川崎がJ1昇格を決めた等々力の試合。この試合でも4-0と横浜は完敗を喫している。
横浜が最初で最後に川崎に勝利したのは、もう8年近くも昔の話。後半超低空のクロスを有馬が身体を投げ出してヘディングで決めて2-1で勝った試合。

もっと言うと横浜は等々力陸上競技場自体との相性も良くない。1999年横浜FC創設の初年度の天皇杯でヴェルディ川崎(当時)に延長Vゴールで敗れたのも、2000年JFLを無敗で独走優勝を飾った年の天皇杯で愛知学院大に敗れたのも、この等々力陸上競技場だった。単純にフロンターレがどうというよりも10回以上戦って1回しか勝てない、天皇杯に限って言えば2戦2敗というとんでもない鬼門である。

よくよく考えてみると川崎というのは、横浜の北東に隣接する鬼門である。この鬼門を封印すべく投入されたのが久木野だった。まさに毒をもって毒を制すを地でいく采配。右の柳沢のクロスにカイオが競って川崎DFをおびき出し、その後ろでフリーでヘディングした久木野の美しいゴールが決まる。川崎からの助っ人が、等々力陸上競技場の邪気を振り払っていく。今にも雨が降りそうな雲の下、一番輝いていた。



ところが、その流れが変わるのが後半43分。自陣ペナルティエリアで倒れるホベルト、そして川崎のCK。このタイミングで横浜・岸野監督は当初13番野崎の交代を要求し、彼も一度ピッチを離れようとしたが、ホベルトがピッチの外に出るのを見て慌ててホベルトの交代を要求しようとしたが準備が出来ず、結果一人少ない状況で再開。そしてそのCKをジュニーニョに決められて同点にされてしまい、ホーム川崎が息を吹き返す事になってしまった。

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2010年10月04日

2010年J2第29節 横浜FC-ヴァンフォーレ甲府 「口を真一文字に結んで」

12-2。完敗である。シュートはほぼ一方的に打ち込まれ、横浜にチャンスらしいチャンスは殆ど無かった。唯一後半25分に寺田がシュートを放った時に、一瞬「おお」とスタンドが沸いた程度だった。

横浜が押し込まれていたのは、甲府の3トップのパウリーニョ、ハーフナー、マラニョンと藤田の連動性が素晴らしかったからだ。前線で落としたボールを藤田がサイドに捌き、両サイドのマラニョン、パウリーニョがゴリゴリとプレッシャーをかけてアタックしてくる。横浜にとって難しい試合展開は想定できる範囲ではあったが、前半から甲府が前を向いてプレーする度に変な緊張感が背中を通り抜ける。



ただその緊張感が杞憂に終わった理由は、横浜の渡邉の踏ん張り。彼が中央で張るハーフナーを前に向かせず、粘り強く対応したからこそだ。そのお陰で甲府は中央でボールを持つことが出来ず、サイドからの圧力もやや弱くなった。
もう一つは、徹底した藤田へのマーク。ゲームがなぜか違う方向で熱を持ってしまった原因の一つでもあるのが、この横浜の厳しいプレッシャーだった。パスの供給源を抑えにかかった横浜は藤田を自由にさせなかった。



横浜は序盤からボールキープに苦労する。前線でカイオにボールが収まらない。全体の押し上げも難しく、カイオが潰されてボールを奪われて守備に追われる時間が続いた。エデルもドリブルで深くまで侵入は出来るがPA近くになると甲府ダニエルにその軽いドリブルを窘められるかの様な守備でチャンスを作れない。

総じて甲府の時間帯が長く、横浜は耐える時間帯が続いた前半だった。言葉を発すると何かが零れてしまうのではないか。そんな気持ちだった。「能あるものは、そっと黙っていよ。そっとしておいてもおのずから現れてくる」というゲーテの言葉を噛み締めながら後半を待つ。
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2010年09月27日

2010年J2第28節 横浜FC-カターレ富山 「閉ざされかけた門」

9月19日の試合で福岡に破れ絶望的な状況になった横浜だったが、前節は熊本をアウェーながら破り、数字上の可能性がなくなるまで戦う事を高らかに宣言した。しかし、この日の横浜は立ち上がりに武岡がカイオとのワンツーで抜け出して放ったシュートが大きく枠を外れると、徐々にリズムを崩してしまう。武岡にヒヤリとさせられた事で、ここ10試合で9試合も2失点している富山守備陣は一旦高いラインを敷こうとするが、押し込まれるとそれを維持出来ずやや下がり目にラインを敷く事を強いられる。

