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2020年12月25日

2020年J1第34節 横浜FC-横浜F・マリノス「嫌われる」

「愛の反対は憎しみではない 無関心だ」とはマザー・テレサの言葉だ。その言葉のまま言えば、F・マリノスサポーターの多くは横浜FCに対して無関心で、その存在の大きさを矮小化しようとする。存在を認める事は、意識している事になるのだから。オリジナル10で降格が一度もないクラブが、JFLから這い上がってきたクラブと同じ舞台に立つだけで屈辱なのだろう。とはいえ、F・マリノスも横浜FCも横浜フリューゲルス解散に端を発して、片方はそのFという十字架を背負いながら生き、もう片方は焼かれた灰を一つずつ繋ぎ合わせて出来たクラブ。相手への無関心を装っても、その宿命からは逃れられない。

横浜は無関心ではなく、強烈な嫌悪を持って臨んだ。これはダービーであると。勝った者が横浜を我が物顔で闊歩出来るのだと。旗を翻せ、時は来たり。リーグ最終節でアッと言わせるとばかりに。



しかしながら、本当にF・マリノスが嫌われたのはホーム側のサポーターよりも、アウェイ―側のゴールにだった。特に後半はF・マリノス前田のヘディングも、松原のミドルシュートも、後半アディショナルタイムの小池のシュートと決定機を三度跳ね返した。GK六反の神懸ったセーブもあったがそれにしても、ゴールは良くシュートを跳ね返した。

逆に愛されたのは、横浜だった。斉藤光毅の縦の突破から折り返すと、オーバーラップした志知が左足を振り抜き、シュートはクロスバーに当たり導かれるようにゴールに飛び込んだ。ダービーで先制したのは横浜だった。その後も攻勢に出たのは横浜だった。



F・マリノスはサイドにボールを展開してチャンスを窺うも。水沼と前田を横浜守備陣が簡単に前を向かせなかった。Fマリノスはサイドから斜めに入って攻撃を組み立てようとしたが、横浜は逆にそこに誘い込む様にペナルティエリアライン付近で手塚が何度もパスをカットしてF・マリノスの攻撃を食い止めていた。サイドに預けて後お任せの様なサッカーでは、横浜相手とは言え中々剥がせない。

次のゴールはまたしても横浜だった。手塚のコーナーキックのこぼれ球を田代が押し込んだ。古巣Fマリノスから奪ったゴールは格別だろう。前半16分までに横浜が2点を先制するというホームの人間ですら希望や期待こそすれ予想だにしないゲーム展開となった。

そこからのF・マリノスの反転攻勢は見事で、高野が中央突破すると見せかけて、左サイドにいた前田にパス。折り返しをオナイウがポストに弾かれたボールに先に触れて1点を返す。この1点で息を吹き返したFマリノスの時間がそこから総じて続くようになる。

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posted by おかき at 04:27| Comment(0) | 横浜FC2020観戦記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年12月07日

2020年J1第31節 横浜FC-サガン鳥栖「Hold The Line」

「ライン!ライン!」GK六反の声が冬が訪れたスタジアムに響く。この場合、相手のボールの位置に応じて自チームの戦術の中で適切なラインの高さを取りなさいということを示している。多くの場合は、もっと高くとりなさいという意味だ。彼があまりにも「ライン」を連呼するものだから、自分の頭の中はとある曲が前半流れ続けた。ピアノのイントロが特徴的な名曲、TOTOの「Hold The line」だ。この曲のサビは、「Hold The Line Love isn't always on time」と歌う。中々抽象的な歌詞であるが、「電話を切らないで。愛は思い通りにはいかないんだ」とでも言えばいいのだろうか。横浜のサッカーも中々思い通りにいかない。前半半ば以降は横浜がボールを保持して、チャンスもそれなりに作るが決定機らしい決定機はこの日も中々訪れない。愛と同じ。自分に言い聞かせる様に、マスクの中でサビを口ずさんだ。



ボールを保持は出来ているかもしれないが、アタッキングサードでのチャンスメイクが少ない。それができないからか、低い位置で相手の穴を探そうとするが、簡単には縦にパスをいれさせてくれない。そうなると、ボールを持っているではなく持たされているともいえる。もっと言えば、遅攻なのではという疑問も湧いてくる。システムの並びとか、選手の入れ替えではなく、これで自分たちのやりたいサッカーが具現化できているのか。無論、前半殆どパーフェクトに鳥栖攻撃陣を抑え込んだのは見事で、サイドに展開されて幅を作られても相手のミスもあり横浜にピンチらしいピンチはなかったといえる。



