横浜は無関心ではなく、強烈な嫌悪を持って臨んだ。これはダービーであると。勝った者が横浜を我が物顔で闊歩出来るのだと。旗を翻せ、時は来たり。リーグ最終節でアッと言わせるとばかりに。
しかしながら、本当にF・マリノスが嫌われたのはホーム側のサポーターよりも、アウェイ―側のゴールにだった。特に後半はF・マリノス前田のヘディングも、松原のミドルシュートも、後半アディショナルタイムの小池のシュートと決定機を三度跳ね返した。GK六反の神懸ったセーブもあったがそれにしても、ゴールは良くシュートを跳ね返した。
逆に愛されたのは、横浜だった。斉藤光毅の縦の突破から折り返すと、オーバーラップした志知が左足を振り抜き、シュートはクロスバーに当たり導かれるようにゴールに飛び込んだ。ダービーで先制したのは横浜だった。その後も攻勢に出たのは横浜だった。
F・マリノスはサイドにボールを展開してチャンスを窺うも。水沼と前田を横浜守備陣が簡単に前を向かせなかった。Fマリノスはサイドから斜めに入って攻撃を組み立てようとしたが、横浜は逆にそこに誘い込む様にペナルティエリアライン付近で手塚が何度もパスをカットしてF・マリノスの攻撃を食い止めていた。サイドに預けて後お任せの様なサッカーでは、横浜相手とは言え中々剥がせない。
次のゴールはまたしても横浜だった。手塚のコーナーキックのこぼれ球を田代が押し込んだ。古巣Fマリノスから奪ったゴールは格別だろう。前半16分までに横浜が2点を先制するというホームの人間ですら希望や期待こそすれ予想だにしないゲーム展開となった。
そこからのF・マリノスの反転攻勢は見事で、高野が中央突破すると見せかけて、左サイドにいた前田にパス。折り返しをオナイウがポストに弾かれたボールに先に触れて1点を返す。この1点で息を吹き返したFマリノスの時間がそこから総じて続くようになる。
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