そのため、フィールド中盤でカイオ、難波がボールを収める事が出来、サイドへのアタックは容易だったが、特にエデルはボールを持ちすぎたことで富山守備陣が戻ってしまい、自分達でゲームを難しくしてしまった。中央からサイドにかけてボールは支配出来ているのに、それ以上相手を脅かすことが出来なくなっていた。目の前に聳える門は閉まり始めていた。



その嫌な空気を振り払ったのはカイオ。前半28分、中盤でボールを持つとマークが甘いと見るや左足一閃。美しい弧を描いたボールは富山GK橋田の手の上を越えてゴールネットを揺らす。何度叩いても開くことの無かった門は、こじ開けなくても乗り越えればいい。そう言っている様だった。
これで出来た富山守備陣の綻びは大きく、ここから前半は富山の選手の距離感が曖昧なまま進行する。それに追い討ちをかけたのは難波のゴール。八角のクロスの落下点でGKが出てきたのを見て、フェイント1つで交わして無人のゴールに。



富山は春先に見られたカウンターサッカーから、ショートパスで崩すサッカーに脱却を図っている。中盤では朝日や長山がボールを捌いて、前線に行こうとするがどうしてもサイドの押し上げが遅く、ホベルトにボールを奪取されてしまいゲームを組み立てられない。前半はシュートがゼロ。横浜としては一方的にゲームを支配している気持ちを抱えながらの戦いだったが、得点が取れた事で焦りを払拭でき、それを自信に変えた。

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2010年09月20日

2010年J2第26節 横浜FC-アビスパ福岡 「アビハチ取らず」

この試合の前日に行われた東京V-栃木はスコアレスドローに終わり、両者が勝ち点1を伸ばした。同じ勝ち点33で8位だった横浜は順位を下げないためには勝つしかない。その対戦相手は3位になった福岡。千葉との直接対決を制して意気揚々と乗り込んでくる。この福岡戦は勝ち点を縮める大きなチャンス。千葉の試合結果によっては、昇格までの勝ち点差を10から7に出来る。残り13試合近くになったJ2。逆転に3試合なのか4試合なのかでは大きく違う。上位のチームが10試合で4敗する可能性など殆どない。それでいて横浜は全勝が前提なのだから、この口で言うほど簡単なものではない。勝って8位を奪回しつつ、上位との勝ち点差を着実に縮める。下位にいるチームはそうやってプレッシャーを掛け続けるしかない。



ところが、このゲームの重みを知って緊張したのか、知らずに緩んだのか横浜は試合開始からプレーが雑だった。前節ではすぐ上の順位にいた東京ヴェルディとの熱闘を制し、やっと昇格への関門を開こうとしたばかりなのに、何を彼らは舞い上がったのかミスに次ぐミスで相手にボールを渡し、主導権を握られる。

その転機がやってきたはずだった。前半27分。苦しい時間帯を耐え続けて手に入れた先制点。ピリッとしていなかった高地がピリッとした。スローインからボールを受けると、三度キックフェイントを入れて福岡DFの体勢を崩して放ったミドルシュートは豪快に枠を捉えた。上位の福岡相手から奪った先制点。これで一気に畳み掛けるはずが、これでもチームのバランスは向上せず。



逆に前に行きたい攻撃陣と、一旦落ち着かせたい守備陣でボールが回らない。岸野監督が柳沢に指示をして力ずくで高めのポジションを取らせてボールを動かすのが精一杯。
逆に高くとって一度はボールが動くが、そこから包まれて逆襲されて上がったスペースを衝かれてピンチを迎える。だから、守備陣も動きにくくなる。しかし、本来ならそれでも上がらなければならなかった。岸野監督が試合後言う様に福岡は「受けると前に出てくる」チーム。横浜はそもそも下位のチーム。失うものなど何もなかったはず。高地の得点は、良くも悪くも昇格争いに足を踏み入れた事を選手が認識してしまった。

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