そういう中で、横浜に先制点が生まれる。志知からサイドの斉藤光毅に縦パスが入るとそのままサイドをドリブルで突破して、ペナルティエリアに侵入。折り返しを松浦がダイレクトで流し込み1-0。カットインして引っかかっていたのをおとりにしたのか、逆にサイドをえぐる様に侵入した斉藤も見事ながら、松浦も相手GKの間を外す様にダイレクトでパンと叩く感じで蹴りこんだのもおしゃれだった。前半アディショナルタイム最後のプレーで横浜がリードを奪う。




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posted by おかき at 23:08| Comment(0) | 横浜FC2020観戦記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年11月28日

2020年J1第29節 横浜FC-清水エスパルス「新しいトライの前に」

この試合は、累積警告で出場停止となった手塚不在の中で、横浜はどうやって自分達でボールを保持するのかという点にフォーカスしてスタジアムに向かった。先の広島戦では、3-4-2-1のミラーゲームに持ち込み相手の長所を消しながら、攻撃時には4-3-3の様な形でボランチがスペースを作りながら、あるいは埋めながら前進するスタイルで今季2敗している広島相手に互角の戦いとなった。

ところがスタートから驚いたのは私だけではないはずだ。試合開始5分に失点すると、直後の6分にも失点。秋のナイトゲームというだけでも寒いのに、それに輪をかけて体温を下げる様な重い重い2失点でゲームは幕を開けたのだった。



横浜は4バックでボランチが落ちないでゲームを組み立てようとしている。これまでは、センターに佐藤謙介や手塚が落ちてリズムを作りながら組み立てていたのだが、この試合ではそれをせず一枚前に残したままでトライしている。2枚のセンターバックと1ボランチの関係でどうビルドアップするか。枚数が足りないからここで踏ん張って2枚で出来るとという思いは理解できるが、その思いは開始早々打ち砕かれた。

特に2点目。南から安永への縦パスを清水の2人の選手のプレスで奪われてそのままミドルシュートを決められた。シュートを止められたのではという部分よりも、奪われ方がこのシステムがまるでなじんでいない事を示すと同時にまだ安永一人では厳しいという見方をせざるを得なかった。左利きの選手であれば、自分の左から来るボールに対してはダイレクトで自分の前方に捌く、あるいは左足のアウトサイドでトラップして収める事が出来る。右利きの選手が、内側でトラップしてしまうと右に運ぶにはスキルが必要で、足元で収めようとした瞬間を狙われプレスバックで奪われてしまった。



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posted by おかき at 14:41| Comment(0) | 横浜FC2020観戦記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年11月20日

2020年J1第27節 サンフレッチェ広島-横浜FC「鏡を割れ」

神戸戦の勝利から1週間、正確には中5日で迎えたアウェイ広島戦、キックオフの笛と同時に驚きがあった。3バックを採用。今シーズン広島に2戦2敗を喫したチームに変化を求めた結果なのか、あるいはそれとは関係なく用意してきたものなのか。
広島も3バックで3-4-2-1を敷いている事からこれはいわゆるミラーゲームとなった。

ミラーゲームにする意図は何か。一般的にミラーゲームにすると、同じシステムなので短所も長所も出にくくなり戦術上の優位性が下がる。ただし、同じシステムということは選手個々の力の差が出るシステムでもあると言える。そこで横浜は単純に3バックをそのままという訳ではなく、守備時は3バックに2人のウィングバックを加えた5バックで受け止め、攻撃時は袴田を左サイドバックに見立てて4バックでゲームを展開した。

先制点は幸先よく横浜にこぼれた。コーナーキックの跳ね返りを手塚がクロスを入れると、ファーサイドでマーカーを外した小林がヘディングでゴールに叩き込む。前半10分に先制した横浜はそこからやや優位にゲームを進める。相手のプレスを剥がして、前進。決定機までは中々持ち込めないものの、中盤を支配していた。



ところが、横浜の弱点、飲水タイム明けに失点してしまう。前半28分中盤からのロングボールで裏に飛び出した広島・エゼキエウを捕まえる事が出来ずにそのままゴールを許してしまう。緊張感が切れた終盤で失点を重ねる事が多いが、飲水タイム明けの失点も横浜は多い。中盤から蹴ってくると想定していなかったのか、ラインコントロールの隙を衝かれてしまった。

失点してもそれ以上慌てる部分がなくなってきた印象。むしろ、淡々と広島のプレスを剥がして前進し、手塚を中心にボールを回してギャップを作って相手の隙を伺う。




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posted by おかき at 00:09| Comment(0) | 横浜FC2020観戦記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする