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2010年09月14日

2010年J2第25節 横浜FC-東京ヴェルディ 「万が一の時」

後半16分ボールをキャッチして地面に落ちたGKシュナイダーがボールを放り投げてうずくまる。ヴェルディサポーターのブーイングの中で出る「×」のサイン。前半に東京V・高橋に腕を蹴られた後もプレーを続けていたが、ハイボールを処理した際に再びその左腕を負傷。
前半一度準備しかけた関が、今度は本当に呼ばれた。年に何度もない守護神の負傷交代。幸運な事に選手の交代枠は使い果たしていなかった。いざと言う時の為に何試合もセカンドで準備してきた関。しかし、これがリーグ初出場となる関。サポーターにも緊張が走るが、彼を支えてやれるのは精一杯の声援だけ。



奇しくもこの日は「ほけんの窓口・みんなの保険プラザ・ほけんの専門店 Special Match」と冠の付いた試合。保険が力を発揮する万が一の場合を、目にする事になる。

ただ試合の流れは徐々にヴェルディに傾きつつあった。前半からやや低めから裏に飛び出す井上目掛けてロングボールを放り込むヴェルディの戦術に引っ張られて走らされており、横浜のディフェンス陣は後半運動量が落ちて後手を踏む様になる。3点のリードこそあるが、岸野監督はテクニカルエリア一杯に出て「ラインを上げろ」という指示を何度も送るがそれを遂行出来ずに押し込まれ続ける。関も強烈なシュートを防いで守護神不在を埋めようと懸命に頑張るが、後半31分高木善にFKを直接ねじ込まれて失点。



そして、後半45分には東京V・高木俊へのマークが甘くなったところを突かれ、ミドルシュートで失点し1点差。最後はエデルを投入して、相手のバックラインにプレッシャーをかけ、奪ったボールは時間稼ぎをして時間を浪費させて執念で勝利をもぎ取った。前半の2点でも足らず、後半直後の寺田の挙げた3点目のゴールが結果的に保険となった。勝利してもすっきりしない関の表情がこの試合の内容を物語っていた。

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2010年08月23日

2010年J2第23節 横浜FC-愛媛FC 「冷凍みかん」

真夏の風物詩と言えば何?スイカ?カキ氷?アイスクリーム?いやいや、冷凍みかんでしょう。あの実のシャキシャキ感は感動ものです。発明した人偉い。プールに行った後に、母親にせがんで良く買ってもらいました。

そんな思い出を振り返りながら、三ツ沢の丘にたどり着く。対戦相手はその蜜柑の産地・愛媛。真夏に蜜柑とは。「千両蜜柑」の様に千両を積んでも蜜柑=勝ち点3は頂かなければならない。



ところがこの日の横浜は連勝している余裕からなのか、下の順位の相手を見下しているのか、イマイチ動きがピリッとしない。前半から高い位置からのプレッシャーで愛媛を押し込む事は出来るが、その守備を引き剥がす事は出来ない。愛媛の守備はまるで冷凍みかんの様に固く取り付くしまもない。
愛媛はしっかりと守備を固めて横浜の侵入を拒み続ける。サイドの武岡、高地にはピッタリとマークが付いて自由を許さない。カイオは低い位置でボールを捌き始めるが、それでチームとして意図してボールを引き出せている訳ではなさそうだ。



ボールをかなりの時間支配していたが、時折犯すミスで危険なシーンを許し、横浜はリズムを悪くする。試合総じての流れはそれだけだった。誰が悪いというよりも、皆悪くはない。だから選手の交代も渋る事になる。交代枠を使い切る事が全力を出し切る事ではないし、全力を出し切るのは手段であって目標ではない。岸野監督のバランス感覚はそれで良しという事だったのだろうが、結果からするともっとやり方はあったと感じる。

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2010年08月08日

2010年J2第21節 横浜FC-ファジアーノ岡山 「この試合のキジは。。。」

後半20分だった。岡山のディフェンスラインの足が一瞬だけ止まり、中央でボールを持つカイオへのマークにズレが生まれた。その僅かな隙を見逃さず、ディフェンスラインの裏に飛び出した高地にパス。彼は左足でボールを受けるとほんの少しだけフェイントを入れてGKの足を止めてタイミングを外し、鋭いシュートをゴールに突き刺した。



