前半横浜は非常に良い立ち上がりを見せる。前節の湘南戦から齋藤功の立ち位置に修正がかかり、彼は縦関係を意識するよりも、3ボランチの一つを意識してゲームを作りつつ、フィニッシュまで顔を出すことを意識した結果、横浜はスムースにボールを動かし続ける事が出来た。湘南戦では、縦でボールを受けて捌こうとしすぎた結果、低い位置からボールが回らなくなり、苦し紛れで左右の裏にボールを蹴り込むばかりになってしまった。
横浜の調子の一つのバロメーターは手塚の状態。彼がボールをどれだけエレガントに触れていられるか。スペースに顔を出してボールを捌いて動いてを繰り返しながらギャップを作っては、自分達の形を作ろうとする。ボールを保持するという自分達のコンセプトを体現している。
大分もボールポゼッションしたいチームだが、この日の前半は横浜のボール回しにプレスが掛からない。横浜は4-4-2の戦いから4-5-1に近い形にしたことで、中盤でのボール争いで優位に立った。
前半29分、右サイドから手塚の入れたボールを田代が懸命に足を伸ばしてゴールに転がした。その直前にも同じ様な形でチャンスを迎えており、狙った形通りにゴールを奪えた。続けて、前半32分、瀬古のクロスを2列目から飛び出してきた齋藤がヘディングでゴールネットを揺らす。
これで2-0。前節やその前の札幌戦の内容と比較して、テンポよくボールが回っている。横浜は良いフィーリングでゲームを進められていたはずだ。
ところが2点目を取った後から次第に大分の攻撃を受け始めてしまう。そういう不穏な空気の中で、コーナーキックから失点。前半終了間際の43分。横浜の流れに冷や水を浴びせることになるお粗末な失点だった。
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