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2011年11月28日

2011年J2第37節 横浜FC-京都サンガF.C. 「なぜ、どうして」

後半49分京都・工藤のゴールが決まる。その理由を明快に説明できる選手もサポーターも皆無だろう。きっと京都のサポーターですら、信じてはいても決まると確信していた人間はいなかったのではないか。サッカーとはその位ミステリアスなものであり、だから面白い。
敗戦ゲームを面白いと書くと怒られそうではあるが、勝負事だから毎度毎度自分たちの思い描いた道筋に運ぶ事などない。それどころか、自分たちの思い描いた道に進んだ事なんて昇格した年ですらなかったはずだ。筋書きのないドラマ、その醍醐味を身をもって実感したのだから面白いというほかない。



その5分前までは、何の根拠もなくこのゲームの結末は1-0での勝利と決め込んでいた。少なくとも私たちは。しかしゲームはずっと押され始めていた。横浜はセンターラインの佐藤と藤田祥が退くと、代わりに入った高地、小野瀬のパフォーマンスが誤算。2人とも殆ど何も出来ないままで、同点ゴールを許したと思ったら逆転ゴールまで許してしまった。

前半横浜は良いゲームだった。京都のドゥトラは怖かったが、彼からのパスは自滅を招くパスが多く味方を上手く引き出せていなかったし、また中盤の中村、中山らも中々攻撃に絡む事が出来ていなかった。その京都を尻目に、横浜は寺田が中盤でゲームをコントロールし、藤田祥が前線でボールをしっかり収めていた。



前半24分。直前にあった佐藤からのスルーパスに抜け出して放ったシュートを止められていた難波が、今度はゴール右隅に決めて横浜が先制。その過程では何本もパスが回り、横浜らしくない綺麗な形での先制点を挙げたのだった。前半はこれが両チームにとってのハイライトで、それ以外は中盤でつぶし合いが続いた。

後半、京都が久保を入れてから徐々に横浜陣内に進入し始め、チャンスを作り始める。前半、守備でイライラしていた中山、中村が前を向いて仕掛けることが出来る様になり始めた。これを必死に防ぐ横浜。横浜も後半当初は荒堀の突破などからチャンスを作る事が出来たが、徐々に失速。後半35分以降は、ほぼ自陣で釘付けになっていた。

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2011年11月14日

2011年J2第35節 横浜FC-湘南ベルマーレ 「落とし穴」

後半ロスタイムに入って、私はグランドとは違うところを見ていた。バックスタンドには、この試合多くの親子連れが来場していた。その方々も横浜のゴール裏のコールに合わせて手拍子をしている。それに驚いていた。決して強くはないその手拍子だったが、それは気持ちが横浜に傾きつつあった事の表れである。湘南はゴール裏を緑に染めたが、それでもなお横浜の逆転があるのではと微かな期待がその拍手につながっていた。その数分後、その方々も含めた横浜のサポーターの持つ期待全てをゴールという形で野崎が結実させた。



湘南にとっては、後半試合終了間際に2点を奪われてしまうとは穴に落ちた感覚だろう。絶望という名の穴に。ゲーム全体を見回すと優位に立っていたのは湘南だった。前半は田原が横浜の渡邉、中野とのマッチアップを制してボールを収めアジエル、菊池がゲームを展開できていた。

横浜は難波が左からのクロスを上手くトラップして先制点を決めたまではよかったが、その直後のキックオフから攻撃を許し、コーナーキックから田原に決められてしまい同点としてしまった。その後サイド攻撃が続かず、ジリジリと後退させられてしまう。前節より復帰した寺田はスタメンに戻ってきた。彼がいるとボールが落ち着き、縦パスの出所が増える分サイドの攻撃は本来増えるはずなのだが、その佐藤との守備のバランスがまだ出来上がっておらず幾度もピンチを迎えていた。



そのゲームが動いたのは前半34分。横浜は右サイドで湘南の基点になっていた高山に鮮やかなループシュートをゴールに入れられて逆転されてしまう。高山は再三再四右足でボールを使おうとしており、その右足に気をつけておかなければならなかったが、彼がボールを持った時にポカンとスペースが空いていた。しぶとく耐えていた横浜に空いていた穴だった。

