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2010年11月14日

2010ACL決勝 城南一和-ゾブアハン 「事故」

この試合はアジアのクラブナンバーワンを決める試合で、それを栄えある国立競技場で行うというのだから国内メディアは盛大に盛り上げても良いはずだが、多くのメディアはこの試合がさもどこか遠い国で行われた縁も所縁も無い試合の様に振舞う。昨年出場した浦項は岡山一成がいて控えとは言えそれなりに報道はあったが、今年はそもそも開催が国立なのかどうかすら情報は少なかった。スタジアムに入って北側の通路を通ると、ハングルばかり聞こえる。「乗客に日本人はいませんでした〜」某アーティストの歌詞が自然と口を突く。
あの曲は「外国で飛行機が堕ちました」という設定での歌詞だが、この試合の縁遠いチームの失点もまさしく事故そのもので、レベルの高さを見せ付けられたというものではなかった。



前半ゲームを加熱させたのはゾブアハンだった。動きの鈍い城南の選手を尻目に、ボールを素早いプレスで奪って速攻を仕掛ける。イラン代表のハラトバリとブラジル人のイゴール・カストロの2人は切れていた。前半中盤まではゾブアハンのゲームだった。城南は低い位置でチョ・ジェチョルが奮闘し、ロングボールを縦に当てて攻撃を仕掛けるが、ゾブアハンの守備陣に囲まれて前を向いて攻撃を仕掛ける事はままらない。



ところがその流れが変わったのは前半29分。ゾブアハンのペナルティエリアへの城南のロングスローで上がっていた城南・オグネノブスキが密集地帯でそれを突き破るシュートを放って先制のゴールを挙げる。ゾブアハンは両チームの多くの選手が密集したところでクリアもままならないまま押し込まれた感は強かった。



そのゴールで城南に落ち着きが戻り、逆にゾブアハンは攻撃が萎えてしまう。サッカーには良くある傾向で、このまま前半が終了。とは言え、城南のサッカーが面白いかと言うとロングスローのクリア崩れを押し込んでゴールを奪ったもので美しいサッカーをしているとは言えない。ゾブアハンのサッカーはショートパスを多用しているが、中央で決め手に欠ける。

後半も事故の様なゴールで幕を開ける。決めたのは城南チョ・ビョングク。モリーナのシュートで作ったCKをチョ・ビョングクがフリーなヘディングで押し込んで追加点。2-0となってゲームは城南のカウンターと、粘るゾブアハンという色合いは濃くなった。
時間が経過するにつれ城南守備陣も緩んだところに生まれたのがゾブアハンのゴール。スルーパスに抜け出したイゴール・カストロが城南GKチョン・ソンリョンと交錯し、跳ね返ったボールをハラトバリがヘディングでループシュートを放ってゴールに流し込んだ。おでこを叩いてはしゃぐハラトバリ。



1点差になってゲームはやっと締まった感が出てきた。ゾブアハンのモハマド・ガジが上手くボールを引き出して厚い攻撃を仕掛けようとする。逆に城南はその攻撃にじっと耐えてモリーナを中心に追加点の機会を窺う。攻撃の切り替えは城南の方が早いので、ゾブアハンは中々それを崩しきれない。



ところが思いも寄らぬゴールが生まれたのが後半38分。昨年の浦項のFKが壁に当たって角度が変わってゴールをした様に、城南モリーナのシュートはゾブアハンの選手に当たってこぼれ球となり、GKシャハブ・ゴルダンは最初のシュートに反応して体勢を崩しており、がら空きのゴールに城南#17キム・チョルホが落ち着いて押し込んで試合を決める3点目となった。



そのまま試合は終了し、城南一和がアジアクラブナンバーワンの座に就いた。大盛り上がりの城南ゴール裏。昨年も浦項が優勝しこれで韓国勢は日本の会場で連勝。相性が良いのだろうか。在日韓国人も多いし、観戦する勢いがまるで違う。
国立競技場だから、日本のチームが出場しないと盛り上がらないでは本来話しにならないとは思う。ヨーロッパのチャンピオンズリーグでは第三国でも物凄い盛り上がりを見せる。現地の国のファンもそうだし、出場チームのサポーターも大挙して押し寄せる。とは言え、狭いヨーロッパだからそういう事が出来るが、広いアジアでイランから大挙して押し寄せるなんてのはかなり困難なはずで、それも現実味に欠ける。
日本のチームが出られるであろう事を前提に日本で決勝を組んでいるとしたら、それもやや傲慢な話。決勝進出国での開催にするという話も出ているが、日本のチームや日本人が出ないと盛り上げようとしないメディアばかりの日本で開催するよりも良いのではと感じる。それでも昨年よりはちょっとだけ観客も増えてはいたけど、少年チームの招待みたいな客ばかりでそもそもの開催意義を疑いたくはなる。



「乗客に日本人はいませんでした〜」という言葉を試合後にも思い出したが、この試合の主審は南アフリカW杯でも活躍した西村雄一氏、副審も相楽、名木氏。ここにも日本人はちゃんといました、ハイ。
posted by おかき at 10:03| Comment(0) | TrackBack(0) | サッカー観戦記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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