その先制点が訪れるまで両チームはミスで時間を浪費し続けていた。横浜はカイオがボールのキープは出来るがブロックを作ってガッチリと守りを固める岡山のディフェンスラインを崩すまでには至らず、ミスで攻撃を終えていた。前線への縦パスはそこそこ通るが、カイオと他の選手との呼吸があっていない。この試合の布陣で言えば、難波をもっと前に置いてカイオと寺田が変則的に構える形の方が効果はあったのかも知れない。

得てしてこういうゲームは翌日の新聞記事でも「横浜と岡山は0-0で引き分けた。」の一行で終わってしまう事が多い。ましてやこの日、J1では鹿島と清水で首位決戦があり、J2の10位と16位の戦いなど「物凄い記録」か珍プレーでもない限り日の目を見ることはない。



記録といえば、前節平日ナイターの物凄い動員を記録した岡山。ここ3戦負け無しと調子はやや上向きつつあったが筈だが、この日の岡山のプレーは横浜以上に重症で横浜の前からのプレッシャーに屈し、前線にボールが渡る回数も少ない。時折、喜山のサイドチェンジからクロスが入るが決定的なシーンは見られなかった。ホベルトでストップさせられてしまう事も多く、それを避ける為にやや挑戦的なパスを選びそれが結果ミスとなり横浜の高い位置からの攻撃を許す事につながっていた。三木は前を向いた時チャンスはあったが、横浜の守備陣を上手く振り切れなかった。

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2010年07月18日

2010年J2第18節 横浜FC-柏レイソル 「過ぎたるもの」

遠い昔の戦国の世に、こんな歌があった。

「治部少に 過ぎたるものが二つあり 島の左近と 佐和山の城」

治部少とは石田三成の事。これは、文官だった石田三成に猛将で名を轟かせた島左近が仕えているという事と、天守閣まで設けた堅固な城郭である佐和山城が彼の居城だった事を揶揄して歌われた歌だった。それと同じで、横浜にも昔こういう歌があった。

「横浜に 過ぎたるものが二つあり 菅野の壁と 三ツ沢の丘」

昇格争いに絡めず下位を彷徨っている横浜なのに球技専用競技場がある事は、陸上競技場がホームスタジアムとなっている他のチームのサポーターからは羨望の眼差しを受けたものだった。
そして、もう一つはGK菅野。抜群の反射神経でゴールマウスを守り、横浜FC入団初年度からレギュラーを獲得した。そして彼と横浜は一緒にJ1への階段を登った。しかし、昇格したその年、横浜は力なくJ2へと降格。それは「J1でやりたい」という菅野との別離を意味した。
その菅野が今度は敵として戻ってくる。柏はここまで無敗を続けるJ2首位のチーム。まるで4年前、菅野と共に作った無失点記録を思い出させる様なチームの好調さ。しかし、その記憶と共に彼を追い越さなければ横浜には勝利も、昇格もない。



その横浜。今年の「過ぎたるもの」だった大黒が中断期間中にFC東京に移籍し攻撃の大黒柱を失っただけでなく、そのFW強化の為に加入したカイオは選手登録が済まず欠場。西田の相棒には寺田を持ってきたが、やはり迫力がダウンした感じは否めない。

前半から横浜が前線でボールを収められないと、柏がポゼッションを高めボールを動かしてチャンスを作ろうとする。大谷、アルセウからレアンドロと回し前線に走りこむ若い田中、工藤らにつなげようとする。そして狙われ続けたのが左サイドバック。高地、寺田の守備が曖昧だった事に加え、左SBは新加入の阿部で、U-19代表ではあったが、飛び出すタイミングなどが若く、振り切られる事もあった。それでもCBが懸命に戻って対応して難を逃れる。それどころか、阿部は戻って来ない先輩MFに声を上げるたくましさがあった。



徐々に横浜が左サイドで対面したレアンドロ、澤、小林らを一定程度押さえこめる様になると試合は膠着状態に。横浜も寺田、武岡中心に攻め込むが、大黒がいた場所にチャンスメーカーの寺田が入った事で、崩すゾーンがやや前方になってしまい柏の守備陣に抑えられてしまった。このまま前半は0-0かと思われた前半ロスタイムに試合は動き出す。柏・小林のスローインを受け取ったレアンドロから柔らかいパスが横浜の守備陣の裏に出る。「やられた」というよりも虚を突かれたパスに横浜は対応できず、そこに走りこんだ柏・工藤が足を合わせて柏が先制。



それでもまだ前半は終わらない。この直後の横浜の攻撃。右サイドの武岡のクロスに西田が合わせるが、菅野がこれを飛び出して阻み、チャンスは潰えたかに見えたが、そこにオーバーラップしていた阿部が菅野の逆をつくシュートを決めて試合は振り出しに戻す。

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ラベル:横浜FC
posted by おかき at 11:23| Comment(0) | TrackBack(2) | 横浜FC2010観戦記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年06月05日

2010年J2第16節 横浜FC-FC岐阜 「君はなんでそこにいるの?」

「仕方ない。J2だもん」寺田のミドルシュートが枠も捉えられず、大きく右に逸れた時に後ろの観客がつぶやく。「それでも元J1なんだぜ。あいつ。」ジメジメしたやっかみと批判が、称賛の声に変わるのはたったその7分後の前半36分。
右サイドをフリーで駆け上がった柳沢のクロスに、大黒が岐阜DFの前に素早く入り込みヘディングシュートを決める。対戦相手の岐阜・倉田監督が「やられた」と話した様に、スカウティングでどれだけ対策を練ってもそれを簡単に出し抜いてしまう大黒の真骨頂。マークしているDFにとっては、「何時の間に」と思った時にはもう体勢を入れ替わられシュートを打たれているという電光石火の切れ味。



前日W杯前の最後となる親善試合が行われ、日本代表はコートジボワール代表に0-2と屈した。ここ数試合点を奪う事が出来ない日本代表の不甲斐ない姿。そこに彼がいたら・・・と思ってしまうのは、横浜のサポーターでなくとも考えてしまう事。J2の精度の良くないパスでもそれを巧みにゴールに流し込めるのは、まだ衰えていない証。ちょうど5年前、無観客で行われた北朝鮮代表との試合でロスタイムにゴールを決め、日本代表をドイツに連れて行った彼の姿を何度も思い出す。君はなんでそこにいるの?今は代表合宿にいるんじゃないの?と。

岐阜は昨年までの全員のハードワークから鋭いカウンターサッカーをするのでなく、ある程度繋ごうという意識がある分、逆に攻撃の遅さが感じられる。岐阜の選手が前を向いてボールを進めるというシーンは嶋田のシュートシーン以外ではなかった。横浜はある程度殴り合ってくれるサッカーの方が相性が良くゲームを進めやすい。ホベルトでボールを奪える分、CBは跳ね返す事だけに専念すればよくなった。セットプレーではマークの受け渡しのミスなどもあり、ヒヤッとするシーンもあったがゲームは総じて横浜が支配している。



横浜は大黒、西田、武岡、寺田でボールが良く回る。カットされてもホベルトがこぼれ球を奪えるので、高い位置でボールを再び奪い直して攻撃を継続。試合の序盤からボールは奪えたが、武岡のポストを掠めたシュート以外はPA近くで精度を欠くプレーが多く、時間が無碍に流れていった。そこで生まれた大黒のゴールは大きかった。攻めているのに点が奪えないという苛立ちを消し去り、先制点という自信がチームに生まれたからだ。

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posted by おかき at 23:41| Comment(0) | TrackBack(1) | 横浜FC2010観戦記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年05月31日

2010年J2第15節 東京ヴェルディ-横浜FC 「試されるチーム力」

このゲームが行われる日の直前、大きなニュースが日本サッカー界を駆け巡った。条件を満たさなければ東京ヴェルディの経営を6月以降はJリーグが主体で行うというもの。こうなると来年以降のチームの運営どころか、存続すら危ぶまれる状況となる。どこか大きなスポンサーを見つけるか、買い取る株主を探すかしなければ、リーグが大きな負債を抱えるクラブを存続させるとも限らない。


こうなってしまったにはいくつかの原因があるが、チームの名前にいつまでも「FC NIPPON」と入れている地域を無視した傲慢な姿勢がそれだと受け取られても仕方ない。この試合も新宿区、渋谷区サンクスマッチで国立競技場開催。不便でも普段はクラブの本拠地がある稲城市中央公園でやり、その上で例外開催で他を使えば良い。これでは地元にお金が落ちてこない。その地域では認知はされていても、共感を得られていないのではないのだろうか。今後どうなるのかわからないが、今"チーム緑"が試されている。



試されたといえば、横浜は特別指定で加入したばかりの中里が先発起用された。岸野監督曰く「出る予定の選手が体調を壊して出られない状況になった」為のスクランブルだった様だが、これまでの高地、田中、片山と左SBの候補がいる中を押しのけての起用には驚いた。試合開始から横浜が狙われたのはこの中里。Jリーグの洗礼とでも言うべき、Jリーグでは"先輩"の高木善のアタックを何度も受ける。だが、これをCBの金が跳ね返し、ホベルトがケアをして穴を塞ぐとそれからは横浜の時間。