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2011年10月31日

2011年J2第33節 横浜FC-ファジアーノ岡山 「Over」

茫然自失の表情を浮かべる関。直前のゴールキックのボールを岡山・植田がヘディングで前方に大きくクリアしたボールがバウンドする。通常の状態なら届いたはずが、雨に濡れた芝生で弾んだボールは関の予想よりも高く飛び、その頭上を越えていく。懸命に戻るが、かき出そうと左手をかくがボールは無常にもサイドネットを揺らしてしまうだけだった。



リードを許した横浜は、攻勢を強めるが守備を固めた岡山のゴールを破る事が出来ないまま敗れた。これで横浜は11戦勝ち無しとなった。敗れた岸野監督が「戦術・戦略は問題ない。」と記者会見で話した事に批判が集まっているが、負けた側のチームのコメントはどうしても説得力に欠ける部分があるのは当然で、それを一つ一つ批判する事ほど意味がないものはない。まさしく死人に鞭を打っている。そんなオーバーな表現とは感じられなかった。

前半横浜は岡山の3-6-1あるいは3-3-3-1という3バックのサイドにはスペースがあり、攻略しかかった。だが、カイオ自身が試合後に話した様に、決定的なチャンスを外してしまいゴールを奪えなかった。

夏の千葉戦の負傷から復帰した井手口はボランチで出場したが、ゲーム勘や連携が芳しくなくバックパスを繰り返すだけで、岡山に切り替えの時間を与えてしまっていた。監督からもゲーム中に指示を出されていたが、改善できず挙句高地が下りてきてしまっては、また手数がかかる。



高地の不調も大きかった。横浜の心臓は、何か血栓で塞がれたかの様にボールコントロールが出来ず、味方の選手を引き出せなかった。違う見方があるとすれば、チームの前線がノッキングを起こしてしまっていて、ボールが出てくるタイミングと、出そうというタイミング、そして受けたいと思っているタイミングが微妙にずれているという考え方だ。実際、5バック気味になった岡山の守備陣を崩す縦パスを入れるシーンは記憶に残っていない。個人的にではあるが、こういう部分の崩しは教えるものではなく、選手個々の感覚やセンスを磨くしかないのだが、これだけ怪我人がいて成績が上昇しないとどうしてもチームの密度は濃くならない。

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2011年10月20日

2011年J2第6節 横浜FC-FC東京 「届かぬ思い」

後半のロスタイムは4分と表示されていた。その4分も過ぎようとしていた。FC東京・石川がセットプレーのこぼれ球を拾い、右サイドからシュートを放つ。その直線は弾道鋭く横浜のゴールネットを揺らした。9月以降7試合で勝利が一度もない横浜が首位FC東京の溜飲を下げさせるという思いは届かなかった。



この試合、横浜は決して悪い出来ではなかった。ボランチに佐藤を配して、三浦を中央に置き4-4-1-1に近い形で、中央の三浦、高地、荒堀、難波は何度もポジションチェンジをして東京の攻撃に耐えつつ、ショートカウンターに近い形からFC東京ゴールに迫ろうとしていた。
個々人の力の差、順位通りの勢いの差、チームとしての戦術理解度の差を加味すると、決定的なチャンスの数こそ劣るが、前半から「ここを抜ければ」というシーンは横浜にもあった。一方的に押し込まれて、何とかクリアする展開が続いた訳ではなかった。

東京は決定機が何度もあったが、ルーカスも谷澤も羽生もゴールを決め切れない。ペナルティエリア内でのルーズボールを徹底的にふかしてしまい、枠に飛ばす事も難しかった。ただその迫力は、相手が首位なんだという緊張感を感じるには丁度良いくらいだった。それはつまり、ゲームを楽しめているという状況だった。自分が見た松本山雅戦や国立でのFC東京戦、東京Vよりも遥かに面白いゲームをしていたのは確かだ。



スコアレスのまま後半に入る。FC東京がやや焦りの色が見える。前半みたいにショートパスからスペースを作って、サイドから丁寧に崩すのではなく、やや前方に蹴り出したところに飛び出して起点を作り、中央に崩してくる策を取る。横浜は現実的にラインを下げてペナルティエリアで身体を張ってそれを堪える。



後半はこの展開が続く。中盤の三浦の運動量が後半10分過ぎから落ちたが、岸野監督は動かない。後半30分八角が三浦に代わって入る。ケガ上がりの八角の起用は15分が限度と見ているのだろう。八角がボランチに入り、この日動きの良い佐藤が中盤の高い位置に入る。ギアを高めた。
ただ残りのエデル、フランサではビルドアップのチェックやサイドの守備は望むべくもない。この日の東京は嵩にかかってサイドからの攻撃の手を止めない為、この起用は大きな賭けであまりにもリスクが高いと判断したのは理解が出来る。またサポーターの「打破したい」という気持ちもわからないではない。

小野瀬の投入もありえたが、「結果」優先の現場の肌の感覚からすれば難しい。大切なのか、勝つことなのか経験なのか。勝利>経験はあっても、逆はない。プロである以上勝利を目指すのが第一義のはずである。プロの試合に金を払って来て「育成だから負けても仕方ない」と言ってはダメだ。それはサポーターではない。

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2011年10月09日

第91回天皇杯2回戦 横浜FC-松本山雅FC 「信仰力」

天皇杯2回戦は松本で行われる事になった。松本といえば、松本山雅のホームタウンであるが、横浜FCがホーム扱いとなった。とはいえ、試合前から大きく響き渡るのは松本山雅サポーターの声。アウェイ側の南スタンドを緑一色に染め上げるだけでなく、メインスタンドでもホームの横浜FC側にも松本山雅のユニフォームを着たサポーターが埋め尽くした。

ゲームはその声に背中を押された松本山雅が攻め、横浜が凌ぐという展開が続く。松本山雅はボールを奪うと、素早く前線の片山、船山にボールを入れて、久富、大橋がフォローして前線に持ち込んでいくスタイルだった。横浜はセンターバックがゲーム序盤からプレッシャーを受けて、弱気になると全体が下がり気味になり受けに回ってしまった。ただペナルティエリア付近の詰めが甘く、ゴールを奪うまではいけなかった。



カイオのボランチ起用は、全体の中での推進力やキープといった面では先日の札幌戦の様に効果はあったが、守備のサポートという形は難しい。試合の流れの中で高地がボランチに入りカイオが前にいき、エデルがサイドにという形で前半は対応。松本山雅が前線にポイントを置くのと同じ様に、横浜もやり方を変えて相手の守備陣にプレッシャーをかけにいく。



徐々に松本山雅の攻撃に慣れてきた横浜は、スルーパスでカイオが抜け出したがシュートは飯尾に阻まれ、その跳ね返りをエデルがシュートするもGK白井にセーブされてしまう。この時が横浜の前半唯一のチャンスだった。
どちらがJリーグのチームなのかわからない程、横浜の攻守の切り替えは遅くチームとして一つになっていなかった。その辺りは試合後数名の選手が語っているのだから事実だろう。守備でも走って戻らない、セカンドボールにも反応しないでは、流石に元Jリーガーを擁するチームには勝てるはずがない。


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2011年10月03日

2011年J2第30節 横浜FC-コンサドーレ札幌 「札幌や」

試合が終わって外苑前のラーメン屋で物思いに耽る。最近はどこかの店に入って一旦ゲームを振り返るようにしている。年齢が行くと何かを思い出すまでに時間がかかるようになったのと、単に腹が減っている事が多いから。店内は試合後ではあったが、思っていたよりも混雑しておらずさっと座ることが出来た。

昇格圏内にいる札幌の鋭いカウンターに警戒しつつ、横浜は引き気味の相手に対してスペースを突くことが何度も出来た。難波が楔になり、荒堀、カイオ、野崎、宮崎と左右に振って札幌守備陣を意図的にずらそうとしている。ここ数試合の出来とは違った。決定的なシュートも三浦、野崎も放ち、復調の気配があった。守備陣もジオゴ、砂川、内村と前を向かせると面倒な相手も朴、藤田、そしてカイオが挟み込み自由にさせていなかった。



届いた味噌ラーメンを食べる。秋になって冷え始めた身体に程よく温かいスープが身体に染み渡る。これで500円。安い。そういえば、自分が知らない札幌の選手が増えた。李、山下、櫛引、前、上原。うーん、札幌は若い選手も多く、このラーメンの様にコストパフォーマンスに優れている様に映る。



スコアレスのまま試合は前半終了。横浜とすれば、相手の攻撃陣の核をしっかりと押さえ込み、スペースを切り崩してチャンスを作っていた。細かいパスのミス、判断のミスもあるが総じて悪い試合はしていない。どちらかといえば、札幌サポの「おいおい、ここで横浜に足元を掬われる訳にはいかない」というコメントが聞こえてきそうだった。

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2011年09月26日

2011年J2第29節 FC東京-横浜FC 「明日来る」

この日、国立競技場近くの千駄ヶ谷駅のホームで赤青の大きな広告を目にした。そこにはこんな言葉が書かれていた「自信?ありますよ」と。この国立競技場のゲームはFC東京のホームゲームで、現在首位を走るのだから昇格に向けて自信があるのだろう。看板には「ガスからの挑戦」ともある。自分達の事を「ガス」と某掲示板の呼び名を使うのか、と驚きもしたが親しみを込めたのだろうと感じていた。

試合は開始して5分でFC東京がCKから梶山のヘディングで先制。これで一気にホームの声援を背にFC東京が前に出てくるかと思ったが、横浜守備陣が粘りまたFC東京のシュートミスもありこれをなんとかこらえる。懸案だった右サイドは荒堀が献身的に守り、椋原・田邉に決定的な仕事を許さなかった。
ただ、右サイドは徹底的に攻められMFを佐藤では軽いと判断したのか、前半途中藤田祥と入れ替えたが大した差はなく、前半FC東京は横浜の右サイドを徹底的に攻略しにかかった。



これを凌いだ横浜は逆襲といきたいが、攻守の切り替えが遅く高地、佐藤、カイオらがボールを持ち上がっても選択肢が少なく、探している間に囲まれてボールを奪われたり、不用意なパスをカットされてカウンターに持ち込まれるなど、攻撃は機能しているとは言いがたかった。



それでも得点は1-0のまま後半に入っても、FC東京がボールを支配し横浜が凌ぐ展開は続いた。後半は藤田をFWに置き、ボールキープを託したが周りのサポートも遅く、ケガを抱えている事もあり思った程の効果はなかった。



FC東京は石川を入れて攻撃にテコを入れる。ボールを支配し、エリアも支配しているのに、それ以上ネットを揺らせず、焦りではないがジリジリした展開が続くことを避けたかったのだろう。石川はその期待に応え、出場すると右サイドを支配。後半21分、右サイドを突破すると中央に折り返し、石川のクロス、突破を警戒して下がった守備陣を嘲笑うかの様に、そのボールを受けた羽生はフリーで素晴らしいミドルシュートを放ちゴールを揺らした。
集中力が落ちた横浜は、たったその2分後にも羽生にゴールを献上してゲームの行方は決まった。3-0で横浜はFC東京に完敗。

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2011年09月19日

2011年J2第28節 東京ヴェルディ-横浜FC 「見世物」

後半残り20分を岸野監督は、試合を戦いの場から見世物の場にした。菊岡の技ありのFKよりも、河野の見事なタッチシュートの時よりも大きなこの日一番の歓声がスタジアムから上がったのは三浦を投入した直後だった。既に点差は6点。そして、三浦とフランサの出場から9分、河野が東京ヴェルディ7点目となるゴールを決めてベンチに退く。まるで練習試合になった残り10分はフランサがそのパスワークで魅せた。ワンタッチでパスを捌いて、横浜が挙げた2点に絡んだ。



この2点を「次に繋がる」と評価する声もあるが、相手は7点取って動きも緩慢になったチームで、それが何に繋がるのか私にはちょっとわからない。もっと拮抗していたゲームでせめて1点差位のゲームなら緊張感も違ったが、「残り6点!」という横浜への声援に失笑が洩れる緊張感のない、ゲームではなくスタジアム中が三浦だけを見ている状況では、繋がるとまでは言えない。負けて尚強しというよりも、ゲームが決まった後のお口直しだった。

本当の見世物小屋になってしまったのはそれまでの75分間である。まるで練習試合なのか、それともリーグが一つ二つ違う相手と戦っているのだろうか、横浜の選手は東京Vの選手に全く付いて行く事が出来ずに、前半5分菊岡にゴールを許し先制点を許す。この後も同じ形から切り崩されてピンチを迎えた。
原因は誰もがわかるもので、センターのマラニョンを押さえられない事と、東京Vの河野、菊岡の両サイドの侵入を許し続けた事だけである。



東京Vとしては特段難しいことはしていないはずだ。マラニョンに預けてサイドがオーバーラップして、パス交換から突破して、中にクロス、若しくはシュートを放っているだけ。だが、この攻撃に対して横浜は成す術がなかった。特にサイドの柳沢、宮崎は遅らせる事もならなかった。また中盤では高地が運動量不足を露呈し、プレスバックが全く掛からない。前半からこれでは勝負にならないのは明白であった。



前半だけで3失点。菊岡の直接FKは鮮やかだったが、そのファウルを与えたのも中央で付いていけなくなった柳沢が与えたものだった。

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2011年09月12日

2011年J2第27節 横浜FC-愛媛FC 「たった一度の」

試合終了の笛が鳴った後、あまりにも静かだった。まさに通夜だった。いつもは吼えるゴール裏ですら、無言で選手達を出迎えた。たった一つのゴールがその魂を吸い取ったからだろうか。それとも大切な人がここにいないからだろうか。

何だかいつもと違う夜だった。三ツ沢で試合を行っていない影響もあるだろうが、何かが違う。芝の色?匂い?風景?風?ホームやアウェイというより、それぞれが抱える思いがすれ違っていた様に見えた。今回ゴール裏付近の弾幕を中心に、喪章があった。自分達で供えた喪章だったが、その通り喪に服してしまった。亡くなった横浜サポの方とは深い付き合いがあった訳ではないが、彼女が望んでいた事はこれではないはずなのだが。



たった一度射抜かれたゴール。でもたった一度なのは、人生も同じ。だから前を向いて生きる。そこに全力を注ぎ込む。上り坂があれば、下り坂もある、そして「まさか」もある。それでも私達は俯いてはいられない。

人生において人と人の出会いが何かを生み出す様に、前半横浜のパスは愛媛陣内で何かを起こすのではと思っていた。4-4-2というベーシックな布陣の愛媛だったが、バイタルエリアの守備は緩い。野崎も荒堀も何度もここを突破して愛媛ゴールに迫った。北九州戦で見せた荒堀のゴールまでのルートの様に細かいパスは何本も繋がる。
だが、最後の部分の詰めが甘く、横浜は主導権を奪いつつもミスを犯して愛媛の守備を崩しきれない。



前半はスコアレスドローだったが、決して悪い内容とまでは言えなかった。愛媛のFWジョジマールと福田を抑えて、本当にヒヤリとするシーンはなかった。

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2011年08月14日

2011年J2第24節 横浜FC-栃木SC 「月の霞む夜に」

試合後も"La NAMBA"が鳴り止まない三ツ沢。試合開始からたったの5分で難波の今季初ゴールが決まり横浜が先制。そこから横浜は攻撃のリズムを作り出せたが、追加点を奪うまでには至らなかった。



前半リカルド・ロボを欠いた栃木は手を拱いていた。ロングボールを出す場所がない。サビア、広瀬の2トップは上背がないので、ロボの様なハイボールではボールを収められない。プレスを交わすようにサイドバックの裏にボールを入れるが、宮崎、柳沢が身体を張って守り有効な攻撃手段が見つからない。

とは言え、横浜カイオ、難波が前線から激しく追い立てるので、栃木はビハインドの状況でもバックラインでボールを回すしかなかった。杉本、水沼は中盤で前を向く機会は多くなく、逆に彼らの意図と守備陣の意図が合わずミスパスからカウンターを許してしまった。



横浜も奪ったボールを最前線にまで中々繋げられない。栃木のパウリーニョ、落合のボランチが反則覚悟で潰しに来る。追加点が奪えず、ファウルまがいのプレーでも笛が吹かれないと徐々に試合が殺気を帯びてくる。試合が始まって地平線近くに見えていた真ん丸の月が霞み始めた。

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posted by おかき at 12:29| Comment(0) | TrackBack(0) | 横浜FC2011観戦記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする