試合は意外な展開で動いた。左サイドを突破した袴田のクロスに飛び込んだ一美はトラップし損ね、ボールが手に触れてしまった。それでも笛はならず、松尾が素早く反応してボールをかきだし、こぼれ球を皆川がゴールに叩き込んだ。ボールに手で触っているのは確実で、鹿島の選手達はセルフジャッジで手を上げて、プレーを止めてしまい、その間隙を突く形で横浜が先制した。このジャッジについては、評価は分かれている。自分も微妙なところだとは思う。もちろん、ボールは手に触れているのは確実。ただ、後ろからのボールなので偶発的である。手を広げているとは言っても、右足を伸ばして左手が後ろになるのは不自然ではないと主審は判断したのだろう。また、その後の得点機会の創出についても、そのボールを例えば松尾がシュートを放っていたらそうなったかもしれないが、そこで鹿島の選手も足を出したり、GK山田が手を出したりと混戦になり、それが得点機会を作ったとは言えないと判断したのかもしれないと自分は受け取った。微妙な判定で得点できたのは横浜にとってラッキーだった。
怒りに燃える鹿島はここから怒涛の反撃を見せるかと思ったが、そうでもない。伝統の4-4-2は横浜も4-4-2でミラーゲームなのでどこかでギャップを作らないと流れが掴みにくいはず。個人の力で剥がすか、戦い方で作り出すか、鹿島の攻撃はそのどちらでもない戦い方になってしまった。サイドは確かに巡回するが、長身のエヴェラウドにクロスを入れて打開するでもなく、崩し切る訳でもない。前節から大幅にメンバーを変えた部分で上手くいっていないのではと感じていた。
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