前線の西田でボールが収まり、ホベルト、武岡、大黒、寺田とボールがスムーズに回る。それに引き出されて中里も左サイドから何度も果敢なオーバーラップ、そしてクロスを見せる。迎えた前半37分。西田が前を向こうとして東京V・富澤に倒されてFKを得た。ここで柳沢、ホベルトと行ったトリックでのFKを寺田が見事直接決めて横浜が先制。流れから崩せなければ飛び道具がある。寺田のキックの正確さを改めて証明したゴールだった。

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2010年05月23日

2010年J2第14節 横浜FC-サガン鳥栖 「これで満足できたか」

試合終了の笛が鳴り、地面に倒れこむ選手達、ハイタッチをする選手達。4-0の大勝。大黒のハットトリック、守備陣は久しぶりの完封。こぼれる笑顔。約1月ぶりの勝利の味。誰だって喜びたくもなる。ただ、人間の記憶とは不思議なもので、その直前の45分を思い出すと全く笑いがこみ上げてくるものではなかった。

前半7分。新加入のホベルトからのスルーパスを受けた武岡のシュートはポストに弾かれたが、詰めていた高地が無人のゴールにボールを叩き込んで横浜が先制。先制点に絡んだのが、ホベルト、武岡、高地と昨年鳥栖に所属していた選手達。彼らの中できっとどこかモヤモヤしていたであろう、鳥栖での思い出と別れを選んだ自分の正しさとの葛藤にもケリがついた。
横浜の岸野監督が采配を執っていた鳥栖との対戦という事で外野は「因縁」とわかりやすいネーミングで試合を煽っていた割に、ゲームは圧倒的な横浜ペースで進行し、ゲーム同様全くの肩透かしを食らった。



そして、大黒のハットトリック。特にチームの3点目となるゴールは大黒の真骨頂。左の高地からのクロスに、DFラインギリギリで裏に飛び出し、落ちてくるボールに右足のアウトサイドでわずかに触れてゴール右隅に流し込んだ。鳥栖との因縁に関係ない彼が試合前の囁きを全て打ち消していく。

鳥栖は前半15分までに立て続けに3失点し出鼻をくじかれて残りの時間も心ここにあらずだった。気持ちが切れてしまうと、チーム全体で前への推進力を失ってしまいがちで、効果的なシュートは無かった。それでもこれだけの大差がありながら、甲府戦をどこかで意識している自分がいる。



これらの思いが入った分、前半と比べて後半の横浜の動きは非常に緩慢に映った。相手が退場者を出して数的優位が生まれても、攻めるのを悪いと思うのか、躊躇いが生まれ、それが選手間で差が出来てくるとパスミス、トラップミス、判断のミスが増えていった。

後半やや歯切れの悪い45分が終了。試合には勝利した。だが、点差とは裏腹に何か自分の中ではイマイチ納得できない部分も多かった。事故の様に点は取れたが、後半は自分達で集中力を切らしていた。

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2010年05月10日

2010年J2第12節 横浜FC-栃木SC 「負けたらオカン」

未だにオフィシャルピッチサポーターが試合前自惚れ気味にスタジアムを煽る「昇格の為に〜」と。目標として「昇格」はあってもいいが、今の状況は、目の前の試合に勝つ事が最優先ではないのか。未だに「昇格〜」と言っているのを聞くと悪寒が走る。遠すぎる目標は却って人の心を萎えさせる。数字が消えるまで言い続けるのだろうか。言葉のバリエーションが少ないから仕方ないのだろうか。

バリエーションが少ないのは横浜の攻撃も同じ。栃木のCB余、大久保は距離を作りすぎていて、横浜はそこにパスを通して穴をこじ開けられたはずが、どうも中盤でゲームメイク出来ない。左右に振って、中に絞ったまではいいが、どこからの崩しが殆どなく、結局下げるしかできなかった。また中盤で早川が出るのか、高地が出るのか整理されなかった。



栃木はスタメンの前線2人が何も出来ずにいた。レオナルドも崔もボールを収められず、佐藤、高木というMFを上手く引き出せなかった。この点においては前半早川が相手を何度も潰していた。
DFの不安定なケアからピンチを招く事もあったが、栃木も難しい事を考えていたのか、最後のシーンで横浜のゴールを襲う事が出来ない。一度だけヒヤリとしたのは、CKから田中がレオナルドをフリーにしてしまいシュートを許した時。セットプレーのマークの甘さは何も解消されていなかった。



前半は両者共に決定機がないまま終了。

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2010年05月02日

2010年J2第10節 横浜FC-ヴァンフォーレ甲府 「山」

横浜は寺田、大黒、西田が前半21分までに3点を挙げて楽勝ムード。空を見上げれば、日は高く晴れ樹は繁っている。
この3得点の後から横浜は運動量が落ち、甲府がゲームを支配する。横浜はボールを奪っても、得点を奪った時の様な細かいパスが消え、サイドでボールを持てばとりあえず前線に流し込むだけという安直なプレーでボールを失いゲームを難しくし始める。



前半ロスタイムにCKの競り合いからPKを献上。微妙ではあるが、戸川がダニエルのユニフォームを引っ張っていた。杓子定規にしか判定できない主審であったとしても、彼が2試合連続でPKを与えているのは逃れようのない現実。その前から腕を使ってカードをパウリーニョや武岡に出していた。そのPK以上に問題が露呈するのは後半。



横浜の選手が口々にしている「後半ラインが下がった」のは、CBが後半から登場のハーフナーを抑えられなかったから。裏を抜かれるのが怖いから前から当たらず、それが結果として甲府の選手の突破を助長する事になっていた。戸川はもうここ3年見ているが、身体的に強くないから下がって相手のミスを誘う守備をする傾向がある。それで嵌ってくれればいいが、所詮はリアクションの守備。数的不利や力のある相手の前ではなす術がない。後半12分にハーフナーに抜け出されて失点し3-2。



岸野監督は「守れるリズムはできていた」と言っていたが、どうだろう。ほぼハーフコートでの甲府の一方的な攻勢が続く。この時間帯こそがこの試合のヤマ場であった。
そしてそのまま後半ロスタイムに。横浜は渡邉を投入して守備固め。その直後のFKでゴール前にボールが上がった時、甲府の選手が倒されたとして甲府がPK獲得。そのPKをキャプテン山本が決めて同点。これでもまだ物語は終わらない。

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2010年04月30日

2010年J2第9節 横浜FC-大分トリニータ 「新しい始まりの日」

昨年終盤に日本サッカー界に激震が走ったのは大分の経営難だろう。J2降格、累積赤字、Jリーグからの巨額の融資。もしかしたら2010年のJ2すら参加できないのではないか。大分のサポーターだけでなく、全国のサッカーファンが心配していたに違いない。
その不安の中で、大分は若くて才能のある選手を移籍金とともに放出し、体制も小さくし外部からの監督招聘を諦め育成部長だった皇甫官を監督に据えて、何とか新しいスタートを切った。

皇甫官とは懐かしい名前だ。元々韓国代表選手で、W杯でも得点を決める程の選手が当時の大分トリニティに加入。当時のJFLの選手名鑑を持っているが、韓国代表経験者がJFLに来る事にどれだけ大きな興味と感動を子どもながら覚えた事か。その皇甫官はそれ以来ずっと大分で指導歴を重ねている。



過去の事を懐かしむのはもう一人、小林宏之である。彼は横浜の2006年J1昇格に貢献した一人である。彼の名前がコールされた時、ゴール裏からはブーイングがメインスタンドからは拍手があった。驚いた事に4年前からその容貌は大きく変わって全体的に引き締まり精悍になり、あの頃の朴訥でドタドタと走る「コバ」の姿は見られなくなっていた。

しかし、彼の守備はあの日と同じだった。横浜は前半から武岡が好調。右サイドをワイドに使い攻略。試合開始から右サイドを支配し押し込んだ。横浜の先制点はここから。前半7分ロングボールに武岡が追いつき、ゴールに背を向けたままヒールパスでサポートに来た西田にパス。西田は内に絞りながら菊地を交わし、大分GK下川の股の下を抜くシュートでネットを揺らした。



小林の脇を抜けてゴールを決める西田。横浜の過去と未来が投影されていた気がした。選手には誰でも未来がある。チャンスは至るところに転がっていて、それをつかめるかどうか。そこには実力も才能も、そして運も必要だ。それを今西田は必死に掴もうとしている。昨年横浜に入団し、初出場初ゴールをやってのけた彼は、今年は序盤こそキャンプ時のケガの影響からかベンチスタートが多かったが、今度は今シーズン初スタメンで初ゴールを決めた。

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posted by おかき at 03:52| Comment(0) | TrackBack(2) | 横浜FC2010観戦記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする