
そんな畠山氏の居城が七尾城。当主は地味な存在ではあるが、城は日本五大山城に数えられるほどの城で、無数の尾根に砦が築かれた大規模な山城は、侵攻した上杉謙信ですら美しさ、壮大さに詩吟を読んだと言われている。七尾というのは七つの尾根という意味であり、城自体はその中の松尾に築かれた。

また当時は山麓に千門万戸が広がり、単純な城というよりも居住区兼城郭だったと思われる。八王子城なども山城で武家屋敷などは麓にあるが、七尾城では上級武将の屋敷は二の丸、本丸付近にあるという部分で城郭都市に近いものだったのかも知れない。


この城も上杉謙信が接収した後は、織田信長の手に渡ったが、山城の時代は過ぎており前田利家は七尾城の麓に小丸山城を築いてそこで執政をした。利家の嫡男・利政が入るも江戸時代を前に廃城に。逆にそうなったから、今でも非常に保存状態が良いまま残っている。城が現代までどういう姿で生き残るかも紆余曲折がある。
山城だけあって登りは急峻。それでも八王子城のように見上げる程ではなく、ピクニックの様に快適。1時間程度あれば車がなくても登り切れるだろう。七曲がりは急な角度をジグザグ登らされる。こういう部分をとって見ても、上杉軍の侵攻に200日以上耐えた七尾城の堅固さが伝わってくる。


本丸近くの調度丸から見上げると素晴らしい風景が目に入ってくる。石垣は高くないが、野面積みを重ねて乱立している杉?が時代を感じさせる。森林浴ではないが、山城の素晴らしさはこの辺り。自然の中に残っている戦いの跡を見るために、山城に登っている。

そして、本丸。遠くに日本海を臨む景色。隣の山に展望台があるからそこから一望出来るだろう日本海は素晴らしいだろうなぁ。本丸は神社と石碑しかないが、気にならない。天守閣を登るだけが城巡りではないからね。

七尾城は、七尾駅からバスで15分程度乗り、城史資料館前で下車。そこから1時間程度歩くと本丸に到着する。思ったよりも時間はかからなかった。行ったこの日能登地方は穏やかだった。畠山氏が滅亡する前の50年近く平和だった時の空気ってこんな感じだったのかなぁなんて思いながら城を下って、七尾を後にした。
行った事ないのか。
車で行くなら駐車場も中腹にあるけど、
下から尾根沿いに歩く方がやっぱ山城って感じする。
廃城が早かったから、放置状態で残っていたのが幸運だね。